「ご・ち・そ・う・さ・ま、ご主人様。」
「むん!」
満足そうな二人に対して一刀は、
「ああ・・・ぁぁぁぁ・・・」
痙攣し泡を吹き、焦点が合っていなかった。
「ころ・・せ・・・いっそ・・・殺して・・・くれ・・・」
人間とは、ある一定の恐怖を味わうと、心の自己防衛のため
記憶を抹消するらしいが、彼はつい先ほどの事のすべての記憶があった
ままであった。
なぜなら、
「やーねご主人様、あなたとっくに死んでるわよ。」
ということである。
貂蝉が冷静にツッコミを入れた後、卑弥呼が外史と転生について
まだ説明していなかった部分を言う。
「さて、外史に転生すると言ってもどういう世界でどういう人物に
なるかということなのだが。」
まずは転生する世界について語る。
「まずはどういう世界なのか、ということなのだが、一言でいえば、
三国志という時代なのだが猛将、勇将等と呼ばれているものたち
が女性になっているという世界なのだ。」
そして次に、
「そこで、ご主人様は天下統一を果たした司馬一族の一人、司馬昭に
なってもらおうと外史の意思が望んでいる、というわけなのだ。」
卑弥呼が具体的に説明しているが、
「・・・・・・・・・」
一刀は反応を示さない。
「今回のこの外史、今まで前例が無いことなのよ。今までの外史は
ご主人様・・・といっても別の世界の色々なご主人様達なんだけど。」
といって、
魏王、曹操の望む天下に導いたり。
呉王、孫権、または孫策を支え尽くしたり。
蜀王、劉備の望みを叶えたり。
はたまた別の勢力に属したり。
北郷一刀として、天の御使いとして天下を統一したり。
転生という形で外史に介入しても似たような役割で生まれてくることが
今までの外史の誕生の仕方だったということ。
正史と同じのように司馬一族として天下統一が役割であるかも知れない
外史は初めてのことであるということ。
外史の否定派、肯定派と呼ばれる者たちとってもどう扱っていいのか
わからなくなっている者がほとんどであるということ。
あらゆる重要なことを貂蝉は説明した。
しかし
「・・・・・・・・・・・」
一刀は反応が無かった。
そして、
「!!どうやら時間みたいねん。」
「うむ、どうやらそのようだな。」
と二人が言うと、一刀は何か引き寄せられるような感覚を感じた。
「あ!、そういえば今ある記憶のことなんだけど、
引継ぎをしたいのなら転生までにそれを望めばいいわ。」
記憶の引継ぎについて説明する。
「あと、記憶を消して新しく人生を始めたいときは、
そのままその感覚に身を任せればいいわよ。
そうすれば外史のほうで処理してくれるはずだから。」
一刀は僅かに反応した。
全ての説明を終えた二人は、
「それじゃ、がんばってねんご主人様。」
「健闘を祈っておるぞ、ご主人様。」
応援の言葉を送りその場から消えた。
そして一刀は望んだ・・・
「消してくれーーーー!!!!!!
この忌まわしい記憶を抹消してくれーーーーー!!!!!」
記憶の抹消を・・・
こうして物語は始まった。
管理者達にとっても想定外の外史が・・・
真恋姫無双 晋ルート
次回、
第一章
司馬一族の軍
というわけでプロローグでした。
次回やっと本編になります。
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ようやくプロローグが終わりました。
しかし一週間もかかってしまった・・・