No.406273

真・恋姫†無双 異伝 「伏龍は再び天高く舞う」外史編ノ六

今回は閑話休題的なお話です。

一刀と朱里の出番はあまり無いです。

それではご覧ください。

2012-04-10 21:53:44 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10646   閲覧ユーザー数:7860

 

 俺が県令となって数ヶ月が過ぎた。

 

 相次ぐ県令の逃亡と賊の来襲により荒廃寸前だったこの街も

 

 賊が討伐された事と皆の尽力により、かなり活気を取り戻した。

 

 特に朱里は現代で学んだ知識をここぞとばかりに発揮していった。

 

 そのおかげもあり、今や動かせる兵力も二千余にまで増えた。

 

 それと同時に数倍もの賊の軍勢を壊滅させたという話も各地に

 

 広まっていったのである・・・。

 

 

 

 

~陳留にて~

 

「・・・それじゃ、その新しい県令になった男というのが数倍の賊を

 

 壊滅させた軍を指揮していた者で間違いないのね?」

 

「はっ、どうやらそのまま県令になったようです」

 

「ふん、どうせ人の弱みに付け込んで入り込んだだけでしょ」

 

「でも、その人って数倍の敵に勝ったんですよね。すごいな~」

 

「何を言うか季衣、我らならば本気を出せば数倍どころか百倍の敵とて

 

 打ち破れるのは容易き事ぞ」

 

「春蘭様~、いくらなんでも百倍は難しいんじゃ・・・」

 

「じゃあ今度賊が出て来たら、春蘭一人で行って来れば?」

 

「桂花、ここは人の揚足を取っている場合ではないわ。秋蘭、続けて」

 

「その後、荒廃寸前だったその町はここ数ヶ月で驚くほどの復興を遂げて

 

 います。今や数千の兵を抱えるまでになっているとか」

 

「荒廃寸前だった街がたった数ヶ月でそこまで・・・それはその男の政策で?」

 

「それもあるようですが、その男に仕える軍師の力によるものもあるようです」

 

「軍師?」

 

「噂によると相当の切れ者であるとか。軍師でありながら、筆頭政務官をも兼任

 

 しているとの事です」

 

「へえ~っ、そんなに優秀な人材がいるとはね」

 

「華琳様!そんなどこの馬の骨ともわからない者などよりこの荀文若の方が百倍

 

 お役に立ってみせます!」

 

「ふふ、もちろん桂花には期待しているわ。でも、我が覇道をやり遂げる為には

 

 優秀な人材が一人でも多く欲しいの。その軍師が本当に切れ者であるのなら・・・

 

 欲しいわね。ねえ、秋蘭」

 

「また悪い癖が・・・もしかしてその街に行かれると?」

 

「この目で確かめるのが一番早いわ」

 

「しかし、ここからではかなりの距離です。今、華琳様がここを離れるのは危険です」

 

「あら?秋蘭は私が賊程度に遅れを取ると思っているのかしら?」

 

「そのような事は思ってはいませんが・・・最近、例の賊の集団がこの辺りにも出没している

 

 という報告がありますので」

 

「ふう~っ、それでは仕方が無いわね。でも・・・」

 

「わかっております。その軍師の情報はできるだけ集めておきます」

 

「よろしくね」

 

(切れ者の軍師か・・・もしかしてあの占いの『この世の理を超越した知恵を持つ軍師』って

 

 この事かしら?ならその新しく県令になった男が『御遣い』って事よね。もしそうなら、

 

 是非とも手に入れたいわね、ふふふ)

 

 

 

 

~南陽にて~

 

「ねえ、冥琳は聞いた?」

 

「数倍の賊の軍勢を打ち破った男の話か?」

 

「そう、もしかしたらその男こそがって」

 

「ああ、おそらく間違いは無いだろうな。占いの通り優秀な軍師もいるようだしな」

 

「へえ~っ、優秀な軍師って冥琳よりも?」

 

「ほう、雪蓮は私よりも優秀な軍師がいると本気で思っているのか?」

 

「ぜ~んぜん。でも、冥琳が認める位の軍師って事でしょ?」

 

「ああ、間違い無く穏よりは優れているだろうな」

 

「ふ~ん。あっ、そうだ。ねえ、冥琳『却下だ』・・・まだ何も言ってないのに」

 

「どうせお前の事だからその街に行ってその男と軍師に会ってくるとでも言うのだろう?

