No.350432

真・小姫†無双 #43

一郎太さん

残りあと3回!
だといいなぁ。

2011-12-21 17:56:04 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6550   閲覧ユーザー数:4780

 

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、

 

『( ^ω^)』

 

ムカつく顔でコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#43

 

 

陳留の城の一角に設けられた建物。外観は堅牢な印象を醸し、それに違わず内装も堅固な造りとなっている。

 

「恋たーん、何してるー?」

「………」

「恋たん?」

「……はっ?………寝てない」

 

いや、明らかに寝てた奴のリアクションじゃねーか。

 

「まぁ、いい。身体は大丈夫か?」

「ん…元気」

 

正方形のスペースの三方は石の壁で仕切られ、残る一面も太い木材の格子で塞がれている。一部に扉のようになっているが、それを開ける事は容易ではないだろう。おそらく隣の恋がいる牢も同じ構造の筈だ。

 

「でも、手が木で塞がれてる……」

「あー…俺もだ」

 

言葉の通り、俺の両の手首は、一辺に2つの半円を空け、それを2つ組み合わせた板によって塞がれている。ご丁寧に外周には鉄の枠が付けられていた。きっと李典が作ったんだろうな。

 

「おにぃは…平気?」

「まぁな」

「………溜まってない?」

「昨日恋に搾り取られたから、ただいま絶賛製造中だ」

「ん…」

 

どこにいても恋は恋だった。

 

 

 

 

 

 

牢に入れられてから、数日が経過した。思ったよりも待遇は悪くなく、飯は三食出るし、暴行を受けるという事もない。だが。

 

「―――まだ私に降る気にならないの?」

「当り前だ。俺は自由人なんだよ」

「いまは不自由の象徴みたいな恰好の癖に」

「うるせぇ」

 

こうして毎晩、曹操が俺に降伏勧告を迫ってくる。俺が降らない限り恋が下につく事はないと理解しているのだろう。恋にはそのような事は言わず、ただ雑談を交わすのみだ。

 

「まぁ、いいわ。何度でも来るから。どっちが先に折れるか勝負よ」

「望むところだ」

 

最後にそれだけ伝えると、曹操は牢を出て行った。

 

「――――――んなわけねぇだろ」

 

そして、入り口の扉が閉まる音が響くと同時に俺は吐き捨てる。誰がこんな暗い場所にいたがるかっつーの。ナメクジでも飼ってろ。

 

「そろそろ行動を開始したいんだがな」

「ん…」

 

俺の言葉に恋が返事をすると同時に、にゃぁという鳴き声が聞こえる。

 

「そっちに猫いんのか?」

「ん…明命に預けてた猫がいる……」

「マジ?そいつ、何か持ってないか?」

「………あった」

 

どうやら、明命に育成させていた動物版隠密頭のお猫様が、拘束を破る道具を調達してくれたようだ。今度子猫が産まれたら、明命にプレゼントしてやろう。

どちらにせよ、これから行動を開始出来る。俺は隣の恋に声をかけた。

 

「それ、こっちにくれるか?」

「………いや」

「え?」

 

………………え?なんで?恋たんの反抗期?

 

「自分で…おねだり、してごらん………」

「………」

 

誰だよ、恋に『御遣いと天子』読ませたバカは。

 

 

 

 

 

 

恋におねだりをして小刀を受け取り、俺はそれを以って、入口の木材に取り掛かった。

 

「というか結構な数があるな…ひと晩じゃ無理かもな」

「おにぃ、ふぁいと……」

「よーし、おにぃ、頑張っちゃうぞー!」

 

恋の応援も虚しく、俺はちまちまと格子を削る。

 

「というかガチでひと晩じゃ出来ねーよ。とりあえず外からは見えないように残して削っていくか」

「じゃ…あとは頼んだ………zzz」

「どこの使えない上司だよ」

 

相変わらず、恋の寝つきはいい。

 

「いいさいいさ。俺1人で頑張るからさ」

 

誰にともなしに強がりの言葉を放つ。それ以降声はなく、ただ木を削る音だけが響いていた。

 

………考えてみたら、俺の方だけ空けても恋が出られなかったら意味ないよな?

 

 

 

 

 

 

だが解決は簡単だった。翌晩、曹操が帰った後に俺の独房を開放し、そのまま入り口の外の兵士から鍵を奪えばよかったのだ。

 

「変に伏線を張る必要もなかった、ってわけだ」

「行き当たりばったりで書いてるから…変な事は書かない方がいい……」

 

メタな発言はやめましょう。

 

「ま、すぐに思いついたんだから善しとしよう。じゃ、行動を開始するぞ」

「ん…」

 

どうやら曹操も夜遅くに来ていたらしい。外に出て夜空を見上げれば、月は既に中天にさしかかっている。

 

「まずは道具を手に入れる。リストは持ったか?」

「ん…蝋燭、ムチ、張り型に―――」

「それ違ぇ!そっちは七乃たちへのお土産リストだ」

 

最近アイツら調子に乗ってるからな。ここらで上下関係をはっきりさせないといけないと思っていたところだ。

 

「………縄と…読めない」

「あぁ、これはいいんだ。適当な材料で作るから」

「………?」

 

くくく、本命はこっちだからな。

 

 

 

 

 

 

一度城を抜け出し、街へと繰り出す。曹操もなかなかの政策を行なっているようで、街は業種ごとに区画整理されていた事は先日来た時にも確認している。

 

「まずは仕立て屋だ。一瞬で終わらせるぞ」

「らじゃ…」

 

