No.446375

魔王少女?冥王の前には無力!!14

自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか? そしてその世界で彼は何を望むのか?

2012-07-05 12:50:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2344   閲覧ユーザー数:2284

ファントムが映し出したモノ。

 

ソレは管理局の闇と言っても良い品物だった。

 

 

管理局保護下の違法実験、

 

人工魔導師の実験場、

 

質量兵器の横領、

 

それによる管理外世界の戦争の継続、

 

他にも違法な取り締まりやロストロギアの強奪、死傷者のもみ消し、犯罪者の模造。

 

 

上げればキリがない程の汚職と横領の嵐。

 

 

しかもソレを行い、調整を行っていたのは管理局の上層部、その更に上の最高評議会よって決められていた。

 

それをファントムは声を高らかになのは達や聖王協会だけでは無くモニター越しのアースラに聞かせるように言った。

 

 

『君達は知らなかった筈だ。これらの情報は上によって止められ、さも自分達が正義であるかのようにはやし立てていた。その裏で犯罪者を多く生み出し違法な研究をして新たな人員を得ようとする浅ましい行動をしていたのだ!』

 

 

ファントムは両手を広げ演説を続けた。

 

 

 

 

『嘘、…嘘だよ!』

 

急に、悲鳴のように叫ぶフェイト。

 

『私は多くの違法の研究所を摘発してきた!それに研究によって苦しめられていた子供達を助けてきた!』

 

すがる様に、フェイトは叫ぶ。

 

自身のやってきた事は無駄ではないと言い聞かせるかの様に、フェイトは叫ぶ。

 

しかし、そんな想いもファントムの言葉により打ち砕かれた。

 

『その助けられた子供は運が良かったのだろう。その先の実験を受けなかったのだから。』

 

『……どういう事?』

 

『君が、執務官達が今まで摘発してきた研究所は所謂切り捨てられた部署なのだよ。そこに優秀な執務官を送り込む。そして今までのデータを回収しそれをまた別の研究所に送られ実験が再開する。その永遠なるループの1ピースしかない。君は1人の子を助けた代わりに新たに苦しむ子供達を生み出していたのだ。』

 

『…んな、……そんな、……』

 

フェイトはその場に崩れ落ちた。

 

『フェイトちゃん!!』

 

そんなフェイトになのはは駆け寄った。

 

 

『てめぇ!!』

 

 

龍王子はデバイスを強く握りファントムに斬りかかる。

 

ギン!!

 

 

『!??暁ィィィ!!邪魔をするなぁぁぁぁあ!!!』

 

 

『…………』

 

互いのデバイスが火花を上げる。

暁(G.Z)の隣でファントムは再び演説を始める。

 

 

『我々は堕落した管理局から世界を、宇宙を開放する為にこの反乱を起こした。君達も解る筈だ、何が正しく真に正義であるか。我々の証拠はまごう事なき本物で……』

 

 

そこまでファントムの演説を聞き、私は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーつまんねぇー

 

 

 

 

 

 

 

 

テンプレもテンプレ。

 

自身の正当化に加え主人公達を自分の陣営に入れようとする。

 

そしていう事を聞かない場合は洗脳して手駒にする。

 

お決まりのパターン。

 

 

大した面白みも無く、あっと驚く展開もない。

 

つまらない。

 

(それにファントム自身も色々汚い事をしている。目に付くのが洗脳だ。続いてロストロギアの大量略奪。そして、それらを人体に入れる人体実験。)

 

ほら、上げればキリがないし管理局と大差がない。

 

そんなのが正義を語る、ねぇ。

……

 

 

 

 

ふふふ。……

 

(面白いじゃないか。ならばその正義、貫き通して貰いたいな。G.Z。アレ(……)を。)

 

私はモニター越しのファントムにエールを送るかのように言った。

 

「せめて、こいつぐらいには勝ってくれよ?転生者さん。」

 

 

志郎~

俺らはデバイスを握ったまま呆然としていた。

 

 

管理局の闇。それらを見て言葉すら出なかった。

 

 

………いや、コレは言い訳だろう。

 

 

知ってはいた。裏で悪どい事をして居る事ぐらいは、仮にも組織だ。組織はキレイな面もキタナイ面も存在する。

 

 

それに最高評議会の脳みそ共の存在もアニメでは知っていた。

 

しかし俺1人では何も出来ず、下手をしたら実験体されるかもしれない。

 

いくらチートを得てもどうにもならない事だった。だからこそ俺ははやて達を護ろうとした。管理局の闇から。

 

 

「それでも、フェイトが、俺達がしてきた事は本物だ!それによって数多くの命を護る事が出来た!!それを否定はさせねぇ!!」

 

アギトがファントムに怒鳴る。そして砲撃を撃とうとして、

 

「…………」

 

暁が邪魔をしファントムを守る。

暁も恐らくは奴に、……

奴さえ、ファントムさえ倒せば!

