No.327338

真・小姫†無双 #4

一郎太さん

つづけて投稿。

どぞ。

2011-10-31 20:42:55 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:9055   閲覧ユーザー数:6514

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(´・ω・`)やぁ』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#4

 

 

公孫賛の街を出てからまた数週間が過ぎた。彼女のおかげで食糧も路銀もたっぷりあるし、旅は順調に進んでいる。

 

「やっ、はっ、たぁ!」

「ほいさ、ちょいさー、ちょいやっさ!」

 

馬たちが脚を折って休みつつ地面に生えた草を食べている横で、俺は義妹といちゃいちゃしていた。

 

「全然当たらないのだー」

「くくくっ、俺は鈴々のお兄ちゃんだからな。兄は妹よりも強いものなのだ!」

「むむぅ……うりゃりゃりゃりゃぁっ!!」

「ほれ」

 

鈴々が蛇矛を振るい、俺が気持ち悪い動きでそれを躱す。余裕そうに鈴々には言っているが、正直に言って辛い。だって速いんだもん。

しばらくそうして戯れていると、急に馬たちの雰囲気がざわついた。

 

「にゃ?」

「何か近づいているのか?」

 

俺達が馬をなだめようと武器を収めた瞬間――――――

 

「ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

――――――茂みからぷーさんが飛び出してきた。

 

「熊なのだ!」

「残念ながら蜂蜜はないぞっ!?」

 

 

4つ足で駆ける熊は最初から気づいていたのか、それとも視界に入ったからなのか、俺達の馬に向かって突き進む。

 

「Yesロリータ!」

「Noタッチ、なのだぁ!」

 

だが甘い。俺の妹は強いからな。

鈴々の蛇矛のひと振りによって、熊は仰向けに崩れ落ちる。起き上がる気配もない。馬は……よし、減ってはいないな。

 

「よくやったぞ、鈴々」

「えへへー」

 

自慢の妹を撫でようとした時だった。再び茂みが鳴る。

 

 

 

 

 

 

「待てぇぇええっ!」

「ちょっと、季衣!先に行かないでよ!」

 

茂みの奥から、2人の美少女が飛び出してきた。

片方は薄い色のノースリーブと短パンに身をつつみ、桃色の髪をサボテンみたいな形に2つ結わっている。その手にはトゲがいくつも着き出た鎖つきの鉄球を、地面を削りながら引き摺っている。

もう片方は、ローライズのスパッツに白と橙のノースリーブを重ね着て、その手には巨大な円盤を抱えていた。緑色の頭に、蝶々を模した髪飾りをつけている。

どうでもいいが、2人とも腹を出して寒くないのだろうか………って、鈴々も出していたな。

 

「あれ?」

「死んでる?」

 

2人の少女は、俺達の存在と倒れている熊に気がついた。そして、円盤少女の方が、おずおずと声をかける。

 

「あの……ひょっとして、お兄さんたちが倒したんですか?」

「そうなのだ!鈴々がどかーん、ってやっつけたのだ!」

 

鈴々がない胸を張ると、鉄球少女が感心したように言った。

 

「へー、お前チビのくせに強いんだね」

「なにおー!?お前だってチビなのだ!」

「ボクはチビじゃないやい!ボクの方が、背が高いもん!」

 

おっと、ロリ対決が始まってしまった。俺から見れば、どっちも大して変わらないんだけど。

 

「にゃにゃにゃー」

「ぬぬぬー」

 

微笑ましい。嗚呼、微笑ましい。微笑ましい。

顔を突き合わせて睨み合っているが、まったく怖くないのはなんでだろう。きっと、俺の幼女への愛が強いからなんだろうな。

 

「こら、季衣!喧嘩しちゃダメでしょ!お、お兄さんも何か言ってください」

「ハァ…ハァ……へ?あ、あぁそうだな」

 

俺がこの世の楽園に感動していると、残る1人が俺の袖を引っ張った。この娘もカワイイな、おい。

 

「おーい、お前らー。喧嘩しちゃダメだぞー」

「お兄ちゃんは黙ってるのだ!」

「兄ちゃんは黙ってて!」

 

2人の呼称が、俺の心を突き刺した。まるで俺を取り合って喧嘩する妹たちのようだ。

 

今日は熊肉だ。

 

 

 

 

 

 

 

俺と円盤少女の制止もよそに、ついには武器を使っての喧嘩が始まってしまった。

 

「うりゃりゃりゃりゃー!」

「えーい!!」

 

ガッキンガッキンと重たい金属音を聞きながら、俺は残る1人とまったりしていた。

 

「それにしても、お兄さんの妹さんも強いんですね」

「君の友達もなかなかだね。まぁ、俺には勝てないけどな」

「お兄さんもそんなに強いんですか?」

「そりゃ、兄貴が妹より弱い訳にはいかないからな」

「はぁ…?」

 

