No.446373

魔王少女?冥王の前には無力!!13

自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか? そしてその世界で彼は何を望むのか?

2012-07-05 12:49:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2253   閲覧ユーザー数:2191

三人称~

 

 

ワァァァァァァァ!!

 

ワァァァァァァァァァァァ!!

 

教会を前に両軍500は届きそうな人数が互いに互いを切り裂き、撃ち抜き、消滅し、返り討ちに合う。

 

正しくそこは戦場で、つい数日前までは味方同士だとは思えない憎悪を放っていた。

 

 

ミッドチルダ式対ベルカ式。

 

古代の戦闘の再現の様に様々な魔法が飛び交い、繰り広げられる。

 

 

「はぁぁあ!!」

 

 

その中でも一段と輝く剣捌きで敵を切り捨て続ける騎士がいた。

唯一の救いは彼女は非殺傷設定で切りかかっており酷くても骨折程度に収まることだろう。

 

 

しかし、次第に彼女の剣捌きも衰えていく。

 

無理もない、彼女はこの数日間休まずに避難民の誘導、及び護衛をしてきた。

 

そこに数時間前からとどまる事のない進撃。

 

疲労が彼女を鈍らせていく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、っ、はぁぁぁあ!!!」

 

 

彼女はふつうの人間では無いが永遠と戦い続ければ疲れもたまる。

 

「はぁぁぁ!」

 

「おりゃあああ!!」

 

そこに2人の男が各々のデバイスで襲いかかる。

 

1人は槍、もう1人は杖で彼女に殴りかかった。

 

「!?っはぁ!フッ!」

 

その攻撃に身体が反応しすぐさま返し、

 

「紫電一閃!」

 

 

彼女の決め技を放った。

 

「「がぁあ!?」」

 

同時に受けた男達は守りも出来ずに吹き飛ばされた。

 

 

 

 

パチパチパチパチ。

 

「!!?」

 

突然何処からか音が聞こえその方面に意識を集中した。

 

そこには白いタキシードに白いハット、青い瞳をした長身な男だった。

 

「いやいや、素晴らしい剣捌きだ。流石は烈火の将。」

 

演技がかった口上を述べハット帽を脱ぎ深く頭を下げた。

 

「お初にお目にかかる。私はメビウス。メビウス・A・トーリッシュ。以後お見知りおきを、我が花嫁よ。」

 

 

 

「花嫁?」

 

 

彼女が返すメビウスは歪んだ笑みを浮かべ言った。

 

 

「その凛々しき風格、鍛え上げた肉体、そして主に対する絶対の忠誠心。容貌も全く文句なし。まさに私好みだ。私の嫁に相応しい。」

 

 

頬を赤らめ、目を潤し、恋文を読む乙女の様に彼は告白する。

 

 

対し言われた彼女はただ無言で男を睨みつける。

 

目の前の巫山戯たように振舞う男から膨大な魔力を感じたからだ。

 

 

「………貴様、ファントムの仲間か?」

 

 

剣を構え一瞬の行動たりとも見逃さないように男を睨みつける。

 

 

「ああ、君がそんなに私をみつめるなんて、興奮してしまうじゃないか!」

 

「質問に答えろ!!」

 

彼女は横一線で男を切り捨てようとする。

 

 

それを、

 

 

 

「『氷平原(アイス・フィールド)』。」

 

男の足元から凍っていき彼女を飲み込もうとする。

 

「っく!舐めるな!」

 

すると彼女は魔力を炎に変換し氷のなった地面を燃やした。

 

そして男の裏に回り、

 

「紫電一閃!!」

 

背後から必殺の一撃を打つ。

 

 

「『氷の幻想(アイスミラージュ)』。」

 

 

メビウスを氷が覆い、攻撃が当たると粉々に砕け散った。

 

「あははは、無駄、無駄だよ。あなたの攻撃は私には届かない。」

 

 

愉快そうに男は嗤う。

 

 

「そろそろ終わりにしようか。あいつにどやされてしまう。」

 

「あいつ?」

 

 

「ふふふ、さぁ、私と共に来てもらおうか。烈火の将、シグナム殿。フォースブリザード!」

 

 

男が言い終わると男を中心に吹雪になり周囲を凍らせる。

 

 

「(!まずい、…)レヴァンティン!!」

 

 

シグナムは自身の魔力を炎に変えソレをバリアとして張る。

 

 

その後バリアの表面は氷結化し中の温度を徐々にしかし確実に奪っていった。

 

 

「うふふふ、我慢は体に悪いですよ。さぁ、この吹雪に身を委ねなさい。」

 

 

一歩、また一歩、メビウスはシグナムに近づいていく。まるで罠にかかった獲物のようにギラギラとした瞳でみつめている。

 

