~学園祭当日~
ついに学園祭の日を迎えた
唯が喉を枯らした後も俺は必死で練習した
その頃でもすでに俺も他の5人も一応最初から最後までは完璧だ
まあ問題があるとしても澪が緊張して歌えるかどうかだろうし・・・
そして今はクラスの出し物の出店で唯と共に焼きそばを売っている
正樹はこっちの焼きそば以外にも周りの仕事を頼まれているらしい
ちなみに唯の声はまだガラガラだ
ついでにいうなら俺たちの格好は・・・・・
唯はアフロを被ったDJみたいなのにエプロン、俺はクラスが要した紳士服に男性ハットにエプロン
一体どうしたらこういう状況になるんだ・・・・・
何か普通はおもしろくないからこんなインパクトをつけたいとクラスの皆が言ってきた
「はい!いらっしゃい~いらっしゃい~!!安いよ安いよ~!!」
「(ホントに声ガラガラだな・・・・・)どっかの八百屋の親父みたいだね・・・w」
「ぶっー!やっくんテンション上げていこうよっー!!」
「ハハハ、分かってるって!」
「そうだよ、やっくんその調子~!!!」
「しかし唯、よくそんなアフロ被れたねw俺なら無理だな・・・」
「いいじゃんこれ~!やっくんだって大人っぽくてカッコいいよ~!!」
「そりゃどうも~。あっ、唯お客さん来たよ」
「了解!!!」
そう言って唯は今作っていた焼きそばをパックに乗せて・・・・・
「はい一人前だね~!!お嬢ちゃんありがとね~!!」
「ありがとうございました~!」
「ども~!」
「ちょっと!唯、泰広」
「あっ!澪ちゃん焼きそば~?ちょっと待ってね~!」
「なんでそうなる・・・・・」
まあ呆れるのも無理は無い
軽音部のメンバーが来たら普通はそれが当たり前だろうし
「そうじゃなくて・・・今日本番だろう・・・?精一杯練習しておこうよ!」
「ごめんね~、私達も練習したいんだけど・・・」
「あいにく俺たち当番になっちゃってね・・・しばらく抜けれないかもしれない。正樹も他の仕事などで忙しいみたい」
すると・・・・・
ガチャン!!
「またブレーカーが落ちたみたいだね」
部屋中の電灯やホットプレートなどの電源が全て消えたのも当然
『ええ~また~?』
『生焼けになっちゃう!!』
『今日もう何回目よ~?』
「チッ、またかよ・・・・・」
「あっ正樹!!」
「おう澪、来てたのか」
「何していたの?」
「ああ、ちょっと外に行って発電機とかを運んでいたけどそれでも足りなくてな」
『ちょっと!ホットプレートの数は3台までよ!?ちゃんと守ってる!?』
隣の4組の女子が俺たちのクラス3組に野次を飛ばす
「あたりめ~だろ!!俺たちのせいにすんな!!」
「うちじゃないわよ~!!5組じゃないの!?」
正樹と同じクラスの大木さんも負けじと反論
「・・・本当に大変そうだな」
「ゴメンね、澪。悪いけど、俺達は終わったら来るから先に律とムギを誘って練習していて」
「終わったらすぐに行くから!!」ビシッ!
「分かった、唯・・・まだ声ガラガラなんだな・・・」
「うん、今朝もこの調子でね・・・」
俺は苦笑いする以外何も出来なかった
そして、澪は教室を出て行った
「さて、また脚が増えてきたよ」
「そうだね!!頑張ろーやっくん!!」
「はいはい」
しばらく客の連続で休む暇がなかった
俺は材料が無くなったので、箱から補充しようとすると・・・・・
『キャッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!』
「この声は?澪・・・・・?」
何があったんだ・・・?