 

 ・・・下手にお前がふらふら動けば袁術がどう反応してくるかわからん、ここは慎め」

 

「ぶう~、わかったわよ。その代わり・・・」

 

「ああ、情報はできるだけ集めておこう」

 

「よろしくね♪」

 

(でも『御遣い』と『この世の理を超越した知恵を持つ軍師』か・・・それをうまく

 

 取り込めれば孫呉の悲願も早く達成できそうね)

 

 

 

 

 

~幽州にて~

 

「ねえねえ、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、聞いた?」

 

「鈴々は何も聞いてないのだ!」

 

「鈴々、何も考えずに口に出すな。・・・もしかして例の数倍の敵を打ち破った男の事

 

 ですか?」

 

「そう。でね、その人には優秀な軍師がいるんだって」

 

「そのようですね・・・でもそれが何か?」

 

「だから~、占いの通りの人なんじゃないかなあ~って」

 

「あの『御遣い』と『この世の理を超越した知恵を持つ軍師』ですか?でもそれだけでは・・・」

 

「だからさ、確かめに行こうよ!」

 

「・・・桃香様、我々は今、公孫賛殿のお世話になっている身分ですよ。その恩も返し終わって

 

 ないうちにこの地を去るなどできない事などわかっていらっしゃると思ってましたが」

 

「えっ!?・・・ええっと、・・・そうだよね!白蓮ちゃんに御飯代払ってもらった分まだ返して

 

 なかったもんね」

 

「いや・・・そういう事ではなく『良いではないか、愛紗よ』・・・何が良いのだ、星」

 

「いや何、伯珪殿なら笑って見送ってくれるのではないかということだ」

 

「そういう問題ではないだろう!お前は関係無いからそんな事が言えるのだ!!」

 

「ああ、そうだ。私には関係の無い事だ。・・・まあ、その男と軍師には少々興味はあるがな」

 

「くっ、面白がりよって・・・」

 

「どうでもいいけど、お腹がすいたのだ!」

 

「鈴々!もう少し考えて発言しろ!」

 

「愛紗よ、そうカリカリするな」

 

「誰のせいだ!」

 

(はあっ、やっぱりダメか~。でもその『御遣い』の人となら争いのない世界にする事ができそう。

 

 一回会ってみたいなぁ)

 

 

 

 

 

 

~洛陽にて~

 

「ねえ、詠ちゃん。知ってる?あの話」

 

「・・・もしかして数倍の敵を打ち破った男の話?」

 

「うん。すごいよね~、その人。その後、県令になって頑張ってるって」

 

「そんなの大した事ないわよ。ボクだってやろうと思えばできるし」

 

「詠ちゃん、褒める時は素直に褒めないとダメだよ~」

 

「・・・わかってるわよ。でも、どうやら霞がそこに居ついちゃってるみたいなのよ」

 

「霞さんが?」

 

「そうよ。あいつったら『腕試しが一通り終わって他に誰もおらんかったら戻ってくるわ』

 

 とか言っといて、月よりもそのどこの馬の骨ともわからない奴を選んだのよ」

 

「そうなんだ。・・・でも霞さんがそこにいるのなら、その新しい県令さんに会えるように

 

 お願いできないかな?」

 

「はあ?何言ってるのよ、そんなに会いたいならここまで呼びつければいいじゃない」

 

「・・・詠ちゃん」

 

「・・・もう~、わかったわよ。一応霞には連絡とってみるから」

 

「お願いね」

 

(その人がもしかして『御遣い』の人かな?霞さんが気に入る位だからきっとやさしい人だよね。

 

 会ってみたいなぁ~)

 

 

 

 

 

「くしゅん!」

 

「へくしっ!」

 

「北郷様も諸葛亮殿もどうされました?お風邪ですか?」

 

「いや、そういうわけではないけど」

 

「私も違います」

 

「そうですか、なら良いのですが」

 

 

 

「はっくしょい!」

 

「張遼様、大丈夫ですか?」

 

「ああ、問題あらへん。・・・誰か噂でもしとんのかいな」

 

 

 

 

 

                             続く(ように頑張る予定)

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 今回は各陣営の反応をお送りしました。

 

 これからこの方々達をどのように関わらせるのかが

 

 今後の課題です。

 

 次回は新キャラ登場です。朱里の智と腐を補完する存在となります。

 

 それでは次回、外史編ノ七にてお会いいたしませう。

 

 

 

 

 

 

 ・・・今回、追伸は無しです・・・

 

 

 


 
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