 

「そうだとも、俺達が守ってきたモノは笑顔は本物だ!そして、いかなる理由があろうとも一般人を巻き込んだ事は許されない!!ファントム、貴様を逮捕する!!」

 

 

俺はデバイスを握り空を飛んだ。

だが、

 

「させませんよ。」

 

 

氷魔法の使い手メビウスが俺の前に立ち憚る。

 

「くっ!」

 

「私としてもむさい男より可憐な乙女の相手をしたいので、死んでくれませんか?」

 

いうや否や俺のデバイスが凍り出した。

 

「!?この!!」

 

 

咄嗟に蹴りを放ち相手と距離を取る。

 

 

再び斬りかかろうとしたその時、

 

「っ!??」

 

急に息がし辛くなりその侭地面に落ちていった。

 

「?!!ガッ!……!!」

 

周りを確するとなのは達やアギトも同じようで皆喉を抑えていた。

 

 

「チェーンバインド。……」

 

息が出来ず苦しんでいた所に誰かがバインドをかけ皆を拘束した。

 

 

「!!っはぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 

同時に息苦しさも消え大きく空気をする。

 

 

「な、なに、今の、………!?

…………………………ぇ?」

 

 

 

なのはが何かを言おうとして

 

 

 

止まった。

 

 

 

振り返ると瞳を大きく開き驚いた表情をし、

 

 

「ユ、ーノ、くん?」

 

 

と言った。

 

 

なのはの目線を追うと、

 

 

緑髪の男と、

 

 

 

瞳に生気の感じられない、ユーノスクライアがいた。

 

 

「ユーノ、お前まで!」

 

 

「ふふふ、彼も私の同志さ。世界を帰る為に力を貸して貰っている。」

 

 

「貸す?洗脳して利用しているくせになに言うとんねん!!」

 

 

はやてがファントムを睨みつけながら叫ぶ。

 

 

するとファントムは小さく首を降り、はやてに近づいた。

 

 

「主はやて!?」

 

 

シグナムもバインドによって地に伏せられていて動く事すら出来ない。

 

 

「「はやて(ちゃん)!!」」

 

なのはとフェイトが叫ぶ。

 

「はやてに近づくんじゃねぇ!」

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

そこに割って入ったのはヴィータとザフィーラだった。

 

手足をバインドによって固定されていたが必死にはやての前に立つ。

 

 

それを、「邪魔だ。」

 

冷徹に蹴り飛ばした。

 

 

「がぁっ!?」

 

「ぐぁっ!」

 

ザフィーラがモロに喰らいその近くにいるヴィータを巻き込み吹き飛ばされた。

 

「ヴィータ、ザフィーラ!」

 

 

はやては吹き飛ばされた2人叫び駆け寄ろうとしたが、

 

「きゃっ!」

 

肩を掴まれバイザーを破壊された。

 

「ひっ、……!?」

 

はやては小さく悲鳴を上げ顔を、身体を揺らし避けようとする。

 

 

ファントムはそんなはやての瞳を開かせ、

 

「ファントムが命ずる、八神 はやてよ。我に従え!」

 

 

自身の右眼の術式を発動した。

 

 

「はやて!んの野郎ぉぉお!!」

 

 

俺は動かない身体を必死に動かし前に進もうとする。

 

 

「ふふ、あまり無様をさらさない事だよ。」

 

 

「げはっ!??」

 

メビウスに踏みつけられ肺の空気が一気に抜けた。

 

 

だが眼だけははやてを見続けていた。

 

 

次第に手の力が抜けていく。

 

 

そして、生気の無い瞳になっていく。

 

くそ、くそ!!

 

クソッタレが!!

 

 

何も出来ずに俺は地べたに這いつくばって。

 

目の前ではやてが、チクショウ!!

 

 

 

そして、「八神はやて、貴様は私のモノだ。」

 

 

 

 

 

 

 

「……………はい、ファントム様。」

 

 

 

「嘘、はやてちゃん?」

 

 

なのはは驚愕していた。

 

 

はやてが跪き家臣の忠誠のように首をたれていたからだ。

 

 

「はやて!眼を覚ませ!そんな奴のいう事を聞いちゃいけない!!」

 

 

俺ははやてに向かって叫ぶ。

 

 

しかし、はやてには届かなかったのか。眉すら動かずにファントムの側につく。

 

 

「では、他のモノ達にも私のコマになって貰わないとな。」

 

マントを靡かせながら此方に近づく。

 

 

一直線になのはとフェイトに。

 

 

 

 

 

だが、その手が2人に届く事は無かった。

 

2人に近づいた瞬間巨大なナニカを感知した。

 

 

それはファントム達も同様でそして何か慌てていた。

 

 

「次元震だと?どういうことだ!」

 

 

次第に揺れが大きくなり、そして。………

 

 

パリーンッ!

