No.456763 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-07-21 14:55:04 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:4019 閲覧ユーザー数:3676 |
episode26 模擬戦
それから数日後・・・・・
(・・ようやくこの日が来たか・・)
隼人はバンシィの最終確認をしていた。
場所はIS学園西側より数十キロ先の海域であり、一年の専用機持ち全員はそれぞれ最終確認を行っていた。ちなみに簪の姿が無いのは専用機がまだ未完成であるため、今回は出撃ができなかった。ちなみにトーナメント時は無理に出撃したため、ISに障害が起こってしまった・・・・
「・・・今回は色々と大変だからな・・・しっかり頼むぞ、バンシィ」
《yes sir(了解)》
すると、バンシィからマシンボイスがするが、隼人は別に驚かなかった。
最近になってバンシィが喋りだして、戦闘中の隼人のバックアップを行っていた。
「そもそも・・・このマシンボイスどっかで聞いたことがあるような気がするな・・・・でも思い出せない・・・)
(さて・・・どう動くかな・・・)
そして右手にバスターソードを展開した。
しかしよく見ると、以前と違ってバスターソードの形状が若干異なっており、柄の根元横には隙間があり、刃の反対側にショットガンのポンプアクションのような機構が新たに搭載されていた。
(・・・バスターソードの新機能・・・『カートリッジシステム』か・・・・その名の通りカートリッジをソード内に仕込まれた攻撃機構に装填する事で一時的に威力を上げる機能・・・・・・どう使うべきか・・・・ってか、どっかで聞いたことがあるような・・・)
《If it is a master, I can manage it(マスターであれば使いこなせます)》
「そうか?」
《But prevent you from laying emphasis too much(ですが、力を入れすぎないようにしてください)》
「なぜだ?」
《Power changes depending on power(力加減次第で威力が変化します)》
「つまり、力を入れすぎると威力が上がってしまうのか」
《yes(はい)》
「・・どういった構造なんだ・・・力加減で威力の変わる武器なんか聞いた事が無い・・・」
《I think so, too(私もそう思います)》
「お前が作り出しておいて言うなよ・・・全く」
そして隼人は左手にグレーの四角形のマガジンを展開して、バスターソードの柄の根元横の隙間に差し込んで装填すると、背中のバックパックにマウントして、他にメンバーが居るところに向かう・・・・
「しかし隼人も凄いことを言い出したわね」
と、鈴は双天牙月を肩に預ける。
「あぁ。いくらあいつでも一対七はなぁ・・・無理があるよな」
一夏は雪片弐型を数回軽く振った。
「それほど自信があるんやろうな・・・。まぁ、うちにはどうでもええがな」
と、エリーナはスナイパーライフルのスコープを覗く。
「確かにそうだけど・・・・隼人にはなにか考えがあるんじゃないかな?」
「どういうことですか?」
と、ティアの言うことにセシリアは疑問を持った。
「隼人はそこまで無鉄砲じゃないから・・・・こんな無謀なことをしたりしないよ」
「・・それはそうですが・・・」
「・・こんな形で隼人と戦うなんて・・・・何だかなぁ」
シャルロットはリヴァイブカスタムⅡの調整を行いながら呟いた。
元の女性に戻ったので、ISの構成が若干異なっており、胸に集まっていたアーマーが両肩に移動していた。
「・・・・・・」
そしてちらっとラウラのほうを見る。
模擬戦が決まってから、どうもラウラは少し震えていた。
(隼人・・・何を考えているの・・・?)
