No.483246

IS ―インフィニット・ストラトス― きゅー組物語 2

なんとか、投稿済みの辺りまで追いつかせたいです。一週間以内で。

2012-09-13 05:44:31 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1234   閲覧ユーザー数:1202

「出雲さーん、出雲さーん!!」

 

ドアの向こうから、声が聞こえてくる。

 

一体誰だ?また、マスコミか?それとも宗教の勧誘か?

 

 

いや、待てよ………そういえば、面接受けた会社、一社だけ通知がまだだったな。

 

 

………まさか!

 

 

………思えば、この時の俺はアホである。

たとえ件の会社に採用されたとしても、誰かが採用通知を直接持ってくるなんて事はあり得ないのだから。

 

 

 

「はいはいはいはい!今出ます!!!今出ますからちょっと待って!!!!!!」

玄関に向かってそう叫び、俺は大慌てでドアを開けた。

 

するとそこには

「どーも、出雲さん。私、こーいうものです。」

名刺を差し出す、スタイルのいい白人女性が立っていた。

 

ん?んん??通知待ちのとこって、町の小さな不動産だったよな。

なんか、イメージ合わないな?あ、やっぱり宗教さん??

そう思って、差し出された名刺に視線を落とすと

 

 

「IS学園?」

 

「はい!IS学園のロジーナ・ピアリーです!」

 

「ISって、あのIS??」

 

「ええ、あの女性しか使えない超兵器のISです!!」

 

………わからん、何故男で技術職でもない俺の所にIS関係者が尋ねてくるんだ?

 

 

「………なんで?」

解らない、考えても答えは出なさそうなので素直に聞いてみる。

 

「えぇ、それについてちょっと説明させて頂きたいのですが。」

 

「は、はぁ。」

 

「それじゃ、ちょっとお邪魔させていただきますね。」

そう言って彼女は部屋へと滑り込み

 

 

「うわ!汚い!!部屋汚い!!私の部屋並みに汚いよ!?」

大声でそんな事を叫びだしたのだった。

てか、どんだけ汚いんだよアンタの部屋。

 

 

 

流石にあの部屋に客を入れる訳にも行かず、近所の喫茶店に場所を移すことになった。

 

「とりあえず、この資料を。」

そういって、ロジーナさんはプリントを差し出す。

そこにはデカデカと、こう書かれていた。

 

 

 

国連でISのレスキュー隊作るよ!

国連にノウハウ無いからIS学園に協力してもらうよ!!

学園もレスキューのノウハウ無いからスカウトするよ!!←今ココ

 

 

 

「何です?これ。」

 

「私がココに来た理由と目的。解りやすいでしょ?」

いや、解りやすいけど。

 

「あの、流石にこれだけじゃ………」

なんだか、不安にもなるわけで。

 

「だってさ、詳しく説明すると長くなるしさー。絶対眠くなる、私が。」

アンタがかよ。

 

「ちゅーか、敬語は要らんよ。歳は私のが下だし。」

 

「いや、でもですね」

 

「だー、もー、敬語無し!あと、私のことはロジーナって呼べ!!何かイライラすんだよ!」

うわぁ、何か理不尽な理由で切れかけとるよ、このねーちゃん。

 

「………はぁ、わぁーったよ、ロジーナ。コレでいいか?」

 

「オッケーだ、春告。んで、ズバリ聞くぞ?」

 

「何だ?」

 

「このまま部屋で腐って過ごすか、それともまた人助けをするか。あんたは、どうしたい??」

 

………その聞き方は、卑怯だ。

出雲春告という人間に対して、その問いは余りに卑怯だ。

 

 

 

 

 

「………解った。やらせてもらうよ。」

 

「そうこなくっちゃな!!これからよろしく、春告センセ!」

 

こうして、俺の再就職が決まった。

 

 

 

「あ、ロジーナ。一つだけいいか?」

給与などの細々とした話が終わり(そっちの資料はちゃんとしていた)、俺達は駅へと向かう。時刻は六時半。辺りはすっかり暗くなり、駅前通りは帰宅する人々で混み合っている。

 

「何だ?」

 

「何で俺にこの話を持ってきたんだ?」

探せば、もっと経験豊富な人材が見付かりそうなもんだ。

大体、IS学園って女子高だろ?女性の方が、良さそうなもんだが。

 

「あー、色々理由はあるんだけどさー。結局は………」

 

「結局は、何だ?」

 

「私が気に入ったんだよ。お前の事。」

 

「気に入ったって、初対面だろ?」

いままで、ロジーナのようなブロンド美人に出会った記憶は無い筈だ。

 

「だって、アンタ有名人じゃん。いやー、ニュースで大爆笑したのは初めてだったぜー。」

そういって、彼女は大爆笑する。

 

「ふん、そんなにピエロが好きかよ。猫を助けてクビになったのがそんなに可笑しいか。」

マスコミが面白可笑しく騒ぎ立ててくれたお陰で、あの件は俺のトラウマみたいになっているのだ。

そこを笑われると流石にイラッとくる。

 

「そーゆーことじゃねーよ。たぶん、アタシがアンタの立場でもきっと同じ事をした。そう考えると、何か笑えてきたんだよ。」 

そういって前を歩いていたロジーナが、こちらを振り向いた。町の明かりに照らされたその笑顔が、何だかとても綺麗で

「そーかよ。」

 

 

俺は赤くなっているであろう顔を隠すように、ぶっきらぼうに応えた。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択