 

空間が割れた。

 

 

「な、何!?」

 

 

「あれは?!」

 

 

俺達は感知した方に顔を向けた。

 

その場所には、

 

胸部の中央に黄色く光る球体、

 

漆黒よりも暗い黒い身体をし、

 

頭部には紅い球体が輝く人型のロボットのように見えた。

 

 

 

だが、アレから魔力が、それも膨大な魔力が感じられた。

 

「くっ、何だあれは!?メビウス、ウィンド。迎撃しろ!」

 

 

「!!……っ、仕方がありませんね!」

 

 

「……了解した。」

 

2人は同時に飛びアレに攻撃をした。

 

 

「アイスニードル!!」

 

 

「……ブラスト!」

 

 

巨大な爆発の後氷の槍がアレを襲う。

 

 

「な?!」

 

 

「無傷…だと!」

 

2人の言葉通りアレには一切の傷が無く依然と中に浮いている。

 

 

「ちっ、貴方達、奴を攻撃しなさい。」

 

 

メビウスがそう指示すると5~60人の魔導師が一斉に襲いかかる。

 

 

ある者はシューターで、

 

ある者は砲撃で、

 

ある者はデバイスで、

 

アレに襲いかかる。

 

 

だが、それらのどの攻撃もアレには届かないでいた。

 

 

そして、

アレが動いた。

 

右手を掲げ手甲に着いている球体が光だし、

 

 

 

 

 

切り掛かった魔導師達が縦に裂けた。

 

 

 

「あ、………あっ、……」

 

 

「うっ、………あっ?」

 

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そこから先は言いたくない。

 

 

余りにも悲惨な殺し方をアレはし続けた。

 

 

 

ただ一つ言えることは、

 

「アレには勝てない。」

 

 

だろう。

 

俺の総てを掛けても傷をつけれるかどうか。

 

 

 

「な、何なんだ、何なんだアレは!!」

メビウスは見てわかる位に動揺している。

 

 

「…………こ、こっちにくる?」

ウィンドと呼ばれた男も表情では分からないが声が震えている。

 

 

 

 

「ええい、狼狽えるな!メビウス、私達はアジトに戻る。ウィンドと共にあいつの足止めを、私達が転移したらお前達も直ぐに逃げろ!!」

 

 

「んな、っ、畜生!解ったよ!!」

 

 

「ぐっ、……了解。」

そう言うとファントムは暁とはやてを連れて転移しようとしている。

 

 

「待て!!」

 

 

俺は持てる魔力の総てを引き出しバインドを打ち砕こうとし、

 

 

バチィン!!

 

引き裂くことが出来た。

 

 

そしてそのままファントムの懐に飛び込む。

 

 

「ファァンットムゥゥゥゥ!!」

 

 

 

「ええい!邪魔だ!!」

 

 

 

ビュン!

 

ザクッ!!

 

鈍い音が俺の腹部から聞こえた。

腹が熱い。

 

焼けるようだ。

 

恐る恐る腹部を見た。

 

そこには紅い紅いナニカの液体が付着していた。

それは次第に広がり大きな染みになっていった。

 

 

 

 

 

 

ああ、これは俺の血か。

 

もう一度奴の顔を見ると真っ赤な眼をして、

 

「そのまま、死んでゆけ。」

 

ざっ、

 

シュゥゥゥゥゥ。………

 

身体から力が抜けていく。

 

頭が働かない。

 

今、俺はどうなっているんだ?

 

ああ、

 

 

 

 

 

はやて………

 

志郎 終~

 

 

………この闘いで、聖王協会側の死傷者は奇跡的に軽微で済み、ファントムの部隊の大半を削ぐことが出来た。

しかし、この戦いで八神はやてが捕まり、衛宮志郎は重傷。決して浅くない損害を受けた。

最後に現れた黒いロボットは巨大なエネルギーを放ちファントムの部隊を文字通り消滅させ、姿を消した。

我々が付いた時には、大地に巨大なクレーターが出来ており敵の肉片一部分すら検出出来なかった。

我々はあのロボットを「hades」と名ずけ以降その名で呼ぶ事にした。

 

管理局執務官 クロノハラオウン。


 
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