【CAUTION!】
この作品を読むかどうかは自己責任です。
気分を害しようと、それは自己責任です。
お金がないのも自己責任です。
彼女がいないのも自己責任です。
それでもいいという方は、どうぞお進みください。
#45
南陽・江東・河北・益州、そして西涼連合の同盟が締結して、1年が経過った。西涼の名はそのままとして、華琳は魏、雪蓮は呉、益州は蜀、南陽は幼としてそれぞれ建国し、連邦制をとっている。
「はわわっ……
「あわわ…経費の書類がどこかに行っちゃったよぅ……」
3日後は、数年に1度開催しようと決まった、五国祭り。初回は大陸をまとめた勢力という事で、幼が会場を受け持っている。その準備に、軍師である朱里と雛里は大忙し。今日も今日とて、執務室に悲痛な叫びが木霊する。
「う、ひっく……」
「ふ、ふぇ………」
そして。
「「ふぇぇえええん!ご主人様ぁぁあああっ!」」
助けを求める幼女の声が続くのだった。
街中に出れば、武将も現場の指揮で慌ただしくしている。
「こら、鈴々!つまみ食いをするなと言っただろうが!みなは明日に向け準備をしているのだぞ!」
「愛紗はいつもうるさいのだ!おっちゃんに『味見して』って頼まれたから、鈴々はそのお願いを聞いただけなのだ!」
とある一角では屋台設営に取り掛かっていた愛紗と鈴々がいつもの喧嘩をし。
「季衣っ、木材を持ってきてって言ったのに、なんでサボってるのよ!」
「やば!見つかっちゃった!」
「えぇて、えぇて。流琉ー、流琉も一緒に飲まんか?」
「飲みません!霞さんも仕事してくださいよぅ…」
別の一角では、季衣だけでなく霞にまで翻弄される流琉。
「そこ!踊りにキレがないわよ!
「「「「「Yesロリータ!Noタッチ!」」」」」
「そこはもっとこう、切なさを出す感じでお願いできますか?」
「こんな感じかしらん?」
「いやいや、貂蝉よ。こうではないか?」
「桃香は体力がないのぅ」
「もう疲れたよ、空ちゃん…」
練習用に借りている公民館では、つくよみ&すかい指導の下、『御遣いと天子』ミュージカル・バージョンのリハーサルに余念がない。
「七乃、新作の『蜂蜜けぇき』用の特製
「何言ってるんですか。あまりに美味しいからって、昨日の夜にお嬢様が全部舐めつくしちゃったじゃないですか」
「なぬっ!?………そうじゃったか?」
「いやぁん、お馬鹿なお嬢様ったら可愛いぃ!」
店を出す為に準備をしている美羽と七乃の漫才も行われているようだ。
「恋殿!ただいま戻りましたぞ!」
「ねね…会場の準備は、どう?」
「バッチリですぞ!今は明命と亞莎が作業の指示をしてますが、予定通り、3日後の開祭時にばばばばばばばっ!?」
動物園ではねねがいつものように周々に噛み付かれていたり。
「明命ぃ、ちゃんと仕事しようよ…」
「でもでも、新しきお猫様がいるのです!これは是非とも、我らが
「また恋さんに怒られちゃってもいいの?」
「っ!?………さぁ、皆さん!しっかり柵を作りますです!犬やお猫様たちが逃げ出したら大変ですからね!」
「はぁ……」
件の触れ合い広場予定地では、明命と亞莎が会場設営の指示を出していたり。
「ところで、なぜ伯符たちがここにいるのだ?」
「いいじゃない。呉はオタクの為の国として生まれ変わって、あたしには居辛いのよ」
「だったら手伝え」
「やぁよ。国営の
「北郷様は渡さんぞ!」
「あら、あたしと勝負しよう、っての?」
「負けるな、策殿!」
どこかの居酒屋では華雄と、遊びに来ていた雪蓮のガチバトルが始まっている。
で、俺はと言えば。
「よく来たな」
「えぇ。そっちはどう?」
街の城門にて、俺は魏からの客を出迎えていた。華琳の胸は、以前会った時よりも大きく見える。俺が送った第二世代を気に入ったようだ。風は……デカ過ぎ。違和感ありまくりじゃねーか。
「とりあえず、城に案内する。ついてきてくれ」
「えぇ。貴女達も行くわよ」
そんな感じで華琳たちを城に案内し。
「こりゃまたデカい荷物だな」
「あぁ、我々の布教の場を用意してくれているのだろう?」
「それを押し通したのは月と詠だがな」
これでもかと本の積まれた荷馬車を数台引き連れた冥琳たちを迎え。
「一刀よ、そろそろ儂らの相手もしてくれんかの」
「そうですわ。華雄ちゃんの話を聞いてから、ずっと楽しみで仕方がないのよ」
「おやめください!桔梗様も紫苑様も破廉恥ですっ!」
「まぁ、滞在中に1度くらいなら……」
酒の匂いのする熟女2人とそれを止めようとするメッシュヤンキーを受け流し。
「いやぁ、やっぱり益州通るとダメだな。山が多すぎてまともに馬を走らせられないよ」
「姉様ったら無理に走ろうとして落馬しちゃったもんね」
「ばっ!?バラす事ないだろ!」
「いやぁん、お姉様が怒ったー!助けて、伯母様ぁ♪」
「2人とも落ち着きなさい。他所の土地ですよ」
そう言いつつも、舌なめずりをして俺を見据える馬騰はじめ馬一族を出迎えていた。
「ちょっと待て!私を忘れるな!」
「あれ、来たのか」
「ちょ!?」
どこで情報を手に入れたのか、招いていない白蓮たんがやって来る。
