― 一刀Side ―
「ったく・・・・・・本当に芸がない・・・・・・・・・」
宮廷大広間に到着した俺達を待っていたのは、いかにも戦いますよ的な装備を施した兵達。
俺が広間に到着して少し後、皇帝が来ると言う声が広間に響き渡った。
まぁ、案の定来るはずもなく現れたのは張譲とそのお供の十常侍数人。
なんて言うか、まんまヤラレ役っぽいのがゾロゾロ付いて来た以外ほぼ予想通りの展開だった。
そして、張譲が発した一言。
「皇帝陛下は体調が優れぬので会うことはできぬ」
アホかと・・・・・・。
それを聞いて俺達が帰るために背を向けたところを後ろからグサっと行くつもりなのか?
こんな輩になめられていると思うと腹が立ってくるなぁ・・・・・。
だから俺は合えて挑発する道を選んだ。
「で、いつ俺達に襲い掛かってくるつもりだ?まさか本当に何事もなく返すつもりなんてないんだろ?
あれだけ刺客を送り込んでおいて、今さらそんなこと言うはずもないだろうが」
「刺客?何の事ですかな?」
いやぁ、ベタなとぼけ方ありがとう。
ため息しか出てこないわ。
時間稼ぎなら、ここでこうやって張譲の透けまくりな腹を探るフリでもしてれば十分に時間を稼げそうだけど・・・・・。
「まぁ、だらだら引き延ばす話でもないな・・・・・・・。
劉弁は後宮の隠し部屋で元気にわめいている様だな・・・・。それに董仲穎とも少し話をしたが・・・・・・・かなり悪どい事やっているらしいな?張譲」
「「「「「「!?」」」」」」
なんか、本当に詰めが甘いんだよなぁ・・・・・・・。
知らないフリをするくせに、少し揺さぶれば直ぐに動揺する。
こんなのがこの国のトップにいれば、そりゃ国も腐るだろう・・・・・。
むしろ、こんなのがトップになれるのがおかしいんだけど・・・・。
「さぁ、その透けまくった腹の内をぶちまけろ張譲!!!
董仲穎を拉致し!皇帝劉弁を拉致し!朝廷の権力を我が物にしようしている事実を白日にさらせ!!
『天』は見ているぞ!!お前達の行った全ての悪行を!!!!」
あえて大声で。
この広間にいる兵達全てにはっきりと聞こえるように。
控えていた兵達の間に動揺が走る。
そりゃそうだ。
皇帝に仕えている兵なんだから動揺するだろう。
だが、思ったよりも効果がなかった。
周囲を見渡して納得する。
こいつ等はたぶん正規の禁軍じゃなさそうだ。
恐らく十常侍達が秘密裏に集めた私兵みたいなものなんだと思う。
皇帝に仕えるはずの禁軍。
それなりに精鋭が集められているはずだ。
だがこいつ等から感じるのはもっと野性的な雰囲気。
これだけの数を一気に忍びこませるのは無理だろうから、徐々に禁軍内部へと送り込んでいったんだと予測できた。
皇帝のためではない。
もちろん民のためでもない。
自らの私服を肥やすため・・・・自らの権力を守るため・・・・・。
関係のない兵を巻き込むのはどうかと思っていた。
でも、遠慮する必要はなさそうだな・・・・・・・。
「ぶ、ぶぶぶぶ無礼な!!どこにそんな証拠がある!!憶測で物を言う者が『天』を語るとは無礼千万!!
