No.315193

桔梗√ 全てを射抜く者達 第23射

黒山羊さん

『Sieg Heil HINARIN!!』という謎なドイツ語を使っている黒山羊ですww
以前話した焼酎がもう無くなりかけです。
後、コップ5,6杯ぐらいしかありません。
毎日、ロックで3杯飲んでたら、そうなりますよ。

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2011-10-09 09:31:45 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4791   閲覧ユーザー数:3493

 

桔梗√ 全てを射抜く者達   第23射

 

 

 

 

視点:焔耶

 

「魏延様、何を!」

 

「すまん。馬を借りるぞ!蒼様への伝言は悪いが、歩いて行ってくれ。天の御使いが重傷なんだ!」

 

そう、私達に伝言に来た董卓軍の兵に言うと、私は腰布を解き、気絶させた一刀を背負い、解いた腰布で固定し、馬に乗る。そして、虎牢関へと向かった。

私の肩に一刀の頭が乗る。口から泡が大量に出て来る。私の肩に零れるが、今はそれどころではない。

一刻も早く、泡を吹いて気絶している一刀を医者か衛生兵に見せる必要がある。

そのため、私は一刻も早く、一刀を連れて虎牢関に戻る必要があった。

 

すぐに、私達は虎牢関に到着した。虎牢関で、先ほどの戦いで、反董卓連合からの射撃で負傷した董卓軍の兵の手当てが目まぐるしく行われていた。負傷兵はおよそ千人近くいるように見える。

私は賈駆殿を見つけたので、董卓軍の医者か衛生兵を呼んでくれと頼むと、衛生兵がすぐに来てくれた。

衛生兵は診察を始める。頼む。一刀!無事で居てくれ!

 

「呼吸が異常なぐらいに速く、気が増幅し過ぎています。

気を落ち着かせる薬を飲ませたくても、気が失っているうえに、天の国の薬がどういったモノか分からないため、飲み合わせが分かりません。今この場で出来るのは矢創の治療と針治療ぐらいなのですが、

矢創はなんとかなりますが、この軍に針治療出来る者は生憎と居なくて………。」

 

「つまり、薬を飲んで気絶した一刀に出来る事は無いと言う事か?」

 

「熱を持っている頭を濡れた布を当てて冷やすぐらいしか………」

 

私は急いで、虎牢関にある井戸に水を汲みに向かった。

だが、戦が終わったばかりの為、兵であふれかえっていて、中々井戸にたどり着けなかったが、なんとか井戸に着き、水を汲んで、一刀の居る部屋に戻ろうとする。

蒼様が部屋の前に居た。

 

「焔耶!一刀はいったい、どうしたんだ?重傷だって聞いたぞ!」

 

私はありのままの事を話した。

天の国の薬、発狂するように笑う一刀の話。話していると、自分の中で一刀の心配が増幅し、怖くなってきた。私は思わず倒れそうになったが、蒼様が私を支えてくれた。そのおかげで汲んで来た水は零れずに済んだ。蒼様は私を支えられながら、一刀の居る部屋に入る。

 

一刀の額に濡れた布を乗せる。蒼様は私の横で一刀の手を握っている。私は何故そうしているのか蒼様に聞いた。なんでも、気絶していても、聴覚や触覚が機能している事があると蒼様は答えてくれた。

普段、根性!根性!!言っている蒼様からは考えられない博識だった。何故、そんなことを知っているのか聞いたら、昔蒼様は母親に殴られて気絶した時にそんな事を体験したらしい。

 

それから、私と蒼様は一刀の居る虎牢関の部屋で寝泊りをしながら、一刀の様子を見ることにした。

蒼様の軍は翠が面倒を見ているらしい。

 

私は眠っている一刀の様子を見ながら、今回の戦いについて蒼様と話をした。

反董卓連合は一刀の狙撃で結構な数の将が射殺されたことにより、反董卓連合は本陣である汜水関に退却したが、袁術を始めとする結構な数の軍がそのまま自国へと逃げてしまったらしい。

孫策軍は袁術の客将と言う事もあり、袁術に連れられて退却。

だが、全軍が自国に撤退した訳ではなく、袁紹と曹操、劉備軍等15万が汜水関に残ったという話だ。

 

そこに蒲公英が来た。蒲公英は軍議に出ていたのか、先ほど決まった事を私達に伝えに来たみたいだ。

今後の方針は反董卓連合の数は多いが、袁紹軍が脚を引っ張っているので、このまま虎牢関に籠城し、反董卓連合が現れたら、野戦に持ち込み、一気に叩くと言う物だった。籠城戦を捨てるのは、籠城戦では敵を全滅させるもしくは、退却するのに時間がかかり、兵糧がもたないからだと言う。

だが、こちらから、汜水関を攻める訳でもない。こちらの方が圧倒的に有利と言わけではないからだ。

 

 

 

 

視点:蒼

 

くそ!『なんであんな無茶な事をしたんだ!?』と俺は一刀に問い詰めたいが、それは出来ない。

確かに、今は戦、無茶をしなければ、生き残れない事なんて、腐るほどある。

しかし、一言ぐらい相談してくれても良かったんじゃないだろうか?

