No.446098

魔王少女?冥王の前には無力!!12

自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか?

2012-07-04 23:56:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2311   閲覧ユーザー数:2231

「皆、準備は良いかしら?」

 

リンディ提督がモニター越しでなのは達に尋ねた。

全員バリアジャケットを着ておりいつでも出撃出来るように構えている。

 

「現状、聖王教会が私達の本拠地で合流ポイントです。騎士グラシアとは連絡が取れたので現状は問題ないと思われます。皆さんは出撃したら聖王教会に向ってください。」

 

其処まで言うと私の方のモニターが動いた。

 

「全員、バイザーを起動してくれ。それは先程説明したようにそれは相手の術を防ぐ為でもあるが同時に解析用のカメラでもある。BJを身に纏っている間は常に起動していてくれ。解析は私とマリーさんで行う。それとバイザー越しで指示も出来る。方法がわかり次第即座に伝える。皆、致命的にならない程度に敵に近づいてくれ。」

 

中々に無茶な事を言うもんだ。自分自身でもそう思うよ。

 

「では皆さん、作戦開始します。」

 

リンディ提督の一言で皆は一斉に出撃した。

 

 

なのは~

 

私達はアースラから出てすぐ、ミッドチルダに到着した。多くのビルが乱立し、凄まじい発達を見せていたこの街も今では見る影もなく廃墟になっていた。

 

「酷い…。」

 

私は思わずそう呟いた。

 

所々、酸化した血の跡や横たわっている人々がいた。

 

私達はその人達に近づいたが既に亡くなっていた。

 

私は無意識に拳を握りしめた。

 

どうしてこんな酷い事が出来るの?私は、私達は激しい憤りを覚え、それが怒りになった。

 

そこに、

 

「貴様らは生き残りか?ならば投降しろ、そしてファントム様に忠誠を誓うのだ!」

 

黒い制服のような物を着た人達、4〜50人が私達を取り囲むように飛んでいた。

 

「高町 なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神 はやてか。捕獲対象ランクS。これはいい。貴様ら全員ファントム様の元に連れて行ってやる。おい、捕獲しろ。」

 

 

リーダーらしき男が指示をだす。

 

急なことで戸惑ったが、相手が攻撃してきて、慌てて飛んで回避した。

 

「待って!私達はあなた達と戦うつもりは無いの!」

 

「ならばファントム様に従うか!」

 

「んな訳ねーだろ!あいつは犯罪者だぞ!!」

 

「やはり貴様らは捕獲する。」

 

まるで取り付く島がないかのように彼は言い切り攻撃してきた。

 

彼らは一斉にシューターを飛ばしてきた。数も多く1人約10発撃ってくる。

 

「各自、散開しろ!固まっていては的になる!」

 

龍王子君が大声で指示した。

「あなた達も管理局員だったんでしょ!!だったら惑わされちゃダメ!!」

 

「それは受け入れない者の戯言だ。」

 

その後は無言で、バインドとシューターを飛ばしてくる。

 

今はまだ大丈夫だけど、このままじゃ……

 

『全員、敵に対して攻撃してくれ。』

 

「!?でもそれじゃ!」

 

『奴らは操られている。だからと言ってこのままでは埒があかない。荒治療だがいた仕方が無い。全員気絶させろ。』

 

タイピングの音と共に言い続ける。

 

『大抵の洗脳は相手の頭に嘘の情報を植えつける。そして今回は何の媒体を用いることなくダイレクトに情報を与えた。その場合その与えられた範囲でしか行動出来ないが洗脳レベルはかなり高い。お前たちが奴等と親しくないのなら脳細胞レベルの説得も出来ん。』

 

でも、それでも、私は…

 

深い思考に嵌っていた私は後ろに近づくバインドに気づけず、

 

 

 

 

バシッ!!

 

「?!しまっ!」

 

 

気づいた時には何十発のシューターが迫っていた。

 

「なのは!!」

 

 

フェイトちゃんの叫び声が聞こえる。

 

咄嗟にバリアを展開し衝撃は防いだが、

 

「まずは、1人!」

 

先程の男が砲撃を放とうとしているのに気づいた。

 

回避も不可能、先程の即席バリアもボロボロ、チェックが掛かった。

 

男は右手に魔力光を集めている。

そして光は次第に大きくなり、

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テートリヒ・シュラーク!!」

 

 

 

聞き覚えのある声と共に男にハンマーが炸裂する。

 

 

「があぁ!?」

 

 

避ける事も出来ず重い一撃を受けそのまま男は地面に叩きつけられる。

 

 

「何やってんだよ、なのは!」

 

 

男が叩きつけられるのと同時に私を拘束していたバインドが消滅した。

 

 

そして、目の前には赤いゴスロリ風のBJを纏い、赤いキャップ帽を被った少女。

 

「ヴィータちゃん!」

 

私達の仲間ではやてちゃんの家族、ヴォルケンリッターの1人。

 

 

ヴィータちゃんが居ました。

 

 

なのは 終~

 

 

 

 

「ヴォルケンリッターの1人、か。」

 

 

私はディスプレイを通してヴィータを見た。

 

 

その間もタイピングの手は止めずに確認する。

 

マルチタスクの賜物だな。

 

同時にリンディ提督に確認する。

 

「提督、彼女は?」

 

「彼女ははやてさんの家族のヴィータさん、安心していいわ。私達の仲間よ。」

 

