No.329608

真・小姫†無双 #15

一郎太さん

というわけで今日最後。

どぞ。

2011-11-04 23:16:06 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:10069   閲覧ユーザー数:6593

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(`・ω・´)シャキーン』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#15

 

 

「お前達、弱い…」

 

最前線で、彼女はひとり呟く。彼女の前には、地に膝をついた3人の少女。皆が土埃を身に纏い、肩で息をしている。

 

「まだまだ、なのだ……」

「負けたわけじゃ、ないもん………」

「そうだよ。兄様の、期待に応えないと…」

 

それでも少女達は立ち上がる。その手に武器を構えて。

 

「………だったら、死ね」

 

戦意のない敵に興味はない。だが、向かってくるというのなら話は別だ。方天画戟を構えた少女―――呂布は飛び出し、得物を振るう。

 

「…………誰?」

「3人はもう少し修行が必要みたいだな」

 

だが、それを止める影があった。その影は右手に構えた偃月刀で呂布の重い一撃を軽々と受け止め、背後で茫然とする3人に笑顔で声をかける。

 

「ま、あとは任せろ」

 

影は少女達から視線を外した。

 

「――――――よくも、俺の可愛い妹たちを苛めてくれたな、コラ」

 

手が痺れた。

 

 

 

 

 

 

「………凄いのだ」

「うん、兄ちゃんってあんなに強かったんだね」

「というか、呂布もさっきまでの本気じゃなかったんだ………」

 

背後から妹たちの呟きが聞こえてくる。その尊敬の響きに、俺の心は高揚―――する筈もなかった。だって、めちゃくちゃ速いし重いんだもん。

 

「………お前、強い?」

「当り前だ。俺はみんなの兄貴だからな。兄貴は妹を守らなきゃいけないんだよ」

 

会話を交わしながらも、呂布は戟を振るう手を止めない。え、鈴々たち3人を相手にしてたのに、まだ疲れないの?

 

「………お前の戦い方、変」

「失礼な奴だな」

 

確かに北郷流は異端と呼ばれていた時期があったらしいけれども。

 

「お前の武器…殺気がない………」

 

当然だ。殺す気もないし。

 

「………なんで?」

「ぐっ!?」

 

その時、俺の心が跳ねた。………………なんだ、この目は。こいつは立派に成長した女だぞ?俺は紳士(ろりこん)じゃなかったのか?試しに地面にへたり込んだ3人の妹を振り返る。少し嗜虐心がそそられた。うん、俺は紳士(ろりこん)だ。だが、だったら何故――――――。

 

 

 

 

 

 

考えているうちに、呂布の攻撃に違和感を感じた。あれ、遅くなってる?

 

「………もしかして、疲れたのか?」

「(ふるふる)」

「じゃぁ―――」

 

どうして。そう問う前に、呂布から解答を口にした。

 

「………おなか、すいた」

「がはぁっ!」

 

哀しげな瞳に、俺は血を吐いた。ようやく理解できたぜ。呂布は………この娘は、『スピリチュアル・ロリータ』なんだ。あまりに純粋過ぎるが故に、心が追いついていない。無垢なまま成長してしまったのだろう。俺の下半身は、彼女の心に反応したのだ。

 

「兄ちゃん!?」

「だ、大丈夫ですか!?」

 

慌てた声の妹に、血濡れのサムズアップを送る。俺は大丈夫だ。むしろ、やる気が出た。

 

「なぁ、呂布」

「……?」

「俺は董卓を助けようと思っている」

「……………」

「華雄と張遼も降ってくれた。呂布も、董卓を助けるために手を貸してくれないか?」

「………………ほんと?」

「あぁ…ほんどうだ………」

 

傾げられた小首に、今度は鼻から情熱が溢れ出した。鈴々たちには慣れているが、新しいジャンルに俺の耐性は弱まっているらしい。

 