あぁーーーー!くそ!イライラする!!

 

「おーい、翠。腹減ったぁー。」

 

「どうしたんだ?母様。」

 

「んー。なんか腹減ったー。喰ってねーとなんか色々もたねー。」

 

「分かった。丁度、今晩飯だし、母様の分は準備しているぞ。」

 

そう言って、翠は焼き鳥丼を渡してきた。俺はそれを一気にがっつく。

やけ食いをしているのだから、味がどうとか俺にはどうでも良い。嫌な事を忘れる為にがっつく。

食べ終わると、翠が来て、俺の横に座ると、無言でチラチラと俺の顔を見て来る。

いつもの俺と違う様子を見て、俺を心配していると言うのが丸分かりだ。

 

娘に心配させる訳にもいかない。娘に心配かけるとは俺も母親失格だな。

俺の中のモヤモヤの全てを流そうと、俺は水を一杯一気飲みする。

文字通り『水に流す』というわけだ。水を飲むわけだから、流れていないとかいうツッコミは無しだ。

一気飲みが終わると俺は叫ぶ。

 

「っぷはーー!よっしゃー!一刀が起きるまでモヤモヤしない!根性!根性!!」

 

叫ぶってのは良いもんだ。スッキリする。

あ?さっきモヤモヤを水に流したんだから、スッキリもへったくれも無いだと?しばくぞ。

 

その後、翠から俺の軍の現在の兵数、食料、武器、死傷者の状態や数を確認。死者は出ていない。

当然だ。相手は袁紹軍の弓兵部隊、あんな三下の軍相手にくたばるような奴は俺の軍には居ない。

そして、その後のやることを一通りこなし、やる事が終わる。

 

あ!そういえば、焔耶は飯喰ったのか?

俺は翠に焔耶の飯は届けたのか聞いた。すると、焔耶の分は未だだという。

もう、晩飯というには遅いかもしれないが、喰っていないなら持って行かないとな。

俺は飯を持って、焔耶と一刀の居る部屋に焼き鳥丼を2人前持って行く。

 

「おーい、焔耶。入るぞ。」

 

俺は脚で扉を開けながら、そう言った。

俺が焼き鳥丼を焔耶に渡すと、礼を言って、喰い始めた。一刀が起きているのなら、一刀に食わすつもりだったが、一刀は寝ているため、一刀の看病をする焔耶に喰うように勧める。

看病するのには体力が居る。腹が減っては何とやらだ。

だが、俺も焔耶と同様一刀の看病をするつもりだったことを焔耶に見抜かれていた為、話し合いの結果、俺と焔耶で半分ずつ喰う事になった。

 

 

 

 

その後、一刀の額に乗った濡れた布を交換したり、矢創の包帯を交換したりしていたら、気が付いたら夜になっていた。

 

「おーい、焔耶。お前はそこの椅子で寝た方が良い。

今は俺が一刀を見ておいてやる。強姦するつもりは無いから、安心しろ。」

 

「いえ、私は……。」

 

「焔耶。一刀が起きた時にお前が寝不足でやつれていたら、一刀が心配するぞ。

一刀の事が心配なのは分かるが、一刀の事を思うなら、無理をしてでも休め。良いな?」

 

「………はい。一刀のこと宜しくお願いします。」

 

焔耶はそう言うと壁際にあった椅子をくっつけて長椅子を作り、そこに横になった。

焔耶が横になるとすぐに寝息が聞こえてきた。相当精神的に疲れていたのだろう。

目の前で友人が変な薬を飲んで、発狂したら、誰だって心配する。

 

「ん?」

 

部屋の外から足音が聞こえてきた。足音を立てない様に歩いているのか、音は小さい。

もしや、反董卓連合の暗殺部隊か?俺は三叉戟を構え、ゆっくりと足音を消し、扉の方に歩き出す。

そして、俺は扉を蹴破った。

 

「うん?月ちゃんか。びっくりしたわ。」

 

外には蹴破られた扉を見て、吃驚し、放心状態の月ちゃんが居た。

月ちゃんの肩を叩くと、月ちゃんはビクッと反応し、気が付いたみたいなので、俺は驚かせた事を謝った。

月ちゃんは涙目だったが、すぐに許してくれた。

しかし、こんな夜更けにこの部屋に来るったぁ。何の用事だろう?俺は早速聞いてみた。

 

「で、どうしたんだ?」

 

「あのー、御遣い様の様子を見に来ました。矢を受けたのと聞いたのですが、重傷なのですか?」

 

「あぁ、矢は大丈夫だ。肩と脚に刺さっただけで、衛生兵曰く、後遺症も残る事は無いらしい。」

 

「………良かった。」

 

「だが、問題は薬だ。」

 

「?どういう事ですか?

