No.451606 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-07-12 17:54:18 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3874 閲覧ユーザー数:3682 |
episode21 気になる事
「・・・・・」
隼人は自分の両親の墓の前に親戚と一緒にいた。
両親が亡くなって、葬式を終えた後のときであった。
「・・・かわいそうね・・・・一気に両親を失うなんて」
「交通事故なんでしょ?ご両親が亡くなったのって」
「でも、遺体が原型を留めないほどひどいものだったんでしょ?」
「そうね・・・。さすがに見せられる状態じゃなかったんですって」
「かわいそうね・・・ご両親の顔を見ることができないなんて」
「そういえば、神風さんのところって、結構裕福だったわよね」
「でも、旦那さんの仕事は普通の会社員なんでしょ?」
「それがね、なんだか変な噂があるのよ。旦那さんがなんか危険な何かをしていたんじゃないかって」
「そうなの?」
「って、言っても、もうそれを知っている人が亡くなった今じゃ、真相の掴みようはないわね」
と、後ろで親戚達が噂話をしていた・・・・・
実際のところいい気分ではなかった・・・そうやって一人で暮らしていくことになった・・・・・
「――――・・・隼人・・・!」
「っ!」
そして隼人は簪に呼ばれて、はっと我に返る。
「ど、どうした・・?」
「さっきから・・・呼んでいるんだけど・・・いつまでも返事しないから」
「そ、そうか・・・すまなかった」
隼人と簪がいるのは第二アリーナ・・・。飛行テストにはちょうどいい場所であった。
「それで、一体どうした?」
「・・・弐式の事なんだけど・・・隼人が手伝ってもらったおかげで・・・基本動作はもちろん、通常飛行も可能になった」
「そうか・・・。役に立ててよかったよ」
「・・・うん・・・。でも、武装は全く」
「そうだな・・・」
そして舞は弐式を収納した。
「・・・でも、『マルチロックシステム』まで完成できるなんて・・・・隼人って・・やっぱり凄い」
「そうか?」
「うん・・・。でも、それを使う武装が完成してない・・・」
「そっか・・・。武装は全然完成していなかったな」
「・・うん・・・」
「・・・トーナメントまで必死にやっても・・・・必要最低限の武装しか完成できないな」
「・・・そう」
「すまんな。俺でもこれが限界だ」
「・・いいの。隼人には・・・手伝ってもらっているから・・・気にしなくていいよ」
「そ、そうか・・・・」
「・・これから・・どうするの?」
「そうだな・・・。この後図書室に行って、少しばかりISの武装について調べてみるか。応用を学ぶのにちょうどいい機会だ」
「・・わ、分かった・・・」
「それじゃ、入り口で待っているぞ」
「う、うん」
そして二人はアリーナから出てそれぞれ更衣室に入った・・・・・
そうして二人は学園内にある図書室にやって来た・・・・
「・・相変わらず広いな・・・図書室だけで」
隼人は見上げるほど高い本棚をローラー付きのはしごで上っていた。
広さは視界の隅から隅でも足りないぐらい広い・・・。様々な本があり、中には少女マンガや昔の漫画など、色々な本がある。
「さてと・・この辺りのはず・・・」
と、ようやく物凄く高いはしごの中間まで登り終えて、本を探す。ちなみに本棚の高さだけでも十メートル以上はある。
「・・・・ここにはない・・・・・向こうか」
そして隼人は本棚を押してはしごのローラーを横に滑らせて行って、別の本棚に着く。
「えぇと・・・・・・あった」
そして隼人は一つの分厚い本を取ると、そのまま開いて内容を見る。
「これだな」
そうして目的のものが見つかって、隼人は本を脇に挟んではしごを滑って降りていく。
「見つかったの?」
「あぁ。しかし、本当に広いなここは・・・。どっかの王立図書館か」
「・・・・・?」
「少し難しかったかな。まぁ気にするな」
