董卓軍討伐を終え各陣営は本拠地に戻っていった
「久しぶりに戻ってきましたね…姉上」
「なのだ~!」
「そうだね愛紗ちゃん・鈴々ちゃん」
当然劉備軍も本拠地である桃花村に戻って来た
その後…小さな賊の討伐はあったものの平和に過ごしていた
そんなある日
「…そういえば」
「どうしたの愛紗ちゃん?」
「いえ…この木だけ違うので少し気になっただけです」
村の名前にもある様にこの周りには桃の木が沢山植えられており春になると一面桃花が広がりとても綺麗であった
花見をした時には気が付かなかったが今は周りの葉が枯れているのではっきり分かった
その木だけ生き生きとした葉を茂らせていた
「そうだね…確かに珍しいね」
二人がその木を眺めていると桃花村を治めている領主が声をかけてきた
「これはこれは関羽殿に劉備殿…どうなされました」
「いえ…この樹が珍しいと思いまして…」
「ああ伝説の樹の事ですか…」
「「伝説?」」
領主の話によるとこの樹は雪の降る時期にある青年が一夜だけその樹の前に現れる
そしてその青年はある皆に喜ばれる為にいろんな物をくれると言うものであった
「へ~…」
「すこし……怖いですね」
「まあ…この話に出てくる青年を見るには清い心を持った乙女と言う話らしいですから……妖ではないと思うのだが」
「でも村の皆さんは見た事ないんですよね」
「伝説だからのぅ…信じるも信じぬのもお二人しだいです」
そう言うと領主は二人に会釈し散歩の続きを始めた
「なんか素敵な伝説だね~」
「確かに…さてと姉上…休憩もした事ですし仕事に戻りましょう」
「だね」
そんな会話があった夜…
「…厠」
眠っていた愛紗だったが厠に行くために起きたのだった
「これじゃあ寒い訳だ」
部屋を出ると外は雪が降っていた
厠を済ませた愛紗だったがふとあの言葉を思い出した
伝説の樹の事を
愛紗自身はまったくその話は信じていなかった
しかしその事を思い出すとなぜか伝説の樹の方に歩いていった
愛紗が伝説の樹に到着するがそこには誰にもいなかった
(やはりか…ってなに私は期待していたんだ…)
などと思い引き返そうとした時反対側から人影が現れた
愛紗は武器を持っていなかったが戦闘態勢になった
「何奴!!」
「そう殺気を放たないでくれ…」
「そういっても…その変な格好してる奴に対して無防備になれん」
格好は赤い帽子を被り煌びやかな白い服を着ていた青年が立っていたのであった
「この格好か…この時期は仕方がないんだよ…クリスマスの時期だから」
「栗巣枡?…なんですかそれ」
「う~ん…サンタクロースが子供達に玩具をあげたり恋人同士の仲を強くしたりする日のことかな…」
「へ~…そうなんですか」
始めは格好が怪しかったせいで警戒していたが話を聞いているうちに愛紗は不覚にも青年の顔に見惚れてしまっていた
その視線を感じた青年は声をかけた
「どうしたの?」
「いえ…」
青年と目が合ってしまい愛紗は頬を赤らめながら顔を逸らした
青年はある事を思い出した
「そうだ…君にいい物をあげよう」
「いいもの…ですか?」
「ああ…これ」
そうして渡されたのは一通の手紙であった
「さて…ここは寒いだろうから早く部屋に戻り…」
「はい……そうだお名前は?私は関羽」
「俺は…一刀……手紙は部屋で読んでくれ」
「分かりました…一刀殿……」
そう言うと愛紗は部屋に戻る為に歩き出した
愛紗が見えなくなり一刀は呟いた
「この外史で俺はいない…天の御遣いは存在しない…だから…この世界での愛紗よ…幸せになってくれ……俺は別の外史で別の愛紗と幸せになるから…」
そう言うと一刀は光りだしてその場から消えていった
部屋に戻った愛紗は一刀から貰った手紙を読んだ
『荒れたホールに一騎当千の武将が舞い降りる!!その愛らしい武将の活躍を刮目しろ!!2012年1月下旬…CR恋姫無双稼動!!』
内容は分からなかった愛紗だったがその手紙を大切に机の上に飾り眠りについた
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お久しぶりです~^^
それと初めまして~^^
『第3回同人恋姫祭り』参戦しま~す^^
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