【CAUTION!】
この作品を読むかどうかは自己責任です。
気分を害しようと、それは自己責任です。
お金がないのも自己責任です。
彼女がいないのも自己責任です。
それでもいいという方は、
『( ^ω^)』
ムカつく顔でコメントしてください。
ただし色々と否定的な※はなし。
作者の心が痛むから。
ではまた後書きにて。
#44
「やっぱ、曹操の城は設備も違うな」
「ん…ふかふか………」
朝焼けが部屋に差しこむなか、俺と恋はゆったりと布団に
「おにぃも、あったか…」
「よーしよしよし、頭を撫でてやろう」
「………(和んでいる)」
前回の終盤に起きた事は忘れ、俺は布団のなかで恋といちゃこらしていた。と、その時。
「凪たちは警備隊と共に街を探索しなさい!」
「はっ!」
部屋の外から慌ただしい声が聞こえてくる。
「春蘭様は騎馬隊を率いて街の周辺をお願いします」
「応、任せろ!」
最初の声は、確か猫耳フードだったか。次いで鼻血眼鏡の指示する声。だが、少し足りない。
「もう1人の軍師の声が聞こえないな」
「ここにいますよー」
俺の呟きに応えたのは、恋ではなく布団の中の影。
「………なぜ、此処にいる?」
「何やら暖かそうな匂いに惹かれましてー」
布団を捲れば、三軍師の1人、人形幼女が寝ぼけ眼でそこにいた。
「他の奴らに知らせなくていいのか?」
「これからするところなのでー」
とりあえず、余っていた縄で縛り上げておいた。
縛った少女に念のため猿轡を噛ませてから、恋に向き直る。
「それじゃ、早速始めるか」
「ん…」
俺の言葉に、恋はガサゴソと荷物を漁り、それを取り出す。
「まずは…蝋燭とムチ、どっち……?」
違ぇよ!?
「冗談……」
恋たんは今日も平常運転です。
*
人形少女の言葉通り、俺達が牢を抜け出したのはとうに知られているのだろう。軍師たちの指示によって武将は城外の探索へと向かっているのか、まったく見当たらなかった。
「それじゃ、行くか」
「………道、わかる?」
2回ほど訪れているからな。
「ん…れっつご……」
だからどこからそんな言葉を……って、空の書いたアレか。
目指すは城の最上階だ。
「お邪魔しまーす!」
「………ちわ」
俺は躊躇いもなくその扉を開く。部屋の中央奥に置かれた執務机で顔を上げるのは、この城の主である少女だ。
「………やはり来たわね」
「おい…バレてるぞ……」
それは俺の真似か、恋。
「読んでたのか?」
「まぁね」
俺の問いに、少女―――
「だったら何故武将を城から外に出した」
「決まってるじゃない――――――」
言うが早いか曹操は立ち上がり、
「――――――外に出してなどいないからよ」
窓際の紐に手をかけた。
*
「華琳様っ!」
バタンという大きな音と共に、執務室の扉が開かれる。
「………あれ?」
開いたのは、曹武の大剣・夏候惇だった。だが、彼女は首を捻る。
「突出するなと言ったろうが、姉者」
「あ、秋蘭」
次いで扉から顔を覗かせたのは、彼女の妹である夏侯淵。しかし、彼女もまた動きを止める。その彼女のあとに、さらに他の武将たちも遅れてやって来た。
「………気のせいだったのか?」
夏候惇が呟くが、妹ははっきりと首を横に振る。
「そんな訳はないだろう。華琳様が虚報を発するはずがない」
「じゃぁ…」
「おそらく北郷に連れ去られてしまったのだろう。事は一刻を争う。凪たちは城の周辺を、姉者と私は場内を捜索するぞ」
主がいない今、臨時の指揮官となった夏侯淵の言葉に、それぞれは駆け出した。
「むぅぅぅうううううぅぅぅっ!」
薄暗い空間に、呻き声が響く。だが、手で口元を抑えられている為、それが床下の部屋に届くはずもない。
「灯台下暗し……いや、この場合は………なんて言うんだ?」
「………天井裏暗し?」
「まんまだな」
恋のボケに軽くツッコミを返しつつ、室内の気配が消えた事を確認すると、俺は天井から飛び降りた。片腕に曹操を抱えて。
「恋、布と縄を用意だ」
「ん…」
先程の人形少女で手慣れたのだろう。恋はあっという間に曹操の口に猿轡を噛ませ、縄で縛り上げる。
「なかなか壮観な眺めだが……個人的に亀甲縛りってあんま好きじゃないんだよね」
「……その道は、奥が深い………と思う」
俺の言葉通り、曹操は縛られ、口は塞がれたまま椅子に座らされていた。
「さて、曹操よ」
「……」
抵抗も意味がないと察したのだろうか。暴れる事もなく、ただ無言で俺を睨みつける。さっさと殺せとでも思っているのかね。
「俺が此処に来たのは、別にお前を殺す為じゃない」
「……?」
そのまま視線で疑問を呈する。そのキョトンとした表情に、少しだけ反応した。
「どことは言わないがな……」
「俺の真似はやめろと言うに………まぁいい。恋、曹操を脱がせろ」
「っ!?」
何をされるのか想像したのだろう。先ほどとは打って変わってその瞳に驚きと軽蔑の色が浮かぶ。だが、そんな事は気にも留めず、恋は服に手を掛け――――――
「………脱がせられない」
「そうだな」
