No.408276

ACE学園 第12話『交流会/作者公認である変態T』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-14 16:38:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:904   閲覧ユーザー数:901

異世界フロニャルドのビスコッティ共和国。

 

その首都でも言うべきフィリアンノ城下町の広場でバーベキューがあり、士樹とアインハルトは一緒にそのイベントに参加する予定の朝凪イルスィを城下町の近辺で待っていた。

 

 

「そろそろですね……」

 

「ああ」

 

 

2人が時間を確認しながら待っていると、どこでもドアが出現して中から朝凪イルスィ……

 

 

「とうちゃーく」

 

「ここがビスコッティですか」

 

「なんで俺がここに……」

 

 

と見たことが無い少年と少女(?)が出てきた。

 

 

「こんにちはです、士樹、アインハルト」

 

「イルスィさん、この人達は?」

 

「ああ、2人は知りませんでしたね。男の子の方は無限学園2年の天堂恭介で、女性の方はその学園の学園長を務めている千堂由美です。たまたま出会って意気投合したので連れて来たのですよ」

 

「学園長だって!?」

 

「ずいぶんと若いですね……」

 

「誉めても何も出ないよ♪」

 

 

由美の肩書とその若さに2人は驚くが、当の本人はおどけて答える。

 

 

「ここで、べヒーモスの肉とかが食べられるって聞いたんだけど」

 

「はい、そうです」

 

「なあ、べヒーモスってFFに出てくる大型モンスターのことだよな。いったいどうやって食べるんだ?」

 

「それは見てのお楽しみです」

 

 

疑問を抱く恭介にアインハルトは答える。

 

 

「そうだね、結構な数があったからまだ解体していない奴があるかもしれないし」

 

「楽しみなのです」

 

 

士樹達は期待で胸を膨らませながら城下町に入っていった。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「結構にぎやかな街だね」

 

「へぇ、この世界はみんな獣耳と尻尾が付いているのか……おっ!」

 

「どうしたの、恭介?」

 

 

由美に呼ばれた恭介の視線の先にいたのは、ビスコッティ騎士団隠密部隊筆頭のユキカゼ・パネトーネだった。特徴は、金髪・巨乳・狐耳&尻尾という伝説の少女Aならば[萌え要素の集合体]と言うであろう存在である。

 

 

「おお、士樹にアインハルトでござるか」

 

「ユキカゼ、今日は暇なんだね」

 

「そうでござるよ。今日は、ダルキアン卿と一緒にバーベキューを食べに」

 

 

次の瞬間、恭介は暴走カブト並のスピードでユキカゼに抱きついていた。

 

 

「えっ!?」

 

「なんだ、この子は!? 金髪巨乳にけもの装備ってあれか!? 男を誘っているのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」

 

「えっと……あの……?」

 

 

恭介のあまりの勢いにユキカゼはたじたじである。

 

 

「さあ!! 向こうへ行ってこのメイド服に着替えてくるんだ!! そして、俺のことをご主人様と…」

 

「恭介……」

 

 

由美が某白い悪魔(Not機動兵器)の如く低く静かな声で呼ぶと、恭介の動きはピタッと止まり、油が切れた機械のように振り返った。

 

 

「ちょっと向こうへ行こうか?」

 

「ゆ、由美!! た、頼むから待ってくれ!!」

 

 

由美は人目の少ないところへ恭介を引きずっていった。

 

 

 

 

~しばらくお待ちください~

 

 

 

 

「皆、、待たせてしまってごめんね♪」

 

 

笑顔でそう言った由美の衣服には赤い液体がいくらか付着していた。

 

 

「……由美さん、血が付いていますよ」

 

「屋だなあ、これは血じゃないよ。恭介(変態)に借りてきた赤い絵の具が跳ねただけだよ」

 

 

士樹が由美の後ろを見ると、ミイラ男がいた。それが誰かは言うまでもない。

 

 

