No.456280

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~第31話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。

2012-07-20 18:14:29 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5662   閲覧ユーザー数:5459

第31話~白龍皇 ヴァーリ~

 

 

プールに入っただけなのになんか疲れたなぁ。今回の俺の目標も失敗で終わったし。

 でも、大事に至らなくてよかった。

「クリス。何かすごく疲れた顔をしているぞ? 大丈夫か?」

「大丈夫ではないさ…女がとても怖いって事を知った」

「確かに…めっちゃ怖いよな」

 俺と一誠が話しながら歩いていると

「………」

 銀髪の美少年が空を見上げていた。この感覚…あのときの!

 美少年はこっちに気づくと、俺達に向かって歩き出した。

「やあ、いい学校だね」

「えっと…まあね」

 一誠がぎこちなく答える。

「おい。ここに来て、二天龍同士で闘うなよ? 『白い龍(バニシング・ドラゴン)』」

 俺の言った言葉に驚く二人。

「さすがだ。よく俺の正体を見破った。ここで会うのは二度目か。『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴンン)』

 赤龍帝、兵藤一誠」

 一誠の左手が疼いている。神器の中にいる赤龍帝が反応しているのだろう。

 

「そうだなぁ。例えば、俺がここで兵藤一誠に魔術的なものをかけたり」

 ヴァーリの手が一誠の鼻先に迫ったとき

 ザッ!

 二本の剣がヴァーリの首元に刃を突き付けていた。瞬時に現れたのは

 祐斗とゼノヴィア。

 聖魔剣とデュランダルをヴァーリに向けている。

「何をするつもりかわからないけど、冗談が過ぎるんじゃないかな」

「ここで赤龍帝との決戦を始めさせる訳にはいかないなぁ。白龍皇」

 祐斗もゼノヴィアもドスの効いた声音だ。でも、ヴァーリは少しも動じない。

「やめたほうがいい。――――二人とも手が震えているじゃないか」

 ヴァーリが指摘した通り、二人の手元は震えていた。絶大と呼ばれる聖魔剣と聖剣

 を握りしめていながら、二人の表情は強張らせている。

「誇っていい。相手との実力差がわかることは、強い証拠だ。―――俺とキミ達の間

 には決定的な違いがある。多重の創造者が居なければ、コカビエル如きに

 殺されていたキミたちでは、俺には勝てないよ」

「それなら―――俺がやればいいのかな?」

 俺はシャーロックの武装になり、スクラマ・サクスをヴァーリの首元へ

 持って来る。

「―――なら、お前から殺すか? この中で一番の邪魔者だ」

「やってきたらいい。お前の攻撃は当たらない―――推理できるからな」

 俺はヴァーリに向けて殺気を放つ。ヴァーリも俺に殺気を放った。

 一触即発の状態が続く……すると、ヴァーリは微笑んだ。

 

「ふっ。ところで神矢、君はこの世界で何番目に強いと思う」

「そうだな……順位は四桁ぐらいだろうな。お前は三桁ぐらいだろ?」

「そうだ。この世界は強い者が多い。『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』と呼ばれている

 サーゼクス・ルシファーでさえ、トップ10には入らない」

 そうなのか…この世界は強い者が本当に多いらしいな。

「でも、1位は決まっている―――不動な存在が」

「大方、ドラゴンかなにかだろ? 三大勢力の頂点(トップ)では無いのは確かだ」

 俺の問いにヴァーリは笑った。…何が面白いんだ?

「はははっ。お前の言うとおりだ。お前の事を名前で呼ばせてもらう。でも

 1位の存在はいずれわかるさ。それとクリスもそうだが、兵藤一誠は貴重な存在だ。

 充分に育てた方がいい、リアス・グレモリー」

「部長、臨戦態勢を取らなくてもいい。ヴァーリには戦う意志はない」

「クリスは黙っていて! 白龍皇、何をするつもりかしら? あなたが堕天使と繋がりを

 持っているのならこれ以上の接触は――――」

「――――『二天龍』と称されたドラゴン。『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。過去関ったものは

 ろくな生き方をしていない。あなたはどうなるんだろうな?」

「――――っ!」

 部長が息を詰まらせた。

「それにクリスが言った通り、今日は戦う気は無い。先日訪れた学び舎を見学しに来た

 だけだ。アザゼルの付き添いでね。ただの退屈しのぎだ。ここで『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』

 とは戦わない。じゃあな」

 ヴァーリはそのまま、歩いて帰っていった。

 

 堕天使の総督に、白龍皇。駒王学園に、望まない者が集まりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 授業参観当日。俺が自分の席でラノベを読んでいた。

「クリス」

 ゼノヴィアが俺の席の前に座っていた。

「先日は突然とんでもない事を言って申し訳なかった」

「先日…? ああ、あの事か…」

 確か、子作りがどうとか。

「あのときの私は突っ走りすぎた。だから、順序を決めようと思う」

「そうだ。ちゃんとステップを踏んで、男女の仲を深めないと―――」

「だからまず、これを用いて練習しよう」

 ゼノヴィアは胸ポケットからコ〇ドームを取り出した。

 クラス全員の視線がゼノヴィアの持つあれに集まった。

「な、ななななな何を出してんの!? こんな大衆の前でぇ!!」

 さすがの俺でも取り乱した。

「お前、わかっているのか! 俺にとって【ピー】はとてつもなく危険な行為なんだよ!

 確かに俺とお前は一緒に住んでいるとはいえ、これはまだ早いぞ! それに家には

 小猫がいるんだよ!? いやそんな事よりも、クラスの連中が俺とお前を奇異な目で

 見ているんだよぉ!? まず、TPOを考えろぉぉぉぉぉおおおっっ!!!」

 

 しかし、ゼノヴィアはよくわかっていない様子だった。

「(何でわからないんだよ! くそ…なんて言えばいいんだ)」

 ちなみに、クリスは甘(メザ)ヒスにかかっているのはわからない。

「アーシアも使うといい。無計画な行為はお互いに傷つくそうだ。男女の関係は

 難しいね」

「お前の頭の方が難しいわぁぁぁぁっっ!!!」

「クリスぅぅぅぅぅ!! ゼノヴィアを何とかしてくれぇぇぇぇ!! アーシアに

 エロの知識が入っていくぅぅぅぅぅ!!」

「友達と思わせておいて、心の中で俺達をあざ笑っていたんだろ!? お前達の変な噂を

 流してやる!!」

「とりあえず落ち着けぇぇぇぇ!! それと、松田と元浜ぁ! 後で体育館裏に来いやぁぁぁ!!

 お前らをフルボッコしてやるぅぅぅぅ!!」

 何というか、騒がしい面子だった。

 

 

 

 


 
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