そして隼人は本を机に置くとポケットから眼鏡を取り出して掛けてから本を開く。
「・・・?隼人って眼鏡を掛けたっけ?」
「いや、普段は掛けないが、こうやって細かい文字を見るとなると見にくいんだよ。俺って視力が結構いいから、あえて眼鏡を掛けて視力を落としているんだ」
「そうなんだ・・」
そして隼人は本の内容を見ていく。
「・・ねぇ、隼人」
「なんだ?」
「・・・隼人って・・・なんで左目を無くしたの?」
「・・・・・」
「・・・ご、ごめんなさい・・・・。聞いたらいけなかった?」
「いや、そうじゃない・・・・」
「・・・?」
「・・・・・」
そしてしばらく考えて・・・・
「・・・事の始まりは二年前だ。その時に喫茶店に強盗が立て篭もったっていう事件があっただろ」
「・・え、えぇと・・・そういえば・・あったかな」
「俺もその現場に居たんだ」
「え・・?」
「・・その時に友達もいたからな」
隼人はあえて鈴のことは伏せておいた。
「そして強盗が友達に手を出そうとしていたから、俺が強盗を全員倒した」
「す、凄い・・・」
「だが、その直後に、気を失っていなかった強盗が銃を持っていて、その直後に俺は左目を撃たれた」
「っ・・!」
それを聞いて簪は絶句する。
「幸いにも銃は不発だったから、弾丸は脳まで達することはなかった・・・」
「・・・やっぱり・・・痛かったの・・?」
「それはそうだろ。今までにない痛みだった・・・・。気を失いかけたよ」
「・・・・・・」
「最初は視界の狭まった事に戸惑ったが、次第に右目が視界を少し広げたから問題はなくなった。けど、傷はなるべく見せたくないからな」
そして隼人は前髪を退かして左目を覆う眼帯を見せる。
「・・・・」
「まぁ、こんなもんだな」
そして隼人は本を閉じると、脇に抱えて本の貸し出しの手続きをした。
「俺は寮に戻るが、簪はどうする?」
「・・私は・・・もう少しして戻る」
「そうか・・・。明日からトーナメントまで何とか最低限武装の完成を目指すか」
「うん」
そうして隼人は図書室を出た・・・・・
「・・優しいのね・・・隼人君は」
そして隼人が図書室を出てしばらく歩いていたら、楯無が現れた。
「聞いていたんですか・・・。人聞きが悪いですね」
「それはお互い様、でしょ?」
「・・・・さすがに気付いていましたか」
「当然。さすがに最初は気付かなかったけど、すぐに分かったわ」
「そうですか・・・」
「・・・でも、本当に君は私達を心配しているのね」
「・・・・・・」
「・・・別に大きなお世話とか、そういうんじゃないだけど、ただね・・・」
すると楯無は何やら言いにくそうであった。
「・・・・・?」
「・・何でもないわ。また今度にするわ」
「そうですか」
「・・それと、隼人君に伝えることがあるわ。私の助手だから特別に一足先に伝えるわ」」
「・・・?」
「今度の学年別トーナメント・・・・本来なら一対一だったんだけど・・・この間の襲撃事件から、より実戦的な戦闘を行うためにタッグマッチに変更されたわ」
「タッグマッチ・・ですか」
「タッグはそれぞれ申請するか、もし決まらなかったらトーナメント当日に抽選で編成されるようになっているわ」
「なるほど・・・」
「ところで、隼人君は誰と組もうと思っているの」
「さぁ、どうでしょうね。今のところ相手はいませんね」
「そう・・・まぁいいわ。今日はもう帰ってもいいわ。明日から忙しくなりそうだから」
「そうですか。では、お言葉に甘えて帰らせていただきます」
そして隼人は楯無に手を振って、その場を後にした・・・・
「・・・・・」
楯無は隼人が去った後も、その場にいた。
(そういえば・・・隼人君の両親は交通事故で亡くなったって聞いたけど・・・不自然な点があるって言っていたわね・・・)
そしていつか隼人と話した内容を思い出した。
「・・・調べる必要がありそうね・・・。結果が衝撃的なものじゃなければいいけど・・・」
そうして扇子を広げて、楯無は扇ぎながらその場を去った・・・・・
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!