 

「ディバイン・バスター!!」

 

 

「サンダー・レイジー!!」

 

 

突如後方からメビウスに目掛けて放たれた魔法。

 

 

 

「!!」

 

メビウスは驚き慌てて防壁を張る。

 

 

「ぐっ、来るのが早い!あいつらめ!」

 

 

メビウスは憎たらしげに自身の部下達に指示する。

 

 

「全軍、突撃!私達は奴等を捕らえる!」

 

 

そう言いメビウスと数名がシグナム、なのは達に仕掛けようとした、その時、

 

 

『全軍、撤退せよ!!』

 

 

突如現れた仮面の男がそう言った。その仮面は独特で左眼だけは露出しておりそこには術式が浮かんでいた。

 

 

ファントムに組みした者達は数秒惚けていたが直ぐに、

 

 

「ファントムの意のままに!!」

 

と号令し転移していった。

 

 

メビウスも残念そうな顔をした後、

「撤退する、全員転移せよ!!」

 

そう言うと部下の殆どは攻撃を辞め転移した。残っているのは牽制をしている魔導師のみ。

 

 

「我が妻シグナム、名残惜しいですが私はここで引かせて頂きます。では、後日。」

 

 

ハットを脱ぎ深く頭を下げ、

 

「待て!」

 

 

メビウスは姿を消した。

 

 

そして仮面の男も何時の間にかに消えてしまった。

 

 

 

 

三人称 終~

 

 

 

あの後、私達は聖王教会に合流したなのは達と連絡を取りリンディさん等と共に聖王教会に入った。

 

 

リンディさんは騎士カリムと、はやて達は残りのヴォルケンリッターに会いに行った。私とマリーさんは教会内にルームを作り引き続き洗脳魔法について調べていた。

 

同時に今後の事を考えていた。

 

(暁とヤツが合流しロストロギアを確保したか。アレはラボに移されついでにあったジュエルシードを回収。どうやらファントムは何かのロストロギアを探していたらしい。ソレを見つけ常に自身が持ち歩いていると。ふむ、既にやる事は済ませたし、適当に泳がせても良いが、…………着いでだな。調べさせよう。)

 

 

私はタイピングをしながらこれからの行動と将来のビジョンを思い浮かべていた。

 

「真尋君。君はもう休みなさい。」

 

突然マリーさんは言った。

 

「しかし、」

 

「もう10時間もぶっ通しで画面と向かい合っているだろう。彼女等もそうだが君もコンディションをととえなきゃ何か起きた時には動けないだろう?今の内に休んでおきなさい。」

 

マリーはにこやかに微笑んで言った。

 

「そう、ですね。分かりました、では3時間、休憩を取らせて貰います。」

 

そう言って私はルームから出た。

 

「メビウス、仮面の男、………まぁ、ファントムなんだが、そしてもう1人、奴等の目的は何なのか。洗脳も恐らく魔眼なのだろうが術が弱いんだ。アレは現存の技術でも時間さえあれば攻略出来るであろう。そんなのが神から貰った能力なのだろうか。ヤツは洗脳する時、眼に術式が浮かんでいたとの報告がある。私の知る限り他作品に術式の浮かぶ魔眼は知らない。察するにあの眼は後天的に取得したのだろう。ではヤツの能力は何だ?」

 

 

私は自身の仮眠室に着くまで頭を捻っていた。

 

 

 

はやて~

 

 

あの後、私はシグナムとシャマル、そしてザフィーラに会い久しぶりに家族が揃い泣いてしまった。

そこにカリムが話しかけてきた。

 

「はやて、良く無事で。」

 

「カリムこそ、………シャッハはどうしたん?」

 

「シャッハは他の騎士と共に警備をしています。はやて、実は話しておきたい事があるので皆さんを集めて欲しいのですが。」

 

そういうとカリムは真剣な顔で私を見ていた。

 

恐らくカリムの予言に何か出たのだろうか。

 

私は頷き皆に回線を繋いだ。

 

 

数十分後、

 

私たちとなのはちゃん、フェイトちゃん、リンディさん、龍王子君に志郎君が集まった。

 

八坂君は解析の続きをするため参加せず先ほど連絡が取れたクロノ君はこちらに着くのに時間が掛かるらしい。

 

少ししてカリムが一枚の紙を持って現れた。

 

「ゴメンなさい、少し遅れてしまったわ。」

 

「問題ないわ、カリムさん。それで、一体何で私達が集まったのかしら。」

 

リンディさんが問いかけた。

 

「実は数日前、事件が起きる数時間前にある一つの予言が出たの。ソレを解析して管理局に伝える事は出来なかったけど、皆さんには知っていて欲しいから。特にはやて、貴女には。」

