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真・恋姫†無双~だけど涙が出ちゃう男の娘だもん~[第4話]

愛感謝さん

無難な人生を望み、万年やる気の無かったオリ主(オリキャラ)が、ひょんな事から一念発起。
皆の力を借りて、皆と一緒に幸せに成って行く。
でも、どうなるのか分からない。
涙あり、笑いあり、感動あり?の、そんな基本ほのぼの系な物語です。
『書きたい時に、書きたいモノを、書きたいように書く』が心情の不定期更新作品ですが、この作品で楽しんで貰えたのなら嬉しく思います。

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2012-07-23 20:45:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4431   閲覧ユーザー数:4030

真・恋姫✝無双~だけど涙が出ちゃう男の()だもん~

 

[第4話]

 

 

漢中郡を平定したボクは、まず益州の州都・成都から飼い猫のミーシャを連れて来て貰いました。

癒しが無いのには(こた)えました。コリゴリです。

その後、有為の人材を招聘して政務をとらせる事にしました。

張任・鄧芝・李厳・李恢・黄権・費禕・費詩・呂乂(義)・孟達・法正などを登用していきます。

軍の統括は、配下筆頭として厳顔を置きました。

黄忠は基本ボクの補佐をして貰い、政務の統括をお願いします。

魏延は、ボクの知らないうちに親衛隊の隊長に就任していました。

何で?

 

財政においては、反乱者や汚職官達から押収した財産で(ほとん)ど問題ありませんでした。

役所を各県に設置して、人口と税の納入義務者を調べさせます。

これで、次年度の税収見込みが立てられるように成りました。

総税率の割合を下げて、納税者の総収入の4割を納めるように調整します。

商家は売上に応じて税を徴収する方式を採用し、出店も許可制にしました。

許可制にした為か、商家の数が増えて行くのは嬉しい事です。

これらの政策を朝廷から問題視されても、“知らぬ存ぜぬの一点張り”ですね。

 

税を下げた為か他の土地からの移民・流民が増えて来て、治安は少し不穏な雰囲気に成りました。

その為に急遽、軍の管轄ではあるが新規の警察隊を創設して町の安全を任せます。

県と県を繋ぐ主要な道を整備して、乗合馬車を走らせました。

乗合馬車の護衛には、訓練も兼ねて新兵を中心に派遣しています。

一定の区間を決めて駅を作り、伝令が馬で乗り継げるようにしました。

おかげで緊急連絡が可能になり、有事の際に(おく)れを取る事も無くなるでしょう。

 

 

「この後は、特産品の開発と学校の建設かなぁ」

 

ボクは手元の報告書に書いてある領地経営の進み具合を見ながら(つぶや)きました。

 

(荊州の司馬徽に書簡を送ってはいるけど、なしの(つぶて)なんだよなぁ)

 

領地経営に乗り出した時、ボクは真っ先に司馬徽に招聘の書簡と使者を使わしたのですが、仕官には色好い返事が貰えなかったのです。

疑問に思って“情報”を送受信したところ、“不信感・困惑”と感じられました。

 

「やっぱり、ボクが直接行くしかないかぁ……」

 

ボクが思案に暮れていると、「おとうさん!」とボクを呼ぶ幼いカン高い声が部屋に響きます。

声が響いたと思ったら、すぐさま声の主はボクに飛び乗って来ました。

 

「おっ?! こんにちは、璃々ちゃん」

「うん! こんにちは~」

「璃々ちゃんは、今日も元気一杯だねぇ」

「うん! 璃々は今日も元気なの!」

 

この子は黄忠さんの娘の璃々ちゃんです。

成都からミーシャと一緒に連れて来て貰いました。

でも黄忠さんの差し金か、ボクを『おとうさん』と呼ぶのです。

最初にそう呼ばれた時に訂正しようしたら、瞳に涙を浮かべて『おとうさんって、(グスッ)呼んじゃダメなの?』って言われてしまい、あえなく撃沈。

子供を使うとは、黄忠さんの腹黒さが伺えます。

ボクは女性と付き合った事すら無いと云うのに、それを通り越してもう子持ちの気分ですよ。

 

 

「おとうさん。璃々と一緒にあそんで?」

「おとうさん、まだお仕事中なんだよ。だから一緒に遊べないんだ」

「えぇ~。璃々とあそんでくれないのぉ~?(泣)」

 

泣きそうな顔をする璃々ちゃんにボクが困っていると、救いの神が現れます。

 

「あらあら。璃々、我が(まま)を言ってはいけませんよ?」

 

ボクに提出する書類を片手に、黄忠が部屋へ入室して来たのです。

黄忠は自分の娘を(たしな)めました。

 

「えぇ~。でもぉ~」

「う~ん。じゃあ、璃々ちゃん。昼ご飯、お外へ一緒に食べに行こう! ね?」

「ほんとう?!」

「うん。本当だよ」

 

母親の言葉にも怯まず慕って来る可愛い子に、ボクは根負けして代案を出しました。

 

「よろしいのですか?」

「はははっ。丁度、一息つこうと思っていたんだ。それに、可愛い子には勝てないしね?」

 

困惑気味に問いかける黄忠に、ボクは問題ないと答えました。

 

「じゃあ、璃々ちゃん。何が食べたいのかな?」

「うんとね、うんとね。璃々、チャーハンがたべたい!」

「うふふっ。璃々ったら、しょうがないわねぇ」

 

3人での食事は、璃々ちゃんの一生懸命な食べ方が微笑ましく、楽しい一時でありました。

食事後、璃々ちゃんを真ん中に挟み、親子の様に3人手を繋いで城に帰って来ます。

何だか黄忠さんの術中に、余計に()まっていっているようだけどね。

気を取り直してボクは、城へ帰還後に厳顔・黄忠・魏延の3人をボクの執務室へ呼び、自身の荊州行きを告げました。

留守中は厳顔が統括者で有事の際の指揮を取らせる事とし、黄忠をボクの代理として政務を任せると決めて。

 

「まあ、情勢は安定しているし問題あるまい」

「そうねぇ。大丈夫じゃないかしら」

 

と、厳顔・黄忠は賛成してくれました。

 

「では、ワタシが護衛として一緒に行くのだな?」

「え~と。来るのかい?」

「あたりまえだ。ワタシは親衛隊の隊長だからな!」

「そうか……よろしく?」

「ああっ。任せろ!」

 

魏延がボクの道中の警護に随分と乗り気です。

何故でしょうか?

 

 

 

 

 

~ある夜、ある部屋~

 

 

「よいか、焔耶。女は度胸。荊州での道中、思いの(たけ)を若にぶつけるのじゃ!」

「はっ、はい! 頑張ります、桔梗さま!」

 

 

 

 

「くちゅんっ」

 

何やら、先ほどから寒気がしてきました。

良く分かりませんが、ボクの知らない所で悪巧みが計画されているみたいです。

こういう時は、マイ・エンジェル・ミーシャと一緒のお布団で眠るにかぎりますね。

 

あ~、ぬくいです。

もふもふです。たまりません。

 

では、おやすみなさい。


 
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