「ほれはへんたいふぁふぁい|(俺は変態じゃない)!!」

 

「さて、恭介はいつまで立っても帰ってこないし、速く目的地に行こう」

 

「そうですね」

 

 

由美とイルスィはミイラ男(恭介)をほったらかしにしてステップで進んでいった。

 

 

「動ける?」

 

「はんほはは(なんとかな)」

 

 

士樹達はミイラ男に配慮しながらゆっくり進んでいった。

 

 

 

★★★★★

 

【フィリアンノ城下町広場】

 

 

「おお、準備は進んでいますね」

 

広場では、多くの人たちが肉、テーブル、皿、調味料などの準備をしていた。肉を調理する際に発せられる匂いが士樹達にも届いた。

 

 

「良い匂いがするでござる」

 

「さすがは王城の料理人たち、腕が良いね」

 

 

ユキカゼがクンクンし、士樹が素直な意見を述べていると、恭介が士樹の肩を叩いた。

 

 

「士樹、1つ聞いていいか?」

 

「何?」

 

「本当に今日アレを食べるのか?」

 

 

そう言って、恭介が指をさした方向にあったのは、台車で運ばれている運ばれているベヒーモスだった。

 

 

「見た目は怖いけど、けっこう美味しいよ」

 

「士樹はベヒーモス・イーターと呼ばれることがあるくらいにベヒーモスを食べるのが好きですからね。牛や豚よりも多く食べているような気がします」

 

「……どれだけ食べているんだよ」

 

 

恭介が突っ込みを入れ、アインハルトは顔を赤くしながら話を続ける。

 

 

「夜枷の時は、私の体を貪るように食べますし……」

 

「恥ずかしいから公の場でR18発言をするのは控えてくれ!!」

 

「2人は相変わらず仲がいいでござるな」

 

「まるでおとぎ話に出てくる王子様とお姫様だね」

 

「俺も……フェイトさんとそういうコミュニケーションを取れる仲になりたい」

 

 

ユキカゼは微笑ましい笑顔、由美は夢見る乙女の顔で士樹達を見ているが、恭介は悔しがっていた。

 

 

「はむはむ、確かにけっこういけますね」

 

 

4人がしゃべっている間にイルスィはベヒーモスのハンバーグを食べていた。

 

 

「そろそろ食べようか」

 

「そうですね」

 

 

4人はイルスィに遅れる形でそれぞれ皿を取り、肉料理を食べ始めた。

 

 

「美味い!! なんだ、この味は!?」

 

 

恭介はしょっぱなから重いステーキをがっついていた。

 

 

「恭介、あんまり慌てちゃだめだよ」

 

「そういう由美は左手に大量の串焼きを載せているじゃねえか!!」

 

 

恭介と由美はベヒーモスの肉の味が気に入ったようで、モリモリ食べている。

 

 

「士樹、あ~ん」

 

「あ~ん」

 

 

士樹とアインハルトは焼き肉を食べさせあいっこしていた。

 

 

「しっかし、何事も見た目だけじゃ本質はわからないな。 あのベヒーモスがこんなに美味い料理になえるんだし」

 

「そういうことはよくありますよ」

 

 

イルスィは漫画肉を頬張りながら恭介にしゃべりかける。

 

 

「そうだね……」

 

 

士樹はスープを飲みながら感慨にふけっていた。

 

 

「あの頃の“俺”には想像も出来ないぐらいに今は幸せだね」

 

 

士樹はスープを見つめながら大樹と出会う前の自分を思い出していた。

 

 

「士樹、こっちに美味しいウインナーがありますよ」

 

「ピーマンの肉詰めもあるでござるよ」

 

 

士樹が振り向くと、手を振っているユキカゼと微笑を向けているアインハルトがいた。

 

 

「今いくよ」

 

 

士樹は故郷を思い浮かべながら今の幸せを大事にし、その足を愛する者のところへ進めた。

 

 

 


 
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