No.328610

真・小姫†無双 #6

一郎太さん

(´・ω・`)やぁ

という訳で、ようこそ紳士の諸君。

2011-11-03 00:02:09 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8708   閲覧ユーザー数:6100

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(´;ω;`)ブワッ』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#6

 

 

曹操が治めているらしい街を出た後、何故か追いかけてきた青チャイナの女を撃退した俺達は、のんびりと馬を進ませていた。

 

「―――でも、本当によかったんですか?夏侯淵さんは別に攻撃しようとしていた風には見えなかったんですけど」

 

左隣の馬から、流琉が問いかける。

 

「いいんだよ。あの女は小さい女の子に目がないらしくてな。大事な義妹たちを奪われないために俺は戦っただけだ」

「でも兄ちゃん凄かったね。まさか飛んできた弓を素手で掴むなんて思わなかったよ」

 

俺の前に座った季衣が胸にもたれながら見上げてくる。今日は彼女の番だ。

 

「さすが鈴々のお兄ちゃんなのだ!」

 

右隣の鈴々も誇らしげだ。

 

「何言ってるんだよ!ボクの兄ちゃんだ!」

「鈴々のだ!」

「ちょ、ちょっと2人共……」

 

これもまたいつもの光景。鈴々と季衣が俺を取り合い、流琉が宥めようとする。俺の鼻からは赤い筋が伸びていた。

 

 

 

 

 

 

それからまた数日。ゆったりと馬に揺られながら俺が目の前の流琉を抱き締めて撫でていると、3人の義妹たちが同時に顔を上げた。

 

「どうした?」

「何か、聞こえませんか?」

「………大人数が走ってる足音が聞こえるのだ」

 

流琉と鈴々が答え、

 

「あっちだよ!!」

 

季衣が東を指差して叫んだ。

 

「………………砂塵が見えるな。ヌーの大移動の時期にはまだ早いと思うんだが」

「違うのだ!………何かを追いかけてる!」

 

鈴々が額に掌をかざしながら目を細める。俺もそれに倣い、そして気がついた。

 

「誰か追われているようだな。俺達も逃げるか?」

「だっ、ダメですよ兄様!助けてあげないとっ」

「でもなぁ、めんどくさいんだよなぁ…」

 

流琉に諌められてしまった。出来すぎる妹を持つのも大変だとこの時思った。と、季衣が口を開く。

 

「兄ちゃん、なんか、ちっちゃい女の子が追われてるみたい――――――」

「助けるぞ!」

「え、ちょ、兄様ぁ!?」

 

季衣の言葉を最後まで聞くことなく、俺は馬を走らせた。必死にしがみついてくる流琉が、とてもかわいいと思いましたマル。

 

 

 

 

 

 

馬を走らせれば、次第にその様子が見えるようになってきた。大勢で追いかけているのが、賊のような恰好をした男、約100人。対して追われているのは小さな女の子2人だった。

 

「クズが…」

 

思わず手綱を握りしめる。奴らが紳士(ろりこん)だという事はわかるが、少女を怖がらせるような男にそれを名乗る資格などない。

 

「いくぞ、お前ら!」

「Yesロリータ!」

「Noタッチなのだ!」

「えっ、言うんですか!?」

 

乗り切れていない少女がここに一名。

 

「死ねやこのファッキンガイ共がぁっ!!」

 

馬上から、俺はむさ苦しい変質者の集団に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

地に伏した変態が約50。俺達に背を向けて逃げる変態が約50。俺達は戦に勝利した。

 

「これで終わりのようだな」

 

腰に剣を差し直し、俺は爽やかスマイルで振り返った。この笑顔で少女に声をかけた時に通報された事は、もう忘れた。

 

「2人共、大丈夫か?」

 

視線の先には、抱き合って地面にへたり込む幼女が2人。

片方は白と紺のレイヤーワンピースに白タイツ、そしてあずき色の上衣を纏っている。薄黄金色の頭には、同色のベレー帽が乗り、腰と帽子に薄緑色の大きなリボンがついていた。

もう片方は、前者とは対称の色使いの服を着、淡い碧色の頭には黒っぽい魔女帽子が乗っかっている。巻き方は異なるが、リボンはお揃いのもののようだった。

 

「はわわわ……」

「あわわわわ………」

 

いまだ恐怖も覚めやらず、がたがたと震えている。

 

「もう大丈夫だからな。安心しな」

「はわっ…」

「あわわ」

 

俺は2人の傍にしゃがみ込み、そっとその小さな頭を撫でた。いい手触りだ。

 