とある店―――もちろん閉店中だ―――に忍び込み、材料を確保する。まずは針と糸、そして布。

 

「次はここだ」

「ん」

 

ついで、籠屋。

 

「最後はここ、と」

「………お米屋さん?」

「あぁ、行くぞ」

 

そして米屋でとあるブツを入手する。

 

「さて、それじゃ寝床に行くか」

「ん」

 

俺達は再度城に潜り込み、使っていない客室に忍び込んで、久しぶりの布団の温もりを堪能するのだった。

 

「………今日は、しない?」

「声が聞こえて見に来られたら恥ずかしいからダメ。また今度な」

「おにぃは、いつも外ばっかり……恋は、普通の(※自主規制※)がしたい………」

「変態プレイを強要する彼氏のように言うな。というか、この間は恋が俺を襲ったんだろうが。あと、まだ恋とは1度しかしていない……ま、この城を攻略してからだな」

「ん…残念……」

 

恋たんは基本的にいい子だからな。聞き分けもいいのだ。

 

「おやすみ」

「ん…」

 

俺と恋は、夢の世界へと旅立つのだった。

 

 

 

 

 

 

「――――――ゔっ!?」

「もきゅもきゅ」

 

翌朝、妙な感覚で目が覚めた俺は、寝起きにも関わらず体力を奪われるのだった。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

とある街・とある仕立て屋。

 

「………これを直すんですかぃ?」

「そうなのだ!破れたところを直すだけだから、簡単でしょ?」

 

赤い髪の少女・鈴々に乞われるが、仕立て屋は苦い顔をする。

 

「確かに普通の服なら簡単なんですが、どう見てもこの布は上物ですよ?どれだけ頑張っても、直した事が丸わかりになりますが……」

「でもでも、これ持っていかないと怒られちゃうんだ。直せないかなぁ」

 

店主の言葉に、季衣も哀しそうな顔をする。無理もない。兄に褒められたい一心でこのお使いを請け負ったのだ。それが途中で届け物を破りましたでは、合わせる顔がない。

 

「そうですねぇ…新しい布を別に縫い付けて、意匠を変えれば見た目は悪くならないと思いますが………どうしますか?」

「それしかないですか………じゃぁ、それでお願いします」

 

他に方法がないならばと、流琉は店主の申し出に頷いた。

 

「ねーねー、おっちゃん!鈴々も見てていい?」

「はい、構わないですよ。今日は他に注文も受けておりませんし」

「あ、じゃぁ僕も!」

「2人共邪魔しちゃダメだからね?」

「「はーい」」

 

元々の目的が届け物である。現物が手元にない以上、現状出来る事はない。流琉は溜息を吐きながらも2人を諌め、そして準備をする仕立て屋を眺める2人に倣った。

 

   *

 

「――――――そこはこんな風にするといいと思うのだ!」

「じゃぁこっちはそんな風にして!」

「うーん…あ!そうしたら、こっちはこんな感じで――――――」

「はい、お任せくださいな」

 

流琉も女の子だ。やはりこういう事に興味があるのだろう。

 

「それでこっちはね――――――」

 

フラグが乱立していく。

 

 

 

 

 

 

おまけのおまけ

 

 

益州・とある城。

 

「やっと着いたのだ!」

「けっこうかかっちゃったね」

「あの、孫策さんがこの城に来てると思うんですけど、取り次いでもらえますか?」

 

城門で門番に流琉が尋ねると、彼も指示を受けていたのか、すぐに案内を呼んでくれた。

 

「雪蓮!着替えを持ってきたのだ!………ってすごいボロボロなのだ!」

「ホントだ!なんか焦げてるよ!?」

「でも…なんていうか、色っぽい………」

「あはは、ありがと、流琉。でも、流琉だって成長したらこのくらいすぐに大きくなるわよ?」

 

3人を迎えた雪蓮は、流琉が言う通り、色気を感じずにいられない恰好だった。胸元から足首まであったはずの衣装は今では胸と腰回りしか隠しておらず、それ以外の腹や腿といった部位はまる見栄だった。壁際で、兵の腰が若干引けている。

 

「それで着替えは?」

「これなのだ!」

「ありがと。早速着替えなくちゃね。いくら益州が暑いといっても、この恰好だと街に行かせてくれないのよ」

 

苦笑顔で説明しながら鈴々から包みを受け取り、雪蓮は中身を取り出す。そして固まった。

 

「………………………」

 

見れば、赤を基調としたドレスは、雪蓮がよく着る意匠とはだいぶかけ離れていた。

腰の後ろから垂れている部分は虎柄になり、その裾には同じく虎柄の尻尾がついている。

袖の両端の飾りは銀の髑髏飾りに取り換えられ、揺れる度にジャラジャラと音を鳴らし、また腹の部分には、ポケットや、何かを引っかけられそうな輪がいくつか追加されていた。

 

「………だいぶ、違わない?」

 

笑顔の問いに、3幼女は嬉々として応える。

 

「後ろは鈴々が考えたの!雪蓮のお母さんは江東の虎ってあだ名がついてたから、虎にしたのだ!」

「髑髏は僕だよ!やっぱりカッコいいよね!」

「前掛けの部分は私が案を出したんですよ?ほら、この輪っかの部分にオタマとか引っかけられるんです!」

「………………………」

 

数秒後、幼女たちの悲鳴と、何かを破壊する断続音が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、フラグを立てて終わる。

次回は絶対に華琳たまを攻略してやる。

 

ではまた次回。

 

バイバイ。

 

 

 


 
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