《誰かこの声が聞こえる誰か……》
薄暗い森の中で、一人の男の子が倒れています。
男の子は、動物に変身しながら、助けを求めています。
私は、助けに行きたい!けど、これは夢。私は、動くことは出来ない……
《お願い…力を貸して……魔法の力を……》
えっ!!ま、魔法!?魔法は、五つしか無いのに!!
そんな疑問も解ける事無く私は、夢から覚めた。
「変な夢……」
それが、私が見た夢の感想でした。
私、高町なのは!小学3年生です!!
私の家に居候してた士郎お兄ちゃんが死んじゃってから、もう1年経ちました。
あの時は、私はただ泣くことしかできませんでした……
何日も部屋に篭って泣いていて………
でも!もう大丈夫です!!私は、絶対に士郎お兄ちゃんから受け継いだ理想と力で頑張っていきます!
そんな訳で、今は日課の朝のランニングの途中なんですけど……
頭の中にあるのは、さっきの夢のことです。
あの男の子は、"魔法"って言ってたけど、よくよく考えてみたら、この世界に"魔術"はありませんから、この世界には独自の魔術体系があって、それがさっき言ってた"魔法"なのかな?
もしそうなら、魔術使いとしてへっぽこだけど、この世界の魔法なら、素質あるかな?
そう考えてるうちに、もう我が家についてしまいました。もう少し考えたかったんだけどなぁ~…
「おはよう、お母さん!」
「あら、おはようなのは。今日は早かったわね。」
リビングに行くと、キッチンの方でお母さんが、ご飯を作ってました。
早かったのかな?なら、もう少し距離を伸ばしてみようかな?
あ!!にゃはは、忘れるとこだった。
「おはよう、士郎お兄ちゃん♪」
そう言って、リビングにあるテーブルの上の写真に挨拶します。
士郎お兄ちゃんが、死んじゃってからは、士郎お兄ちゃんを絶対に忘れないように、いつも挨拶をしています。
これが、私のいつもの朝です。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ねえ、なのは?なのははまだ、正義に味方を目指してるの?」
学校が終わって、塾に向かってる途中に、私の友達の"アリサ・バニングス"ちゃんが、そう聞いてきました。もちろん私の答えは、決まっています。
「うん。そうだよ、アリサちゃん。」
「なんと言うか、ホント男子みたいな夢ね……」
むーーー失礼な、なのはは女の子だよ。
「でも、素敵な夢だと思うよ、なのはちゃん。」
そう言ってくれたのが、私のもう一人の友達"月村すずか"ちゃんです。
「ま、それは認めるわね。友達や家族を守る正義の味方なんでしょ、なのは?」
「うん、そうだよ。」
その後、世間話をしながら歩いてると、アリサちゃんが塾への近道になるという道を歩いてると、何故か見覚えがあるように見えます。
そう思いながら、歩いていると、夢に出てきた声がまた聞こえました。
『助けて!!』
その声を聴いた瞬間、私は駆け出してました。正義の味方として、助けを求める人は放っておけません!
アリサちゃんとすずかちゃんが、驚いているけど、それでも私は走りました。
その声の主を、探しながら走っていると、一匹の動物さんが倒れているのが見えました。
傷ついた動物さんを見ていると、その動物さんが目を覚ましました。
私が、動物さんを抱きあげると、ちょうどアリサちゃんたちが来ました。
「ちょっと、なのは。どうしたのよ急に走り出して?」
「あ!見て、動物。怪我してるみたい…」
「う、うん。どうしよう?」
「どうしようって……とりあえず病院?」
「獣医さんだよ。」
「え~っと、この近くに獣医さんってあったっけ?」
「え~っと、この辺りだと確か……」
「待って、家に電話してみる。」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「「「ありがとうございます」」」
あれから、私たちは槙原動物病院に行きました。
獣医さんに見てもらったし、もう大丈夫だよね?
「先生、これフェレットですよね?どこかのペットなんでしょうか?」
「フェレット、なのかな?見たこと無い種類だけど…それに、この子が着けてるの宝石かしら?」
先生が、フェレットさんの着いてる宝石に触ろうとすると、フェレットさんが目を覚ましました。
知らない場所だからか、すこし辺りを見回しています。
アリサちゃん、すずかちゃんを見た後なのはの事を見ています。
「見てる……」
私が、手を伸ばして触って見るとフェレットさんが私の指を舐めてくれました!
私が、つい嬉しくなってしまいましたが動いたからか、気絶してしまいました。
けど、さっきから、この子から魔力を感じるのは何でだろ?
時間を見ると、そろそろ塾の時間なので院長先生にお礼をいって塾に行きましたが、ずっと、あの子から魔力がある事について考えてました……
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第一話「高町なのは」