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「うーっし、まあまあなんじゃない!?」
「うん!!バッチリだった!!」
「これなら大丈夫だね。後は・・・・・」
「澪ちゃん大丈夫そう~?」
「・・・・・う、うん・・・」
「あんまりガチガチになるなよ」
「今のままで行きましょう!」
すると・・・・・
「皆いるわね~?」
「(・・・ゲッ、あの女)」
山中先生だ・・・何でもう少し早く来ないんだろうか?
練習少しでも見て欲しかったもんだ
「先生~、どしたんですか~?」
唯が先生に尋ねると・・・・・
「フフフ、不本意ながらも軽音部の顧問になったことだし何か手伝うことないかと思って・・・」
すると後ろから・・・
「衣装作ってきましたっーーーーーーー!!!!!」
「「「(ノリノリだっー!!!)」」」
まあ俺たちには関係ないか・・・・・
「せ、先生、気持ちはありがたいんだけど・・・・・」
律が指を指した先を先生が見ると・・・
「・・・・・あ、あんな服着て歌うの・・・?お、大勢の、前で・・・」ガクガクプルプル
ガチガチになっている澪
言葉も何だかしどろもどろ気味だ
まあ恥ずかしがり屋の澪にとってはきついかもね
「・・・・・タイミング悪かったかな」
「うーん・・・これはお気に召さなかったかぁ~・・・私の昔の衣装はどお?」
誰もそうだろうが俺ならなおさら嫌だ
てか何でここにそれがあるんだ・・・
まさか俺たちに着せるつもりじゃないといいが・・・
「うわぁーー、やっぱりさっきの衣装着たくなってきたー!」
「ストップ!!さわちゃん!!こんな衣装澪じゃなくても恥ずかしいよー!!」
「だよな!!?」
澪が必死で律の意見に賛同
「あれ?お前にも恥じらいがあったのかよw」
「・・・・・ん?何だって・・・!?」
「い、いや、何にも・・・・・」
「そうかな~?頑張って作ったんだけどな~・・・それに唯ちゃん達は喜んできているんだけどな~」
「お、お前らコラっーーーーーー!!!!!」
え?あれいつの間に着替えたんだ・・・?
まさかここで・・・・・・・
そんなわけないよね・・・
あそこの倉庫で着替えているはず
これは考えないようにしよう
「・・・もう何でこんな事に・・・?」
「澪しっかりして!!」
俺が声を掛けるとさらに・・・
「まだ緊張してるの・・・?」
すると・・・・・
「澪ちゃんだと分からないようにメイクしてあげようか?」
「ひっ、ひっ!!け、結構です!!」
追い討ちをかけるように澪の首元で余計な事をささやく
この人空気ブチ壊しだ・・・
「あんた大概にしろよ!!!」
正樹がキレてしまった
そりゃ余計澪を変に緊張させられるとたまったもんじゃない
「あ、そうそう泰広君達にもこれを・・・」
そう言って俺達にもあのメイド服を突き出す
当たり前のことだけど・・・・・
こんなもの着れる訳がない!!!
「いい加減にしてください!!」
「あんた俺たちを何だと思ってやがるんだ!!」
「冗談ってば」
「あんたのは冗談に聞こえねぇよ!」
「泰広君はこれ!!正樹君はこれ!!じゃあ本番頑張ってねー!!」
バタンっ!!
「あいつ何しに来たんだ...顧問らしい事位してから帰れよ・・・」
「あ~!私今ので全部忘れちゃったよ~~!」
「練習しよう、それしかないわ」
「そうだな、早く準備しようぜ」
「「「うん!!」」」
ムギ、唯、律は準備につき始めたが澪は完璧に窓の外を眺めていた
完璧なる放心状態だ、あの人が残した後はかなり痛いな・・・
「澪・・・・・・大丈夫かい・・・?」
「・・・・・」
「気にしないほうがいいよ、衣装なんて所詮外見だけだから気にしちゃだめだって
中身・・・つまり演奏が観客達に伝われば俺達の演奏が観客達に伝わればいいんだよ
何も緊張することはないって・・・だから少しでも伝えるためにさ、今は練習しようよ」
「うん・・・ありがとう泰広」
「え?何か言った?」
「え、い、いや、ななな何でもない・・・!///」
~その後~
練習も完璧になり、俺達は講堂までアンプや律のドラムなどを運ぶことになった
「じゃあこれ講堂まで運んどいて!」
「ほ~~い」
律が唯にアンプを渡すも・・・・・
「重いから気をつけてね」
「お、重い・・・・・」
「唯、アンプは俺が運ぶよ」
「え?でも・・・・・」
「いいからいいから」
「ありがとーやっくん!!」
ガシッ!