「で、後ろのは?」
「あぁ、私が祭りに行くと言ったら、ついて来ると聞かないんだ。いいだろ、部屋だって余ってるんだし」
「そうだな。適当な宿にでも泊まってくれ。あぁ、自腹な」
白蓮と、一緒に来た袁紹御一行はそれなりの対応で。
「いたいたっ、にぃにゃ!」
「「「にゃ!」」」
「おー、よく来たな、美以。それにミケ・トラ・シャムも」
「にぃは暖かいにゃ」
「「にゃー」」
「……zzz」
南蛮から来た美以を背負い、両手にミケとトラを抱き、頭にシャムを乗せ、俺は街へと戻るのだった。
三日の後、祭は開催される。どこもかしこも騒がしく、誰もかれもが今日という時間を楽しんでいる。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「どうした、鈴々?」
全員分を書くのはメンドイので、最初に出会った鈴々との時間を少しだけお伝えしよう。
「鈴々ね、お兄ちゃんと会えてよかったのだ」
「俺もだよ。突然どうしたんだ?」
「ずっと言おうと思ってたんだけど、なかなか言えなかったから、いま言うの」
そう言うと、鈴々は俺の手を両手で握る。
「おにーちゃんが空から落ちてきた時は、すごく、すごーく吃驚したのだ」
「確かに、俺も驚いたな」
懐かしいな。
「お兄ちゃんと一緒に暮らして、旅をして、そんでそんで、ここに来たのだ」
「そうだな」
「お兄ちゃんがいたから、鈴々は友達がいっぱい出来たのだ」
「その友達には季衣も入ってるのか?」
「んー…季衣は生意気だから嫌いっ」
「ホントに?」
「………嘘なのだ」
小さな唇から少しだけ舌を出して、鈴々はバツの悪そうな顔をする。が、すぐにいつもの太陽のような笑顔に戻った。
「だから、鈴々は、お兄ちゃんが大好きなのだ!だから、ずっとずっと!ずーっと、一緒にいる!」
「あぁ、俺も鈴々と一緒にいたいよ」
「本当?」
「もちろんだ」
「だったら約束なのだ!」
そう言うと、鈴々は俺の手を下に引っ張る。その力に引かれ、俺は鈴々に向けて前屈みになった。
その時。
「―――ちゅっ」
唇に、柔らかく暖かな感触。
「………」
触れるのは一瞬。
「にゃははー、鈴々の初めてをあげちゃった。約束のちゅーなのだ」
照れるのも一瞬。
「じゃぁ、早速屋台を回ろう!」
すぐにいつもの顔になり、俺の手を引いて駆け出そうとする。
「お兄ちゃん、早く行くのだ!」
「………わかったよ」
そんな妹に苦笑しながら、俺もそれに続く。
「元気がないのだ!合言葉は―――」
「突撃、注文、完食だな!」
「その通りなのだ!」
手を繋ぎ合ったまま、俺と鈴々は駆け出す。絶対に、その手を離すまいと誓いながら。
「――――――という夢を見た」
「………」
俺の言葉に、目の前の眼鏡は無言のままだ。
「いやぁ、それにしても素敵な夢だった。朝起きたら夢精していたからな」
「………」
爺ちゃん達にバレないように処理するのが大変だったぜ。
「今日はどんな夢が見れるかなー。昨日の続きだったらいいんだけどなー………って、どうした、及川?」
「なに、かずピー」
「………?」
ようやく口を開いたか。
「わざわざそないなくだらん妄想を伝える為に、ワイを5時間も拘束してんの?」
「だからドリンクバー奢ってやっただろ?俺だって金がないんだよ」
「水分だけで5時間もつ訳ないやろ!なんか食いもん注文させてーな」
仕方がない奴だ。
「まぁいい。とりあえず、特盛ポテトでも頼むか」
「せやな。あ、あとトリプルハンバーグもいってえぇ?」
「好きにしろ。お前の自腹だから好きなだけ食うがいいさ」
ひどいわー!そんな叫びを聞きながら俺は、ファミレスの外を流れる車の群れを眺めるのだった。
おしまい
あとがき
反省はしている。でも、後悔はしていない。
これが商品だったらクレームが殺到してHPが炎上するんだろうな。
という訳で、真・小姫†無双は今回で終了となります。
気が向けばエピローグ的なものも書くかも。
最初は気まぐれで始まったこのSSも、ようやくエンディングまでこぎつけられました。
支援詐欺を行なったり、拠点アンケートをやったりと、この2ヶ月は色々な事がありました。
それでもこうして無事終了出来たのは、ひとえに
改めて、お礼を申し上げさせて頂きます。
今後はちまちま単発SSを書きつつ、恋共を書いていこうと思います。
ゆっくりと待ってやってください。
では最後に。
Yesロリータ!Noタッチ!
バイバイ。
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予告通り、今回で最後です。
皆様このような駄文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
このシリーズ、ひいては今回のラストに関しては、もはや何も申し上げません。
皆様ご自身の方法で、ご納得頂けたらと思います。
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