 

「わ、私に?」

 

 

突然話を振られて私は慌てた。

 

「内容を言うわ。」

 

 

カリムは紙を開きベルカ語で書かれた予言を読み上げる。

 

 

『法と秩序を司る星に幻影が現れる時、法は堕落し地は荒れ、星は輝きを失う。そして幻影は夜天を求め彷徨う。夜天と幻影が交わりし時、闇の王が蘇り数多の星が崩壊する。幾多の破壊の後幻影は冥王により滅ぼされ闇の王を消し去るであろう。但し、冥王は誰も救わず、ただ全てに等しく滅びを与えるのみ。』

 

 

そこまで読みカリムは私を見た。

 

いや、正確にはこの部屋にいる皆が私を見ていた。

 

 

「コレが予言、幻影はファントム、そして夜天ははやて、貴女だと思われるわ。そしてファントムは貴女を狙っている。」

 

 

ファントムが、私を?

 

一体、何故?

 

私はあまりの情報に混乱していた。

 

 

「闇の王、それに冥王ってなんなのかな。」

 

 

なのはちゃんは呟いた。

 

 

「闇の王は恐らく、闇の書を差してるんだと思います。冥王は未だに分からないわ。遥か昔のベルカに冥王と呼ばれた者が居たのだけれど。その血筋が見つかったという報告は無いの。」

 

 

皆がカリムの言葉に驚愕した。

 

当然の反応と言える。

 

闇の書は3年前、私が所持していたロストロギアであり、

 

私に家族を与えてくれた本で、

 

 

リインフォースとの別れの原因となる魔道書。

 

 

「けど、アレは俺らが破壊した筈だ!何故今になって?」

 

 

「分から無いわ。ただ言えるのは奴等の狙いがはやてだという事。皆さん、はやての護衛を宜しくお願いします。」

 

 

「当たり前だ!はやては私達の家族なんだ。家族を護るのは当然だ。」ヴィータが怒鳴るように言う。

 

 

「そうだな。主はやては私達が護る。決して彼奴らなどに渡さん。」

 

 

シグナムも同意し力強く頷く。

 

「ヴィータ、シグナム。…」

 

 

「勿論、友達をこれ以上傷つけさせはしないよ。」

 

「そうだ、俺達がその前にファントムの野郎をとっ捕まえてやる。」

 

「なのはちゃん、龍王子君。」

 

2人は笑顔で言ってくれた。

 

「はやて、……」

 

「志郎君。」

 

私の目の前に志郎君が立っていた。

 

「俺は、か「緊急連絡!ファントムの部隊が一斉に攻撃をしかけてきました!!」!?」

 

志郎君が何かを言おうとした時、突如警報が鳴った。

 

 

 

「!!皆さん!」

 

 

「「「「「「分かっています(いる)!!」」」」」」

 

 

私達はセットアップし一斉に外に出た。

 

 

外には見渡す限り人がおり誰もが黒の制服を着ている。

 

 

その中から他のモノ達とは明らかに違う服装をし、此方に近づく3人組が確認出来た。1人はシグナムと戦っていた、メビウス。

 

 

紅いコートを着て、緑色の髪色をした男。そして、先程部隊に指示をだしていた男、ファントム。

 

その後ろには、あの暁君がいた。

 

「暁!?」

 

「おめぇ、何でそこに居るんだ!!」

 

龍王子君と志郎君が叫ぶ。

 

しかし暁君は一切の反応を示さずただファントムの後ろに立っていた。

 

「はやてちゃん。もしかして暁君も。」

 

「うん、そうかも知れん。」

 

なのはちゃんは私に近づき言った。

 

それならば私達から離れたのは解る。

 

 

「聴け、私に敵対する聖王協会よ。私は戦いに来たのでは無い。」

 

「!?」

 

ファントムは前にでて演説をする様に言う。

 

「私の名はファントム。君達の知る通り、管理局に対し反逆する者だ。しかし、私達には決して我欲の為に在らず、正義の為管理局を討った。」

 

 

「ふざけるな!!何が正義の為だ!お前のやっていることは、ただのテロだ!!」

 

 

龍王子君は怒りを見せながら叫ぶ。

 

私達もデバイスを強く握りいつでも戦える様に構えた。

 

「君達は知らないのだ、己が仕える管理局の裏の顔を。」

 

その中でファントムはまだ役者がかった雰囲気を崩さず右手に持った何かを私達に見せつけた。

 

 

「とくと見るが良い。これが、お前たち管理局の悪だ!」

 

 

ソレを起動させ勢い良く宙に投げる。

 

 

 

そして、私達は管理局のもう一つの顔を見た。

はやて 終~


 
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