鈴々とはまた違った可愛さがある。この娘も一緒に俺の妹になってくんねーかな。

 

「あの調子だったら勝負はつかないだろうな。お菓子食べる?」

「いいんですか?ありがとうございます!」

 

俺は公孫賛からもらった糧食を探り、お菓子を取り出して少女に渡した。

 

「あー!ずるいのだ!数が少ないから、3日に1回って言ってたのに、あげるの?お兄ちゃん!」

「流琉だけずるいー!ボクもお菓子欲しい!」

 

バレてしまった。仕方がないなと俺は、2人にもお菓子を出してやるのだった。

 

 

 

 

 

 

おやつを食べて満足した鈴々と許緒(食事中に聞いた)はこれ以上勝負をする事もなく、俺の左右の膝を枕に昼寝をしている。先ほどと同じように、俺は典韋と話に花を咲かせていた。

 

「そっか、2人で暮らしているのか」

「はい。邑は盗賊に襲われちゃって家も全部燃やされちゃって………それからは季衣と2人でこの近くの洞窟に住んでるんです」

 

なんと不憫な。聞けば、盗賊退治に出かけている隙に、別の賊が来て村を滅ぼされてしまったらしい。どこかで聞いた話だ。同情の気持ちが湧くと同時に、俺のリビドーも姿を見せずに暴れていた。

 

「………だったら、俺達と一緒に来るか?」

「え?」

 

ナンパなどではない。幼気な少女たちを救うのが俺の使命なのだ。彼女たちの家族がいないのならば、俺が家族になってやりたいと思ったのは、決して邪な気持ちからではない。純粋なる愛故だ。

 

「俺達も似たようなもんでな。帰る場所もなくなってしまったから、こうして旅をしてるんだ」

「その割には、豪勢な荷物があると思うんですが………」

 

なかなか目ざとい。

 

「これは以前働いていた城でくれたんだよ。どうも俺達が邪魔らしくてな。こいつらをやるからとっとと出て行け!って追い出されたんだ。将軍より強い兵はいらないらしい」

「そうなんですか………」

 

スラスラと流れ出る嘘に、典韋ちゃんは悲しそうに見つめてきた。下半身が疼いた。

 

「で、どうする?2人さえ良ければ、俺が2人の兄貴になってやる。なに、すでに1人妹がいるんだ。2人増えようが100人増えようが、大した問題じゃないさ」

「いや、100人は大きいとおもうんですけど」

 

そんな事はない。美少女100人ならば、俺は命をかけて養ってやる。

 

「でも、嬉しいです。そう言ってもらえて………ずっと…ずっと2人だったから………っく、ひっく……ふぇええぇぇええん」

「そっか」

 

泣きじゃくる少女を、俺はそっと抱き締めた。彼女もまた、俺の背に腕を回してしがみついてくる。無垢な少女がオちた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、新たな仲間も迎えたし、出発しますか。Yesロリータ!」

「Noタッチ、なのだ!」

 

季衣と流琉を馬の背に乗せ、俺達は出発する。

 

「今のって掛け声なんですか、兄様?」

「ん?そうだよ」

 

俺と鈴々の掛け合いに、流琉が問いかけてきた。先ほどと呼称が変わっているのは――――――。

 

『これからは俺がお前の兄ちゃんだ。兄様と呼べ』

『はい、兄様』

『ゔっ』

 

――――――とまぁ、こういう訳だ。

 

「兄ちゃん兄ちゃん、これからどこに行くの?」

「にゃ!おい、春巻き!お兄ちゃんをお兄ちゃんと呼んでいいのは鈴々だけなのだ!」

「お兄ちゃんじゃなくて兄ちゃんだからいいんだもーん」

「なんだとー!」

「やるかー!」

 

あぁ、至福の時。少しずつ俺の光源氏計画が進行しているのがわかる。妹姫シリーズまで、あと9人か。早く見つからないかな。

 

「で、これから何処に行くんですか、兄様?」

「そうだな…とりあえずこの辺りは寒いし、南に行ってみよう」

「そうですね。夜は少し寒いですよね」

 

少しどころじゃないんですけど。まぁ、子どもは体温が高いと言うしな………って、あれ?だったら相対的に体感温度が下がるんじゃないのか?

 

「どっちにしても………」

「?」

「流琉はいい子だなー」

「きゃっ!?」

 

俺は隣の上手から流琉を担ぎ上げ、俺の前に乗せて抱き締めた。

 

「は、恥ずかしいです、兄様……」

「気にしない気にしない」

「あー!流琉ずるいー!」

「そこは鈴々の席なのだ!」

「はいはい。でも喧嘩するような悪い子を乗せる訳にはいかないなー」

「にゃっ!?」

「えぇ!?」

「兄様、暖かいです……」

 

計画は順調だ。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、また次回。

 

 

 


 
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