「………それに、このままやっても勝負はつかないだろうしな。董卓たちも助けて、全部終わったら、また遊ぼう。な?」

「………………………もし、嘘だったら?」

「その時は俺の首を刎ねればいいさ。どうだ?」

 

言って、俺は武器を下ろした。

 

「………………」

 

数瞬の沈黙の後――――――

 

「………ん」

 

――――――呂布は降伏を宣言した。

 

 

 

 

 

 

「という訳で、張遼と呂布たんも仲間になった。みんな仲良くするんだぞ」

「「「はーい」」」

 

鈴々と季衣と流琉が元気よく返事をする。いい妹たちだ。

 

「と、その前に、お前らは虎牢関にはいって城壁に旗を立ててこい。この関は俺達が占領したー!てな」

 

俺の言葉に鈴々と季衣は関へ駆けていき、流琉は牙門旗を取りに戻る。

 

「それじゃ、華雄たちのとこに行くか」

「……ん」

「あと、ご飯も貰おうな」

「ん…」

 

微笑む呂布は、とても可愛かったです。

 

 

 

 

 

 

もきゅもきゅとご飯を食べる呂布を華雄と張遼に任せ、俺はハニーベアーの牙門旗がはためく城壁へと向かった。袁術軍の兵士に囲まれた董卓軍の兵がぞろぞろと出てくる。ふむ。こいつらも帰ってから調教してやる。

 

「ぬぬぬ……降ろせなのです!」

「暴れるななのだー」

 

城壁へと上がれば、鈴々の蛇矛の先端が、1人の少女をぶら下げていた。デニムっぽいホットパンツにチャイナ風味の上衣、頭にはパンダのロゴ入りの帽子を被っている。そして小さい。

 

「何やってんだ、鈴々?」

「お兄ちゃん!このチビは生意気だからお仕置きしてたのだ」

「チビではないのです!くぅぅ………恋殿ぉぉっ!!」

 

ぷらぷらと蛇矛の先で揺れながら、ついにはその少女は涙を流してしまった。呂布の名を叫んでいる。

 

「鈴々」

「にゃ?」

 

だが、俺はすべての幼女を愛する紳士なのだ。幼女の涙を見て動かないわけがない。

 

「武器を下げなさい」

「わかったのだ」

 

素直な娘は好きだ。

鈴々が武器を下げる。俺はその先端から幼女を救い出すと、エメラルドのような髪を優しく撫でた。

 

「ほら、もう大丈夫だよ。呂布のところに連れていくから、安心しな」

「うぅ……怖かったのですぅぅ……」

「よしよし」

 

胸にしがみついて涙を流す幼女を連れて、俺は関を降りた。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「「ねぇ……」

「なんでしょう、桃香様?」

 

ここは連合軍後方。

 

「虎牢関も落ちちゃったね」

「そうですね。それにしても、袁術軍は強いな………」

「なにか遊戯(げぇむ)でもしよっか」

「おぉ、それは面白そうですな」

「なんでそうなるのですかっ!?」

 

1500と連合軍最少勢力の劉備率いる義勇軍は、関羽と趙雲を将に、再び輜重の見張りをしていた。

 

「じゃぁ、モノマネ大会ね」

「桃香様!人の話を――――――」

「では某から」

 

趙雲は左腕で自分の胸を抱え、右の手のひらを左の乳房に添えた。

 

「『だ、駄目です、ご主人様っ!?私は家臣で貴方は――――――ふぅ…終わった後というのは、どうしてこうも虚しいのだろう………」

「 そ れ は 誰 の 真 似 だ ? 」

「天幕でひとり賢者時間(たいむ)に入る愛紗」

「似てるよ、星ちゃん!」

「………………#」

 

後方は平和だった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

困った時の星ちゃんオチ。

 

というわけで、今日はこれで最後。話の内容的にもキリがいい。

続きがうpされるかは不明。

 

Yesロリコン、Noタッチ。

 

また次回か別の話で。

 

 

 


 
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