者共!!そこの無礼者に制裁を!!!!」
「はぁ・・・・・・・本当に救いようがない。・・・・・・亞莎」
「御意・・・・亀甲壁を!!!」
「「「「「「「「「「応!!!!」」」」」」」」」」
図星を付かれ、逆上して策も無しに兵達をけしかけて来た十常侍に心底呆れながら亞莎を呼ぶ。
亞莎は直ぐに、この場で戦うにあたって最適な対応策を北郷隊の精鋭達に向かって指示した。
亀甲壁・・・・読んで字の如く、亀の甲羅を模した壁を円盾で築く。あれだよ、洋画でさ、某スパルタ教育の語源になった部族?が主役の映画で出てた奴。
詳しい名前は知らないからフィーリングで名づけただけと言うオチ。
ってわけで、脳内解説はこの辺にして・・・・・・。
今、俺と亞莎はその壁の内部にいる。
俺達二人は、中から外を見る事はできないけど盾で壁を築く兵達は円盾に空けられた小さなのぞき穴から外部を見る事ができる。
俺達が見えるのは、ガチムチマッチョのガチムチの尻と背中だけ・・・・・と言うなんだかやる気が削がれる状況。
って、こんな事考えるのは後にしよう・・・・・・・。
時間稼ぎだからって余り焦ってないから無駄な事を考えてしまうのは悪い癖だよなぁ・・・・・・。
「一刀様、どれくらい時間を稼げればいいんですか?」
「ん~・・・・・・・一刻か、一刻半ぐらいで十分だとは思うけど・・・・・・・」
「それなら、申し上げたい策があります!」
「お?軍師らしくなってきたじゃん♪」
「か、かずと様!?か、からかわないでください・・・・・・・」
「ごめんごめん・・・・・・で、どうすればいい?」
頬を少し赤くした亞莎は、そのまま考え付いた策を話し出す。
ふむ、なるほど・・・・・・このまま膠着状態を保っていれば向こうは手段を選ばなくなるか・・・・・・。
確かに、この状態だと外から火でも掛けられればイチコロだしなぁ・・・・・。
そう言った思考にたどり着かせないために・・・・・・か。
全てを話し終えた後、亞莎は申し訳なさそうに俺に謝った。
・・・・・・・・。
まぁ、とうの昔に覚悟は決めてるんだけど・・・・・・誰かから聞いたのかもなぁ。
俺は少し辛そうな亞莎の頭を撫でて一言大丈夫と告げる。
そして・・・・・・・。
「亞莎、指示は任せる!やりたいようにやれ!」
「はい!・・あ、御意!!!」
わざわざ言い直さなくても・・・・・そんな亞莎を見て少し苦笑する。
そして、軽く咳払いをした後覚悟を決めた。
「では・・・・・・・・・・・辰巳中段!!」
「応!」
亞莎の掛け声とともにその位置にいた兵が瞬時に下がる。
するとそこにポッカリと穴が開く。
その穴から見えた十常侍の私兵の頭に矢が突き刺さった。
「次!丑寅上段!!」
「っは!!」
またポッカリと空く穴。
俺はすかさずその穴から見える兵を自身の獲物で打ち抜く。
「次!!・・・・・・・・・・・次!!・・・・・・・・・・次!!」
亞莎が指示するたびに空く穴の先をめがけて次々と矢を放つ。
敵さんからしたらたまったもんじゃないだろう。
隙間なく並べられた盾。
自分達からの攻撃は、その頑丈な盾でガッチリと止められる。
手の出しようがなければいったん引いて様子を見るほかない。
そして引いた所で亞莎の策だ。
亀甲の一部を剥がし、その隙間から俺が狙い打つ。
そして瞬時に開いた穴は再度盾で塞がれ、また別の亀甲を剥がす。
法則性はない。
在るのは盾ののぞき穴から外の様子を見ている兵達の出す、自分の視界の先に敵がいるかどうかの合図のみ。
その合図の中から亞莎が最善を選び出し指示を飛ばす。
法則性が無いと言う事は、敵もどこから来るかわからないと言う事。
矢が飛んでくる事はわかっている、だけど次はどこに飛んでくるのかわからない。
防ぐためには自分自身を常に守りの体制に置かなければならない。
だが、俺はこの広間程度の距離で、人間程度の大きさならどの部位でも外さない自信がある。
狙った兵に当てれないのであれば別の兵を狙うだけ。
人間は五感に頼って生きている。
そのどれか一つだけでも遮断されると、どんなに屈強な人間でも必ず不安になる。
味覚なんかだと大した影響は無いだろうけど、それが聴覚、ましてや視覚だとその感覚が使えなくなるという恐怖は計り知れない。
こういった状況だと、俺は人間の虚をつく事が重要だと思っている。
亞莎は、その俺の考えを最大限に生かした策を考えてくれた。
冥琳が期待を抱いているだけある。
「北郷様!十常侍共があわてています!!」
真正面に位置する兵がそう声を上げる。
あわてる?
