No.483335

IS-インフィニット・ストラトス- きゅー組物語3

シャルがかわいい。可愛いけど、まだまだ出せない。ちくせう。

2012-09-13 15:30:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1189   閲覧ユーザー数:1159

 

 

さて、ロジーナとの出会いから二ヶ月が経った。

 

俺は住んでいたアパートを引き払い、現在IS学園の寮に住んでいる。

 

女性だらけの環境に戸惑いもしたが、今では大分慣れてきた。

 

 

そして、その間の俺の仕事はというと………お勉強である。

 

俺は今年の四月にIS学園に教師として赴任する。

それまでにISに関する知識を、最低でも新入生と同等のレベルにまで引き上げなくてはならない。

コレがまた非常に厄介だった。

 

IS学園の生徒は基本的に中学の内に専門の教育を受けており、俺の場合は彼女達が三年間かけて学ぶ事を短期間で自分のものにする必要があった。

 

 

 

 

 

 

以下、回想。

 

 

「だぁーからぁー、バススロットのシステムとPICはココのパスで繫がってんの!!さっきもやったろーが!!」

「…はい。」

「だぁー、もう!!救命領域対応は絶対防御とは別物なの!!!」

「……はい。」

「ちっがーう!!もー、それはアラスカ条約の項目なの!!国連協定じゃないの!!!あー!もう!!バカバカバカ!!!そんなだから童貞なんだよ!!!」

「………はい。………いや、童貞は関係ないだろ!!!」

 

 

 

 

回想終了。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでロジーナから涙が出るほど有り難い教えを受け、俺のISについての知識は何とか最低限のレベルになった。

 

そして現在

「とりあえずは、お疲れさーん!という訳で、かんぱーい!」

「おう、かんぱーい!」

 

さし当たってのお疲れ会を、学園近くの居酒屋で開いている。

 

「「くっはぁー、生き返る!!!」」

ジョッキをかち合わせ、一気に中身をあおる。喉を流れるビールの冷たさがたまらない。

 

「ま、コレで名実共にアンタも立派なIS関係者って訳だ。」

 

「長かった、何かもう一生分勉強した気がする………あ、おねぇさん、枝豆お願いします。」

 

「おいおい、もう職務放棄する気満々か?お勉強も教師の仕事の内だぞ?私、生もう一杯。」

 

「うあー、止めてくれ。今は考えたくねーよ。」

 

「あはは、だろーね。よーし、今日はトコトン飲むぞ!」

そう言ってロジーナは二杯目のビールをあおる。

 

「しかし、改めて思うが俺達の職場ってでかいよな。」

 

「そりゃ世界中から人間が集まって生活してるんだし、扱うのは軍事技術と最先端技術。そんなとこがお粗末じゃ、カッコもつかねーでしょうよ。あ、鶏皮食べたい。」

そりゃ、ごもっともである。にしてもコイツ、ペース速すぎないか?もう二杯目が空になっとる。

 

「頼め頼め、今日は俺様の奢りじゃ。」

 

「きゃー、春告さんカッコイイー!!あ、おねーさん!とり皮とつくね、あと生お願いしまーす!!」

 

「………お前、相当飲むなぁ。」

 

「もう財布の心配かぁ?まぁ、前の職場の奴らが良く飲む奴らだったしねー。」

そこまで聞いて、ふと気付いた。ロジーナと二ヶ月過ごしてきたが、俺は彼女の事を全くといって良いほど知らない。

 

「前の職場?」

 

「あれ、言わなかった?私、米軍出身。元少佐。」

 

「は?少佐ぁ?」

余り詳しくないが、少佐って結構偉かった様な………

 

「そ、アメリカ陸軍第二IS中隊長。“空の妖精”ロジーナとは私のこった。」

 

 

 

………空の妖精。

 

「………ぶっ、“空の妖精”!?似合わねー!!!」

大爆笑である。

 

 

 

 

「あぁん!?どっからどう見ても、綺麗な綺麗な妖精さんだろーが!?」

 

「大ジョッキ片手にんな事言われても、説得力ねーよ。」

確かに、ロジーナは美人と言って差し支えない。

だが部屋が汚かったり中身が妙におっさん臭かったりと、美人は美人でもガッカリ美人の類である。

 

「けっ、どーてー君には私の魅力はわかんねぇらしいな!!」

何時の間にか頼んでいたらしい三杯目の空ジョッキを、テーブルに叩きつけるロジーナ。

 

「だから、童貞は関係無いだろうが!!」

こちらも負けじとジョッキを空にする。

 

「「………。」」

何やら不穏な空気が漂い、俺達のテーブルの周りがシンと静まり返る。

 

 

 

 

「「ねぇちゃん。」」

 

「は、はいぃ………」

ドスの聞いた声で呼び止められ、店員が涙目で答える。

 

「「焼酎瓶ごと持ってきて!!!!」」

こうして、その日の夜は更けていった。

 

 

 

 

 

翌朝。

「うぁ、頭が痛ぇ。」

酷い二日酔いだ、こんな状態で仕事になるのか?

 

「今、何時だ?」

時計を確認する。良かった、いつも通りの時間だ。のろのろと寝床から這い出て、出勤の準備を始める。今日からは遂に、教師としての仕事準備が始まる。

 

あー、そういえばロジーナは大丈夫だろうか。記憶が確かなら、あいつ二回は吐いてたよな。

 

「あいつが居ないと困るし、後で声だけかけとこう。」

 

そうして準備を終えて部屋を出た俺は、隣の部屋をノックする。

 

「おーい、ロジーナ。生きてるかぁ?」

酒で焼けたようなだみ声、我ながら酷い声である。

 

「あー、今出るー。」

爽やかな朝の景色に似つかわしくない、酷くローテンションな声が聞こえてくる。

あいつも似たような状況か………

 

 

そんなロジーナさん、ドアを開けて開口一番。

「うぇっ、ぎぼじわるー。」

と、のたまった。

 

「頼むから今吐くなよ、間違いなく貰いゲロするから。」

 

「………オッケ、がんばる。うえっ。」

 

 

 

 

また、新しい一日が始まる。

 


 
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