もしかして、傷の手当てに駄目な薬を使ったんですか!?」

 

「いやいや、そういう問題じゃないんだ。

簡単に言うと、戦の前に少しばかり強くなる薬を飲んで、それの副作用で倒れているんだ。」

 

「……そんな。なんで、御遣い様はそんな薬を飲んだのですか?」

 

「あぁ、一刀にとって生きる事は戦う事だからだ。戦場で自分の出来る最大限の事を一刀はする。

勝つためなら、強くなれる薬があるなら、副作用があろうと躊躇うことなく飲む。

………………………………まったく、一刀らしいよ。」

 

「生きる事が戦う事ですか?」

 

「あぁ、戦って、勝つ。そして、自分が無力で無い事を証明し続ける。

戦争とそれ関するモノが全てで、一つを除いてそれ以外は全て些細な事らしい。

一刀に恋している俺からすれば、悲しい現実なんだけどな。

まあ、ってのが、一刀の考えている事らしい。詳しい事は目が覚めたら、話したら良い。

でも、話をする前にとりあえず、拳骨一発一刀を殴らせてくれ。俺を心配させた罰を与えてやらんとな。」

 

 

 

 

視点:月

 

蒼さんと二人で話をしたのは久しぶり。話題は天の御遣い様のことです。

これまで色んな人から聞いた話によると、御遣い様は天の国の兵士だったみたいです。

兵士になった理由は自己無力という事象の否定し、生きている実感得るため、最も極限状態にある戦場に身を置こうとした結果、兵士になっていたと聞きました。

 

人によったら、言い方が悪いですが、戦が病的に好きな人だと感じてしまうかもしれません。

ですが、私には御遣い様が凄い強いけど凄い危なっかしい人、そんな風に感じました。

蒼さんの話を整理していてある事に気付きました。

 

「蒼さん、さっき、一つを除いて全て些事だって言いましたが、その一つって何ですか?」

 

「あぁーーー、それ聞いちゃうか。俺的にはその話はあんまり好きじゃないんだけどな。」

 

「すすすみません!」

 

「いやいや、確かに好きじゃないけど、現実だから、受け止めないとな。

で、その一つってのが、一刀の想い人だ。一刀は想い人と一緒に居るのが好きで好きで仕方が無いらしく、桔梗と一緒に居ると戦の時のような高揚を得る事が出来ると言っていた。」

 

「へぅ//////好きな人ですか//////それも厳顔さん//////

でも、蒼さんは御遣い様の事が好きなんですよね?」

 

「あぁ、俺は一刀の事が好きだが、一刀は桔梗の事が好きだから、困ってるんだ。」

 

「あぅ//////略奪愛//////」

 

「なあ、月ちゃん、一刀はどうやったら、俺に振り向いてくれるかな?」

 

「自分らしさを出したら、良いと思います。その……蒼さんは……魅力的なので//////」

 

「sっそsそそうか//////そう言われると照れるな。」

 

蒼さんは頬を緩ませて、頭をかいている。ですが、蒼さんはいきなり私の方を真剣な顔で見て来ます。

顔が近いです。蒼さん//////私そんな趣味無いです!

 

「だから、俺は月ちゃんより早く一刀を落としてやる!!」

 

「え?」

 

「月ちゃんも一刀のこと気になっている様に俺は感じたんだが、違うのか?

違うなら、良いや。俺は誰よりも早く一刀をものにして、西涼で夫婦生活を送るんだ!」

 

「蒼さん、声。声大きいです。御遣い様と魏延様が起きてしまいます。」

 

「おっと、悪い悪い。」

 

「では、私はこれにて失礼しますが、明日、反董卓連合が攻めてきたら、大変ですので、蒼さんも看病はほどほどにして置いて下さいね。おやすみなさい。」

 

 

 

 

どうも、黒山羊です。

 

今回の話はどうだったでしょうか?

え?短すぎる?すみません。区切りをつけようとしたら、こんな感じになりました。

この反董卓連合編も後3か4話ぐらいで終わりそうです。たぶん。

 

それから、一刀が気絶している間になんかフラグが建ちましたねww

これから、どうなる事やらww

 

では、本日は『ましろ色シンフォニー』のアニメが始まった事を祝して、あれで閉めましょう。

それでは、御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( ゚ω゚)o彡°うりゅ~!

 

 


 
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