今この場で?
まだ十常侍に向かって矢を放っていないはずだけど・・・・・・。
「呂布です!!!宮殿内部から呂布が出てきました!!」
「「え!?」」
「え?まじで!?どうしてここに?」
まずいなぁ・・・・・・・。
「呂布の様子は?」
「片腕に・・・・・・物凄く可憐な女性を抱いております・・・・・・・・・」
うおーい!!
この状況で真っ先に思い浮かんだのは囚われのお姫様。
このまま見捨てるわけにもいかない・・・・・・ならば。
「亞莎、隊の指揮は任せる。董仲穎を保護したら直ぐに離脱しろ!!」
「御意!!・・・・・え?一刀様は!?」
「俺は呂奉先と共に残ってあいつらを抑える!!」
「ですが!!」
「大丈夫、あの天下無双の呂奉先に残ってもらうから死にはしない。
それに、俺は高々一般兵相手にやられるほど弱くは無いはずだ」
「しかし!!!」
「これは命令だ呂子明!!」
「っぅ・・・・・・・・御意!!!!」
亞莎を何とか説き伏せる
その間に呂布は囲まれていたらしい・・・・・。
「よし!!前面展開!!董仲穎を受け入れ次第、蜂針で離脱!!大門にいる本隊と合流しろ!!」
「「「「「「応!!!!!!」」」」」」
俺の掛け声と共に前面に位置していた兵達がいっせいに左右に割れる。
俺は道が開けた瞬間外へと飛び出した。
「呂奉先!!こっちだ!!」
「ん?・・・・・・・わかった」
俺の声に気付いた呂布が手に持った戟で進行方向に位置する兵をなぎ払いあっという間に俺の目の前に到達した。
あれ?なんか助けなんていらない気がしないでも・・・・・・・・。
「・・・・・たすかった」
「え?あ、いえいえ・・・・・。っと、とりあえず董仲穎を隊の中に・・・・・・」
「・・・・・・・・・コク」
呂布はうなずき、放心している董卓を亞莎に預けていた。
それを横目で見ていた俺は、改めて張譲達へと視線を向け直す。
「さぁ、張譲。お前の悪行も此処までだ。今此処で死ぬか、それとも民の前で裁きを受けるか選ばせてやる!!」
「・・・・・・・かずと、恋もあいつ許せない」
呂布に残ってくれと頼むまでも無かったらしい。
横に立つ呂布から怒りが伝わってくる。
俺は必要ないよな?なんて思いながらも、後ろを確認すれば亞莎がこちらを見ていた。
「行け!!亞莎!!必ず任務を成功させよ!!!!」
「御意!!!!!!!!!」
亞莎の悲鳴にも似た返事と共に背後から北郷隊気配が遠ざかっていくのを感じていた。
「さぁ、これで俺達に憂いは無くなったな」
「っは!たかが小娘一匹逃した程度!!!我々にはまだ皇帝が残っている!!此処でお前達を消せば逃げた奴らなどどうにでもなるわ!!」
あー・・・・・・色んなフラグ全開のセリフいただいちゃったよ・・・・・・・・。
実の所、『皇帝が残っている』と言うセリフに不安を感じずにはいられない。
呂布が単身ここに居るということは、影に何かあったと予想できる・・・・・・・・。
まさか、死にはしないだろうけど心配には変わりない。
だが、いくら心配しても今置かれている状況はどうにもならない。
むしろ、此処で十常侍を逃がせば状況が悪化する可能性すらある。
尚更後に引くわけにはいかなくなった。
「残念だが、皇帝も既に俺の部下が救出に向かっている!今頃助け出しているはずだ!!!」
実際のところ詳細はわからないけどな!