そうして隼人が合流した。
「隼人・・・本当にいいの?一人で七人を相手にするなんて」
「あぁ。俺は言い出したからにはやり遂げる性分でな・・・」
「そうだったわね」
「・・・・・・」
「手加減無しで来い」
「・・あぁ!」
一夏は少し遅れて返事をした。
「そうさせてもらいますわ」
セシリアはスターライトMK-Ⅲを構える。
「そんじゃぁ行くわよ。隼人と一度戦ってみたかったのよね!」
鈴は双天牙月をバトンのように回して構える。
「隼人が相手でも僕は手加減しないよ」
シャルロットはアサルトライフルとアサルトカノンを隼人に向けた。
「・・・・・・・」
ラウラは少し引き気味であった・・・
「こうして戦うのって初めてだね・・隼人」
ティアは背中のキャノンを展開して、右手にアサルトライフルを持った。
「隼人・・・今回はうちが勝たせてもらうからな。覚悟しな!」
エリーナはスナイパーライフルを隼人に向けた。
そして遠くより試合開始の合図の信号弾が発射されたと同時に模擬戦が開始された。
それと同時に一夏たちは大きく散会すると、セシリアとエリーナが攻撃を開始した。
隼人はスラスターを噴射して後ろに飛んで攻撃をかわす。
「どりゃぁぁぁぁぁ!!」
その直後に横から鈴が急接近して勢いよく双天牙月を振り下ろすが、隼人は左腕のビームサーベルを展開して斬撃を防ぐと、右腕のアームド・アーマーBSを展開して接近してくる一夏に向けてビームを放った。
「くっ!」
一夏は不意打ちに失敗してとっさにビームをかわす。
「・・・・・」
そして隼人は鈴を押し返すと、遠くから攻撃して来たティアに向かっていくと、アームド・アーマーBSを放った。
ティアは左腕のシールドでビームを防ぐと、その後ろからシャルロットが飛び出てきてアサルトライフルとアサルトカノンを放ってきた。
「ちっ!」
隼人はとっさに横に飛んでかわすが、その瞬間更に遠くからエリーナの狙撃が来て、左腕にアームド・アーマーVNを前に出して防いだ。
そして更にセシリアの狙撃が来て、隼人はとっさに後ろに飛ぶ。
「甘い!」
その直後に鈴が衝撃砲を放ってきた。
「くっ!」
隼人はスラスターを噴射して足を大きく上げて衝撃をかわすと、逆さまになった状態でアームド・アーマーBSを放った。
「ちっ!」
鈴はとっさにかわすが、ビームは甲龍の右非固定ユニットの表面を蒸発させた。
「やるわね・・・やっぱりそうじゃないとね!」
そして鈴は衝撃砲を放っていく・・・・
(あいつら・・・・うまく連携を取っているな・・・わずかな時間でここまで立て上げたか・・・)
隼人は攻撃をかわしながら考える。
(・・・だが)
そして隼人は遠くに居るラウラを見る。
さきほどレールカノンを放つが、その精度は最悪で、全然違う方に弾丸が飛んでいっている。
(ラウラがあの状態では今回の特訓を言い出した意味が無い・・・。・・だが、その前に厄介なやつから潰して行くか)
そしてアームド・アーマーBSを収納して、バックパックにマウントしているバスターソードを抜き放った。
「新しく生まれ変わったバスターソード・・・使わせてもらおう」
《cartridge reload(カートリッジリロード)》
するとバスターソードの刃の反対側の一部が横にスライドしてマガジン内にあるカートリッジを装填した。
そして刃にエネルギーが纏った。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
隼人は勢いよくバスターソードを振るうと、刃から光波が放たれた。
「ちっ!」
エリーナはとっさに横に飛んでかわすと、光波は海面に直撃して巨大な水柱を上げた。
「・・・何て威力や・・・当たったらただじゃすまんな・・・」
そしてエリーナは息の呑むと、トリガーを握り直した。
「こうまでも強いとはな・・・」
そして刃の反対側の一部がスライドして空になった薬莢が排出されて、リロードをする。
《Please hold down ... which I put too much of the power a little more(力の入れすぎです・・・もう少し抑えて下さい)》
「分かっている。・・・やっぱり一筋縄じゃいかんな」
そうして左腕のアームド・アーマーVNを収納して左手の自由を利かせると、柄を両手で持って鈴に向かっていく。
「うおぉぉぉぉ!」
そしてバスターソードを勢いよく振り下ろすが、鈴はとっさに後ろに飛んで斬撃をかわす。
「甘いな!」
すると隼人はバスターソードをそのまま先端を鈴に向けると、刀身を縦に展開して、そこからエネルギー弾を放った。
「うそっ!?」
鈴は驚き、そのまま直撃を受けた。
隼人は空薬莢を排出するとカートリッジを装填し、鈴に向かっていくが・・・・