――――――亀の甲羅のような縄に、戸惑いを見せた。
曹操を後ろ手に縛り直し、念の為にと両足も縛っておく。服は肌蹴させられ、上下の下着のみがその身体の一部を隠していた。
「さて、俺がこれから何をすると思う?」
「………」
相変わらずの敵意。だが、それがいい。その差が大きい程、喜びも大きくなるはずだ。だが、まずは意図を説明しようか。
「お前を殺す為に来たわけじゃないという事は伝えたな」
「………」
「その逆だ。俺は、お前達と同盟を組みに来た」
縛っている相手に向かって言う言葉じゃないがな。
「さて、古来より同盟を組む際には、同盟相手に贈り物をするという習慣がある。まずは、俺もそれに則ろうか」
そう告げて、俺は曹操の
「っ!?」
「なかなかの普乳だなんでもありません」
殺気が部屋を満たしたので、謝っておく。
「安心しろ。反董卓連合の時にも告げたと思うが、俺は
ならばどうして。そう問う少女に、俺は続ける。
「言っただろう?俺はお前と同盟を組みに来た。その為に贈り物も用意してあると………恋、アレを」
「ん……」
恋は荷物をまさぐると、2つの同形の物体を取り出した。
白い布で覆われたそれはラグビーボールを薄くし、縮めたような形をしている。
「さて、これが何だか分かるか?」
「………?」
彼女の目前で軽く揺らせば、ほんのかすかに、シャラシャラと何かが擦れる音が聞こえる。
「コイツの正体をバラす前に、軽く説明しておこう。外周部分は竹ひごを火の熱で曲げて、形状を固定してある。外布の内側には綿や布を詰めて肌触りをよくし、中央には米の
「………………?」
言葉の意味自体は理解できるだろうが、その用途自体は気づかないみたいだな。
「さて、こいつをこうしてやろう」
俺は垂れ下がったままの
「じゃ、戻すぞ」
「んっ…」
「恋、姿見をこっちに」
「りょーかい…」
恋の移動させた姿見を、縛られたままの曹操の前に置いてやる。いま、彼女の瞳には、下着姿の自分が映っている筈だ。
「感想は………聞くまでもないみたいだな」
縛られ、口を封じられているというのに、瞳をキラキラと輝かせる少女が、そこにいた。
数日後。
「ただいまー」
「……帰った」
俺と恋は南陽へと戻ってきた。そのまま中庭へと向かえば、霞と愛紗、そして亞莎が飲茶をしているところだった。
「おー、一刀やん。曹操んトコ行ってたんやって?」
真っ先に霞が、徳利を掲げて迎えてくれる。
「あぁ、同盟を結びにな」
「あの……それで、どうだったのですか?」
「バッチリ結んできた。華琳……曹操なんて大喜びだったぞ」
「えっ!あの曹操がですか!?」
亞莎の問いに答えれば、愛紗が反応する。まぁ、連合の時の曹操を知ってればそういう意見も出るかもな。
「でも、そうなりますと、残す勢力もあと1つですね」
しばしの報告ののち、亞莎が真面目な顔で口を開く。
「北は曹操、東が雪蓮様、西の益州も同盟を結んだと先日の報告にありました。となると、あとは涼州連合という事になります」
「そうか。だったら攻略法を考えないとな」
とはいえ、知り合いもいないんだよなー。涼州出身の月たちに行ってもらうか?
どうやって事を進めるか考えていると、霞が空になった徳利の口元を舌先で舐めながら告げた。
「あぁ、涼州なら大丈夫やと思うで」
「「「?」」」
「馬騰は漢の忠臣って有名やからな。空に一筆書いてもらえば十分やろ」
そういう事となった。
「……次回、真・小姫†無双…最終回………『おにぃの膝は誰のもの?』を、お送りします」
恋たん、嘘予告はやめなさい。
おまけ
「さぁ、今日も政務を始めるわよ!」
執務室に元気のよい声が響く。それを合図として、軍師や文官は自分の仕事に取り掛かった。
「………最近、華琳様の機嫌がいいんだけど、何か心当たりある?」
「どう考えても、アレでしょうね……」
荀彧が曹操の目を盗んで、隣で竹簡に筆を動かす郭嘉に問う。
「やっぱり、アレよね…」
「えぇ……」
そうして、2人並んで主の方を向く。正確には、その胸に視線を送る。
「―――♪」
鼻歌混じりに筆を走らせる華琳の胸は、明らかに大きく見えた。
おまけのおまけ
「稟ちゃんも桂花ちゃんも華琳様を見過ぎです。ちゃんと仕事に集中しないと怒られちゃいますよー?」
「「………………」」
そう言う程立の胸も、起伏が目立っていた。
あとがき
いくらPADがあっても、閨でにゃんにゃんする時はバレるんじゃないの?
的な※は禁止な。
華琳たまが幸せだからいいんだよぅ。
という訳で、#44でした。
やっぱり次回で終われそうです。
で、質問なんですが。
長編が一応の終わりを見せたという事で、何か企画でもやった方がいいんだろうか?
んな事どうでもいいから恋共書け、という方は腹筋を。
何か思いついた方は、コメントにて。
ではまた次回お会いしましょう。
バイバイ。
Tweet |
|
|
95
|
3
|
追加するフォルダを選択
あと2回………だといいなぁ。
最後に質問あるから答えてくれると嬉しいです。
どぞ。