ろくでもないことに巻き込まれて無いといいんだが・・・
「?はいありがとね~」
すると教室から警察帽みたいなのを被った人が・・・
あっ・・・・・
「「和|(和ちゃん)!!」」
「唯・・・その声大丈夫なの?」
「部活で練習しすぎちゃっただけだから大丈夫だよ~!」
その声で『大丈夫』と言っても説得力が無いッス、唯
「2人とも今日が午後3時から初ステージだっけ?」
「うん!!」
「じゃあまだ結構時間あるし、練習しておきたいんじゃないの?」
「一応全員最後まで出来るようにはなったけど6人ではまだだったから・・・」
「この担当が終わったら抜けるつもり・・・!!」
「最低限の仕事はこなさないと皆に迷惑掛けるからね」
「そっか、ならもうそっちに行ってもいいわよ?誰か他の人に頼んでみるから」
「えっ、でも・・・・・」
「いいっていいって、後は任せて」
「だけどしかし・・・!」
『唯、泰広、行っておいでよ~!』
『泰広君たまには肩を抜いてもいいって!!』
『頑張って2人とも!!』
『ライブ見に来るからね~!!』
クラスからそんな激励の言葉を俺達は受けて・・・・・
唯は嬉しそうだ
「ありがとう行ってくる!!」
「早ッ!!!」
唯はもう教室を抜け出した
『正樹も行きなよ?』
「サンキュー、でもここ抜けたら俺以外いないからこれを終わらせていく。泰広、早く行って来い」
「すまない、お先に!!」
俺は着替えもせずにギターを持って教室を後にした
しかし唯はいつの間に着替えたんだ・・・?
とにかく音楽室へ・・・!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ってあれ?
唯が2組の教室前で・・・・・
しかも律がいる!
あれ?澪、律達連れて行っていたんじゃないのか?
しかも2人で何かやっている・・・
うわぁ、周りの視線が痛い・・・
早く止めさせよう
「2人とも止めてくれ、恥ずかしい」
「あっやっくん!!!」
「律、先にいってたんじゃないのかい?」
「ゴメンゴメン、あたしがこの企画の発案者だから受付ぐらいはしないと・・・!
澪が先に音楽室にいるからあたしとムギももう少しで交代になるからさ!先行っててよ!」
「仕方ない、じゃ行こっか唯」
「うん!!!」
そう言えば2組と1組はお化け屋敷が重なったから合同でやっているんだっけ?
まあいいや!さて、音楽室へ向かおう!
~音楽室~
「ん?あれは・・・・・」
俺がドアノブに手を掛けようとすると・・・・・
澪が歌の練習を行っている
あんなに嫌がっていたのに・・・!
「唯・・・ちょっと見守ろうっか」
「うん」
~5分後~
「あれ?オメーら何やってんだよ?」
「「シッーーーーー!!!」」
唯が音楽室の窓を指差して、正樹が覗き込むと・・・
「なるほどな、お前らも優しいな」
「へへへへへ・・・・・///」
「俺は唯が『見守ろう』っていったから一緒にいるだけだよ、優しいのは唯さ」
「えっ?やっくんが見守ろうって言ったじゃん!!」
まずい、そういや言ったのは俺だった・・・
今考えてみると少し恥ずかしい・・・・・
仕方ない、気づいていないフリしよう・・・w
「言ってない!!」
「言った!!」
「言っていない!!」
「言った!!」
「言ってない!!」
「言った!!」
「おい、お前ら気づかれるぞ・・・!」
『何やってんだー!?』
律とムギだ
「「「シッーーーーーーーーーーー!!!!!」」」
「な、なんだよ・・・」
唯がさっき正樹にやったような仕草をする
「・・・ずって練習してたんだろうな」
「普段の律や唯もこうでありゃあいいのになw」
「なんだとっー!!」
「まーくんヒドイ!!」
「とにかく行こうぜ」
「「「「うん!」」」」
バンッ!
「待たせたな~澪ー!!!!!」
律がいつもの調子の口調
「1人にしてゴメンなさい」
「悪いな、澪。いろいろ大変だったんだよ」
「でも皆のおかげでやっとここに来れたんだ」
「私も練習するよーーー!!!」
律に続いて、ムギ、正樹、俺、唯と澪に言葉を送ると・・・・・
「み、みんな・・・・・・・・・・お、遅いぞ!」
ようやく6人揃ったな
もう時間ないから頑張って行くか!
「じゃあ皆もう一回合わせてみようよ!」
「そうだな・・・!!」
「おう!!」
「はい!!」
「ああ!!」
「うん!!」
俺がそんなことを言うと、律が賛同して、正樹、ムギ、澪、唯と返事を返してくれた
結構嬉しいもんだ、これが仲間ってものかな・・・・・
まあじゃあ、そろそろ準備して・・・・・
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