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
その直後に一夏が急接近して雪片弐型を振り下ろしてきた。
「ちっ!」
隼人はとっさにバスターソードを前に出して斬撃を受け止めると、刃にエネルギーを纏わせた。
「くらえっ!」
そしてそのまま光波を刃から放って、一夏を一気に吹き飛ばした。
「ぐっ!」
一夏は大きく吹き飛ばされると、光波が爆発して、その爆発に巻き込まれた。
「先にセシリアを叩くか」
隼人はソードから空薬莢を排出すると刃の反対側の一部をスライドさせてカートリッジを装填してセシリアに向かっていった。
「わたくしから倒す気ですわね・・・・しかし!」
セシリアはスターライトMK-Ⅲを放つと、非固定ユニットからビットを放った。
「出し惜しみはしませんわ!」
そしてレーザーを一斉に放った。
隼人は次々と来るレーザーをかわしていくと、セシリアに接近する。
「そこですわ!」
そしてビットが隼人の周りに配置されると、レーザーを一斉に放った。
「・・・・・」
しかし隼人はレーザー直撃前に手足や体を少し動かしてレーザーをかわした。
「っ!?」
そして隼人は振り向くと同時にバスターソードを二回振るって二つの光波を放ち、ビットをすべて切り落とした。
「覚悟はいいな」
そうして空薬莢を排出して、リロードを二回行った。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
そしてスラスターを一気に噴射すると、セシリアの懐に入った。
「っ!?」
セシリアはとっさにかわそうとしたが、既に遅く、隼人はバスターソードを一気に振り上げて切り付けた。
「くっ・・!」
そのままソードを振り下ろしてブルー・ティアーズを切り付けて、最後に蹴りを入れてセシリアを蹴り飛ばすと、バスターソードを一気に振り下ろした。
そしてセシリアは一気に吹き飛ばされて、海に墜落する前になんとか海面で止まったが、既にシールドエネルギーは尽きていた。
「まず一つ」
そして空薬莢を二つ排出すると、マガジンをパージして、二つ目のマガジンを装填して、リロードを行った。
《It comes from the direction at 2:00(二時方向から来ます)》
「っ・・!」
隼人はとっさに後ろに飛んで斬撃をかわした。
「くそっ!」
鈴は舌打ちをすると、衝撃砲を放った。
隼人はバスターソードを前に出して刀身で衝撃を防ぐと、刃にエネルギーを纏わせて一気に振るい、光波を放った。
「ぐっ!」
鈴は光波の直撃を受けるものも、何とか体勢を保ったが・・・・
「終わりだ」
「っ!?」
すると、隼人が目の前まで来ており、バスターソードを一気に振り下ろした。
「ぐっ・・・!?」
鈴は思い切って吹き飛ばされ、甲龍のシールドエネルギーも尽きた。
「二つ目」
そして空薬莢を排出すると、リロードを行った・・・・
「・・・やっぱり凄いですね・・神風君は」
「・・・・・」
その戦闘の様子を山田先生と千冬は小型船の中でモニターで見ていた。
「専用機持ち七人を一気に相手をしているというのに・・・神風君は対等以上に戦っていますね」
「そうだな・・・。あいつには毎回驚かされるよ」
「・・それにしても・・一体なぜ今回の模擬戦を許可したんですか?」
「・・・あいつの為だからな」
「・・えぇと・・神風君ですか?」
「それもある・・・が、実質はボーデヴィッヒのためだと神風は言っていたからな」
「ボーデヴィッヒさんのため・・ですか?」
「あぁ。山田先生も聞いていると思うが、ボーデヴィッヒの態度が一変した理由は」
「は、はい・・・・。・・・神風君に・・・あるんですよね?」
「そうだ。少しばかり荒療治だが、立ち直らせるにはこうするしかないからな」
「・・・・・・」
「それに、あいつ自身も特訓の一環だといっていたからな」
「特訓・・・ですか?」
「あぁ」
「い、一体何の?」
「さぁな。少なくとも戦いを見れば、分かるはずだろう」
「・・・・・・。それにしても」
そして山田先生は先ほどの映像に映るバンシィが空薬莢を排出してリロードをしている様子を見る。
「一体何なんでしょうか・・あの機構は」
「さぁな。だが、リロードを行った前後では威力が全然違うな。どうやらマガジン内にあるカートリッジで一時的に威力を上げる機能のようだな」
「しかし・・あんな機能は未だにどこの国も開発など・・・」
「ビーム兵器を実装している時点であの機体はイレギュラー的な存在だ。未知の技術を実装した兵装があってもおかしくは無い」
「・・・そうでしょうか?」
「ちっ!」
隼人はエリーナの攻撃をかわすと、空薬莢を排出してカートリッジリロードをする。
《The cartridge is left, and 3.... magazine is 3, too(カートリッジは残り3・・・・マガジンも3です)》
