日曜日 善吉は母親の瞳からもらった箱庭テーマパークのプレミアムチケットを持ち現地へと来ていた、休日なので一応制服以外を来ている
といってもセンスとかが店員と噛み合わず、白いTシャツに黒い上着、ジーンズとシンプルな服なのだが
人通りが多いため一人は恥ずかしい善吉はぼやいていた
「不知火の奴、時間はあいつが決めたのに遅れるか普通?」
「ひっとよしー 遅れてゴメーン☆」
「あぁ? やっときたか」
手を振りながら善吉へと駆け寄る半袖、それを見て善吉は感嘆の息をだした それは半袖の服装にある
白と水色のボーダーのシャツにピンクのカーディガン、下は動きやすい短パンに小さなポシェットを持ってきている
「不知火のことだから適当な服を着てくるんだろうな」と考えていた善吉にとっては意外であった
「ふーん、意外と似合ってるな」
「人吉のセンスよりはマシだからね☆」
「なんで皆デビルのよさがわからねぇかな? まっ、これならいくら不知火が小さくてもギリカップルにはなるだろ」
「ちぇ~」
かなり失礼なことを言われた半袖だが、服が似合うと言われて少し機嫌がいいためあまり気に止めなかった
二人がゲートをくぐり係員にチケットを見せる
「プレミアムチケットですね それでお相手の方は……」
「あたしだよ☆」
「ほぅこれは……なかなか可愛らしい彼女さんじゃないですか 無料パスです、楽しんできてください」
係員にまで誉められた半袖は上機嫌に 実際は「小動物みたいに小さくて可愛い」の意味だったのだが、あえて言うことはないだろう
「んじゃ人吉、メシ買おっか」
「早っ! まだ来たばっかだろ!」
「食べながらしたいことがあるんだよ☆」
「はぁ…… それならいいけどよ」
ということで近くにある店に行って買いあさる半袖 ホットドック×10、焼そば×10、クレープ×20、ラーメン×5 それだけ頼んで二人は近くのベンチに座った 周りからは痛い視線が突き刺さっているが箱庭学園の食堂で慣れているので気にしない
「ばくっ もぐもぐ もふっもふっ ズルズル」
「いや、どれか一つずつ食えよ クレープにラーメンはあわないだろ」
「あひゃひゃ☆ あたしには関係ないね それよりほらっ、見てよ人吉 上っ!」
「あ?」
上と言われて見上げるとジェットコースターがちょうど走ってきたところだった スピードはなかなかに早いらしく絶叫をあげる客もいる
「あれがどうしたんだ?」
「あっひゃひゃひゃひゃ☆ 人があんなので悲鳴あげてる! おっかしーの!」
「お前な……」
腹をかかえて爆笑している半袖 善吉はあまりにもくだらないことに呆れていた
その後も食べ歩きをしながら絶叫ものの前で笑う半袖を見て善吉は
「(午後からは不知火に笑った絶叫モノを全部乗せよう)」
と一人考えていた
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人吉善吉と不知火半袖オンリーの話です 作者は恋愛好きなので書きたかったんだ