その言葉に私は反応してしまった。

 

 

(何をもって安心と言っているのだろうか。ここの人間以外洗脳されているかもしれないのに、この星で会った者達には多少の警戒を持たなくてはどうするんだ。)

 

その考えを飲み込み、もう一度なのは達に指示を出す。

 

「先程も言ったが全員応戦しろ、龍王子と衛宮は出来るだけ相手を引き寄せろ。なのは達はその間にシューター、砲撃、広範囲魔法の準備を、倒すのではなく気絶させろ。そうすれば何らかのショックで目が覚ますかもしれない。」

 

 

今度は龍王子達はすぐに反応し行動に起こしてくれた。

 

 

はやてとフェイトはそれから直ぐに集中した。

 

 

なのはは多少躊躇いながらも埒があかない事を理解したか砲撃を撃つ準備をした。

 

 

「三人共、準備は良いか?」

 

『いつでも!』

 

『こっもや!』

 

『……大丈夫!』

 

三人の返事を聴き、私は龍王子達に指示を出す。

 

 

「龍王子、衛宮、敵を一点に集めろ。それを終えたらバインドの準備だ。そちらの騎士にも手伝ってもらえ!」

 

2人は無言で指示通りに動く、そしてヴィータの近くに近づき、そこで避ける。

 

ヴィータはアームドデバイス、『グラーフアイゼン』をギガントフォルムに変形させ、

 

 

「いくぜ、アイゼン!ギガントハンマーーーー!!!」

 

 

 

 

重量のある一撃が男達を襲う、咄嗟に避けたが十数人は避けきれず食らってしまい地に落ちた。

 

 

避けた所を待ち伏せていた2人がバインドを行い更に十数人を捕縛。

 

 

「今だ、三人共!」

 

 

 

 

私の一言に三人はそれぞれの攻撃を放つ。

 

 

 

バインドに捕まった男達は三人の魔法に飲まれ戦闘不能になった。

 

 

 

「くっ、おのr!?…………時間だ引くぞ!」

 

 

思わぬ攻撃を受けた男はデバイスを持ち接近戦を行おうとしたが急に止まり他の者たちに指示を出した。残った男達は倒れた男達を回収して転移した。

 

 

『何だったんだ。』

 

 

龍王子は突然の撤退に暫し呆然とした。

 

 

何があったのか、私にも分からない。

後でG.Zがある、それまで待とう。ディスプレイの向こう、彼女達は仲間との再開に涙を流しながら喜んでいた。

 

私はその光景を見ながら再びタイピングを続けた。

 

 

 

はやて~

 

 

ヴィータと再開してから私は泣きながら抱きしめた。

 

 

 

「ヴィータ!ほんまに、ほんまに良かった!」

 

 

「はやて、……はやて、はやて!」

 

 

それから暫く私達は再開を喜びあっていた。

 

 

 

 

 

「皆も聖王教会にいるんか?」

 

あれから暫くしてリンディ提督がヴィータに現状を尋ね、残された管理局の局員が聖王教会に避難しているのが分かった。

 

他の皆も他の局員や一般人の避難をしていてこの3日、まともに顔を合わせて居ないそうだ。

 

だが、殆どの避難が済みヴィータも聖王教会に戻ろうとした時、私達が襲われていたらしい。

 

クロノ君とロッサは管理外世界の調査をしていてミッドチルダには居らずエイミィさんも聖王教会におるらしい。

 

 

しかし、ユーノ君とは連絡がついてないらしい。彼もヴィータ達と同じく避難民の誘導をしていて3回目の誘導時に連絡が途絶えた。

皆彼の無事を祈りながらも各自の任務をこなしていたらしい。

 

 

「恐らくユーノは洗脳されているだろう。奴等片っ端からとっ捕まえてるからな。」

 

ヴィータは胸くそが悪いと吐き捨てた。

 

 

「ユーノ君。」

 

 

なのはちゃんは不安そうな顔をしている。

 

私達の中で1番彼と行動を共にしていたんや、不安にもなる。

 

「だが、洗脳されているのなら解く事も出来るはずだ。ファントムを捕まえればあるいは、…」

 

 

龍王子君はそう言うと黙った。

 

 

「そう、だね。……うん、ファントムを捕まえよう。」

 

 

気のせいかなのはちゃんの瞳に輝きが見えた。

 

 

 

「もうすぐ聖王教会につ、」

 

 

 

バーーーーン!!!

 

 

「「「「「「!!?」」」」」」

 

 

ヴィータが話しはじめようとした時前方の方から巨大な爆発音が聞こえた。

 

 

「あの音は、…ちきしょう!!」

 

ヴィータは全速力で飛ぶ。

 

私達もそれを追いかける。

 

 

廃墟を抜け広がった所に出る其処には、半壊した教会があった。

 

 

 

「ここにまで奴等が!」

 

 

志郎君は驚いた様に言う。

 

 

「彼処には沢山の怪我人と一般人がいるんだ!それなのに、……貴様らーー!!」

 

 

 

ヴィータはアイゼンを起動させて洗脳者達に突っ込んで行く。

 

 

 

「俺達も行くぞ!」

 

 

龍王子君の一言で私達は再び戦場を駆け出した。

 

 

これ以上はやらせん、ヴィータ達、皆は私が守る!!

 

 

はやて 終~


 
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