「なっ!/////」
唯が俺に抱きついてきた
「唯・・・その・・・抱きつくのは・・・ちょっと・・・」
「はっ・・・ゴメ~ンやっくん!/////」
唯も少し顔が赤くなる
「お二人さん、ラブラブですな~?」
「うるさい!!!!」
「と、ところで澪ちゃんは?」
ナイス唯!!ナイス話反らし!!
「あ~、澪には他の事やってもらってる。......あの状態じゃ危なっかしくて機材は運ばせてられないよ。」
正当かもしれない、澪がアンプを落とす姿が頭に浮かんでくるな・・・
「じゃあ唯は他のやつ持ってきて」
「うん!!!!」
~廊下~
「やっくん~大丈夫~?」
「まあそこまで重くはないけど・・・」
かと言って走って持って行くこともできない
落とすのもあるけど、走って持っていけるほどの余裕はさすがにない
すると・・・・・
「♪~~~~~~」
ムギだ、よく考えたら俺がアンプを持っていく間に何度も往復してたな・・・
俺ってまさか・・・・・
「・・・ねぇ唯」
「何やっくん?」
「俺って・・・ダメな人間なのかな・・・」
「えぇ~!!!そんな事ないよ!!」ガビーン
「だ、だって・・・俺がこれ運んでいる間にムギが何度もここを・・・自分が情けない・・・」
「もうやっくん!!そんな事ないって!!やっくんは強い!!アンプはかなり重い!!それだけ!!」
「はい・・・・・・そうだといいけど」
「早く行こう?やっくん!!」
「そうだね、ここで愚痴ってもね・・・」
~講堂裏~
「和~」
「ああ唯泰広君、今演劇が始まっているから隅に置いといて」
「はいはい」
俺はアンプを置いて・・・
「じゃあ戻ろっか?唯」
ん?唯がボーッっとしている
よほど初ライブが楽しみなんだな
まあ俺も同じだけど・・・・・
~音楽室~
「あ~運び終わった~!!」
「お疲れさん!!」
「あんたは何やってたんだ・・・」
あ!!視線逸らしやがった!!
律の奴、ずるい・・・!
「3人とも~お茶入ったわよ~」
「さすがムギちゃん!!」
俺もお茶を頂く事にした
あと少しだが、本番前に練習しても余計緊張するだけだから
俺も休むことにした
「りっちゃんと澪ちゃんって幼馴染なんだよね?」
「そだよ~」
「いつから一緒なの?」
「そりゃもう幼稚園からずっと......あれ?小学校からっけ?」
「幼馴染違うんかい!!」
「ひどいな・・・・・」
「澪ちゃんって小さい頃から恥ずかしがり屋さんだったの?」
「そうだぞ~、あたしが『きれいな髪だね~!』って言ったり、『すごーい!!左利きなんだ!!皆、澪ちゃんすごいよ~!』って言ったら顔真っ赤にして恥ずかしがってたもんな~」
「「いやそれりっちゃん|(律のせいじゃん)!!」」
ガチャン!