「・・・多く見えるが、そうでもないな」
《Do you use a destroy mode?(デストロイモードを使用しますか)》
「いいや。あれは使わない・・・。じゃないと今回の特訓の意味が無い」
《yes sir(了解)》
そして隼人はスラスターを一気に噴射してティアとシャルロットの居るほうに向かっていく。
「くっ!」
ティアは背中のキャノンを隼人に向けると、轟音と共に弾丸を放つ。
隼人は向かってくる弾丸を切り裂くと、一気に接近する。
「さすがに無茶だよ・・それは!」
ティアは右手のアサルトライフルを放ちながら後ろに下がっていく。
そして隼人は一気にスラスターを噴射してティアの目の前まで来ると、バスターソードを振り上げる。
「そうはさせないよ!」
すると横から瞬間加速をかけたシャルロットが左腕のシールドをパージして、その下にあったグレースケールと呼ばれるパイルバンカーを展開した。
「しまっ・・!」
隼人が避けようとした瞬間に、シャルロットはバンシィの横腹に杭を叩き付けると、そのままバンシィを押していって衝撃を叩き込んだ。
「ぐっ・・・!」
横腹から痛みが走るが、隼人はすぐに回し蹴りをしてシャルロットを蹴り飛ばす。
「くっ・・・!」
その直後に隼人はバスターソードを振るって光波を放ち、シャルロットに直撃させた。
そして空薬莢を排出すると、リロードを二回行ってティアに向かっていく。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
そして隼人はバスターソードを一気に振り下ろした。
「くっ!」
ティアはとっさにシールドを前に出すが、バスターソードはシールドをそのまま切り裂いた。
「っ!?」
そしてその直後に隼人はバスターソードを振り上げて、スタルクリゲールを切り付けた。
それによってスタルクリゲールは海に墜ちて、そのままシールドエネルギーが尽きた・・・・
「あと四つ!」
隼人は空薬莢を二つ排出すると、マガジンをパージして、三つ目のマガジンを展開してバスターソードに装填する。
「もらった!」
すると一夏が後ろから雪片弐型を振り下ろしてきた。
「・・・・」
隼人は振り向く際にバスターソードを振り上げて、一夏の雪片弐型を弾き飛ばした。
「しまっ・・!?」
その直後に隼人は左拳で一夏の腹を殴りつけた。
「ぐっ・・・!」
隼人はそのままエリーナのほうに向かっていく。
「・・くそ・・・こんな時に隼人の後ろに二人が居るんや・・・・」
エリーナはスナイパーライフルの狙いをつけようとしたが、後ろに居る一夏とシャルロットがいるせいか、手元が震えていた。
「・・・・!」
するとエリーナの脳裏に何かが過ぎった。
(・・・だから多人数戦闘は嫌いなんや・・!・・あの苦い記憶を思い出してしまう・・・!)
(エリーナの動きが鈍っている・・・?・・なら、やるなら今しかない!)
そして隼人はカートリッジのリロードを三回行った。
「いけぇっ!」
そして刃にエネルギーを纏わせると、そのまま一気にソードを振るって光波を放った。
「っ!?」
エリーナはハッとして、とっさに光波をかわした。
「くっ・・・!うちにそんな攻撃は効かんで!」
そしてスナイパーライフルを構えるが・・・
「甘いな」
すると、通り過ぎた光波が大きく迂回して、そのままアルテミスの背中に直撃した。
「っ!?」
それによってエリーナはバランスを大きく崩し、その直後にバンシィが通り過ぎる際にアルテミスを切り付けた。
そしてアルテミスのシールドエネルギーが尽きた。
「これで厄介な狙撃主は排除した・・・」
そして空薬莢を三つ排出すると、隼人は残りの三人に向く。
(やっぱり勝てない・・・・あんなやつに・・・どうやって勝てって言うんだ・・・)
ラウラはもう戦意など無かった。
(・・どうやって・・・)
「っ・・・!?」
すると、ラウラの体の中で何かが弾けた・・・・
「う、うぅぅぅぅぅ・・・・!」
「ラウラ・・?」
シャルロットがラウラの異変に気づいて近づこうとすると・・・・
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そしてラウラは身が裂けんばかりに叫び、ISから電流が発生した。
「ぐっ・・!」
その電流を受けてシャルロットは大きく吹き飛ばされた。
「な、なんだ・・!?」
「・・・こいつは・・」
後書き
デストロイモードを使わなくても強いオリ主・・・。カートリッジシステムと聞いてピンとくる人は勘が鋭い人ですね・・・
Tweet |
|
|
10
|
1
|
追加するフォルダを選択
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!