「う、うぅ……ふえぇぇぇん!」

「こ、怖かったです…もう、もう駄目かと………うええぇぇん!!」

「いまは泣いていいんだぞ」

 

しがみついてくる2つの小さな身体を、俺は優しく抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

「はい…」

 

2人に水とお菓子を渡す。コクコクと喉をならし、ちまちまと両手でお菓子を持つ様は小動物のようだった。小動物よりも少女の方が断然可愛いが。

 

「それで、2人はどうしてあいつらに追われていたんだ?」

「………私たち、水鏡女学院というところで勉強していたんです。政治や兵法、農業や経済も勉強してきました」

 

おずおずと金髪少女が切り出す。東京にそんな学校あったっけ?俺のロリ情報網にひっかからないとは、新設の私立だろうか。だが女学院というのはいい響きだ。

 

「でも勉強するうちに、大陸の情勢が分かってきて………それで、私たちが勉強した事を使ってこの乱れた世を正したいと、水鏡先生のもとから離れたんです」

 

碧髪の少女がそれに続いた。なんと健気な。こんなに小さいのに現政権を打ち倒そうと頑張っているんだ………投票も出来ないのにな。

 

「それで邑を出て雛里ちゃんと旅をしてきたんですが、運悪くさっきの賊に見つかっちゃって………」

「お兄さん逹が来てくれて、本当に助かりました…」

 

そう締めて、2人はぺこりと頭を下げた。

 

「申し遅れました。私は諸葛亮孔明といいます」

「鳳統士元でし…です」

 

2人が自己紹介してくれた。ふむ、片方でも手に入れられれば天下を手にすると謳われた天才軍師と同じ名前か。3人といいこの2人といい、三國志が流行ってんのだろうな。

 

「俺は北郷一刀。小さい女の子の味方だ。で、こいつらが義妹の───」

「張飛なのだ!」

「許緒だよ!」

「典韋です」

 

俺に続いて、3人も自己紹介をした。

 

「あわわ…3人とも私達と同い年くらいなのに、あんなに強くて羨ましいです」

「凄いよね。ところで、お兄さん達は何故旅をしているんですか?」

 

諸葛亮の言葉に、俺の頭が物凄い勢いで回転を始める。

 

 

 

 

 

 

そして出た言葉は――――――

 

「俺達は皆賊に邑を奪われてな。俺達みたいな人をこれ以上増やさないために、こうして世直しの旅をしているんだ」

 

――――――半分が本当、半分が嘘だった。

 

「にゃっ!?」

「そうだったの?」

「知らなかったです…」

 

3人はちょっと黙っていような。

 

「はわわっ!そうだったんですか!?」

「ねぇ、朱里ちゃん………」

 

俺の言葉に2人は驚き、何やら内緒話を始めた。

 

「………人たち………強いよ……………」

「……何かの…導きかも………………」

「…………縁と思って………」

「………うん、そうだね」

 

そして、どうやら話は終わったらしい。と思ったら、2人はいきなりぺこりと頭を下げた。

 

「お願いします。皆さんのお仲間に加えてくだしゃいっ!はわわっ」

「さっきも言った通り、私達も世直しをしたいと出てきたんです。武はありませんが、智でしたら、きっと皆さんのお役に立ってみせましゅっ!!あわわわ」

 

そして、そのままの姿勢で俺達の返事を待った。

 

「どうする?」

「鈴々はいいと思うよ。いっぱいいる方が楽しいのだ」

「そうだね。ご飯も馬もたくさんあるし、一緒に行きたいな」

「私も同じ意見です、兄様」

 

うむ、やはり俺の妹たちはいい娘ばかりだ。あとでいっぱい撫で撫でしてやろう。

 

「という訳だ。よろしくな」

「はい!私の真名は朱里と言います。これからはそう呼んでください」

「私の事も、雛里と呼んでください」

 

見た目に違わず、可愛らしい名前だ。3人とは妹キャラとしてのジャンルも違うし、需要はたっぷりとある。俺も頷き返し、口を開いた。

 

「俺には真名がないからな。好きなように呼んでくれ」

「「はい、ご主人様っ」」

「………………………………」

「どうしたんですか、兄様、鼻を押さえたりなんかして?」

「いや、なんでも……」

 

鼻血が止まらなくなった。

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

ちゃんとコメントには

『(´;ω;`)ブワッ』

の顔文字を入れてからコメントするように。

 

ではまたすぐ次の回で。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
105
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択