「機材運ぶの終わった~?」
「あ、澪!!それにまーくん!!」
「俺はたまたまクラスの様子見て帰って来る途中澪に会っただけだけどな」
「おっ、何か落ち着いてるな。あんなにボーカルするの嫌がってたのに...」
「そんな子供じゃあるまいし、いつまでも動揺していられないわよ」
ガタガタガタ
見れば一発で分かった
手元が揺れてる
「「「「「(めちゃくちゃ動揺してるし~!)」」」」」
「そんな調子でどうすんだよ~」
「律!!あたしとボーカル変わって!!」
「そしたらドラムどうするんだよ...」
もちろんの事だが、そりゃ無理だ
リズム隊である律がドラムを抜けるわけにはいかない
「私がやるから!!」
「んじゃ、ベースどうするんだよ!」
「それも私がやるから!!」
「おーやってもらおうか!!逆に見てみたいわ!!」
「とにかくお前がボーカルをやらないわけにはいかない
ベースも俺とお前の2人で分担しているからよ」
「うぅ~~・・・・・律~・・・」
「離せってば!!」
そこまでボーカルやりたくないのか...気持ちは分かるけど
俺も変わってやりたいものだ、俺だって緊張しがちだけど
こんなの見ていたらますますかわいそうだ
でもな~歌詞がな・・・・・
『ごめんね澪ちゃん!!私のせいで・・・』
唯がそのガラガラ声で澪に話す
「私がこんな声にならなければ、澪ちゃんが歌う事無かったのに・・・」
「唯......」
「よし......私がボーカルするよ!!」
「ご、ごめん唯!そんなつもりじゃなかったから...」
これで決意を固めてくれるといいけど...
すると部長の律が...
「あっそうだ!MC考えておかなきゃ!」
「MCって何?」
「自己紹介とか…ほらっコンサートなんかで曲と曲の間に喋ったりするじゃん?」
「あ~あるある~!!」
すると、律が俺たち5人の見える所に立ち...
「皆さ〜ん!こんにちは〜!今日は私達、軽音部のライブにようこそ〜!」
「じゃあメンバーを紹介しま~す!!」
『ギター!!休みの日にはいつもゴロゴロ、甘いものには私に任せろ!のんびり妖精・・・平沢唯~!』
すると唯はエアギターを行う
本番ではこれに音が加わるのか
『キーボード!!お菓子の目利きはお手の物!しっとりノリノリ天然系お嬢様・・・琴吹紬!!』
ムギもエアキーボード?を行う
『ベース&コーラス!!運動神経は抜群!ファッションにはダテ眼鏡を活用!だけどドSな所が玉にキズの男・・・東正樹!!』
正樹もエアベースを行い・・・
「・・・・・こいつ三途の川に沈めたろか?」
しかし律のMCは無視して続く
『ギター&ボーカル、コーラス!!顔のかっこよさは中々の物!理論派で頭の回転はピカイチな器用人間!冷静沈着なクールな女性恐怖症青年・・・辻泰広!』
俺もエアギターを行う
本番は少しふざけてチャルメラでも弾こうw
「女性恐怖症はいりません」
『ベース&ボーカル!!怖い話と痛い話が超苦手!軽音部のドン!デンジャラスクイーン・・・秋山 澪!!』
ガツンッ!
「あいたっ!」
「誰がデンジャラスだ!!!」
そりゃ危険なんて言われたくない筈だ
「・・・・・ホラ、その感じが・・・」
ん?今何かいったような・・・
『最後に私ドラム!!容姿端麗、頭脳明晰!爽やか笑顔で幸せ運ぶみんなのアイドル!部長…田井中 律!!』
ガツン!
「自分だけ持ち上げすぎだろ!!」
「「あははははっ!!」」
「ふふふふふ!!」
「ふはははは!!」
「あっはっはっは!!」
俺達6人は全員笑い出した
「(そうか!律は澪の緊張を解くために・・・・・)」
やはり部長らしい事はできるみたいだ
まさにムードメーカーってやつか・・・
すごいもんだ、俺にはできないな・・・
あ、時間だ・・・・・
「もう時間だな」
「じゃあ行くぞ!!!」
律が俺たちを先導!
「「「「「うん|(おう)!!」」」」」
いよいよか!
皆が音楽室を後にして・・・・・
俺は澪に・・・・・
「澪、何度もしつこいみたいだけど君なら出来るさ。『You can do it!』!!テレビのこの言葉を信じていこうよ!!」
「うん!!!」
俺と澪も音楽室も後にした・・・
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