俺の言葉を聴いた張譲は、しまった・・・という顔をしてその表情を怒りに染めた。
「えぇい!!!お前達!!呂布と『天の御使い』を殺せ!!!!!!」
張譲の怒声に周囲の敵兵が俺達に剣を向けた。
張譲たちはその隙に広間から逃げ出そうとする。
俺は呂布に視線を送り、弓を構える。
「逃がすか!」
動いた俺を標的に敵兵が向かってくる。
だがその剣や槍は振り下ろす事が許されなかった。
放った矢は扉に手を掛けた十常侍の一人のコメカミを貫く。
向かってきた敵兵は呂布の圧倒的な攻撃に崩れ落ちた。
「っひ!?・・・・・・・な、何をやっている!!!!そいつらを速く殺・・ゼ!ッグフ・・・・」
こっちを向き、兵達に指示しようと口を開いた十常侍の一人。
開いたその口に矢を撃ち込む。
敵兵は圧倒的な呂布の強さに尻込みしている。
「これでは埒があかん!!お前達!私達を守らんか!!!!」
「・・・・・・・させない」
「させるかよ」
呂布は地面に落ちていた敵兵の槍を足で蹴り上げ、手に取った瞬間そのまま十常侍の一人へと投げつけた。
見事に命中したそれは、張譲達が逃げ出そうとした扉に、貫かれた十常侍ごと突き刺さる。
呂布が槍を投げると同時に放った矢は最後に残った十常侍の喉に突き刺さった。
向かってくる兵はなく、残るは腰を抜かし、声を出す事もできない張譲のみ。
「・・・・・・・・・・残るはお前だけだ、張譲」
「・・・・・・・・・ゆるさない、かくごしろ」
呂布と二人、張譲の目の前まで歩みを進めた。
目の前には恐怖に震える男が一人。
その顔は、ありとあらゆる液体でグチャグチャになっている。
そんな男の顔を見てこんな思った事は唯一つだった。
『自業自得』
― 曹操Side ―
「なぁ、秋蘭」
「どうした姉者」
「どうしてあいつらは出てこないんだ?」
「さぁな・・・・・・姉者はどう思う?」
「私か?・・・・・・・・・・暇だと思う」
春蘭の場違いな発言に苦笑する。
でも、確かに的を得ているわね。
確かに私達は暇なのだ。
私達連合軍は、一兵も減らす事無く汜水関を乗り切った。
乗り切った・・・・と言うのは語弊があるわね。
私達連合軍は、一兵も減らす事無く汜水関を通らせてもらった。
私の考えはこうだ・・・・・・董卓軍は何かを待っているのではないか・・・・・と。
私達を疲弊させ、撤退させる事が目的なのか、はたまたどこかからの援軍を待っているのか・・・・・。
今現在も目の前で炎が燃えている。
今回はご丁寧に炎に土を被せて消す事ができぬように、大して深くはないようだが幅の広い堀があり、並々と水で満たされていた。
水の表面には、見るのも嫌になるほどの油も浮いている。
まったく、嫌らしい事をするものね・・・・・・・。
各諸侯は、半分諦めたかのようにそれぞれの陣で虎牢関の様子を見守っている。
そんな中、汜水関で董卓軍に一杯食わされた軍が必死に堀を埋めようと土を運んでいた。
「華琳様、やはり『天の御使い』は此処に居ないようです」
どこからか現れた桂花が、私の耳元でそう呟いた。
いい子ね・・・・・と桂花の顎を指でなぞりながら一人納得した。
この戦、確実に北郷が動いている・・・・・・と。
軍議での孫策の様子からしても間違いない。
孫家は、州牧という立場にありながら、一切表立って発言する事は無かった。
ただ此処に来ているだけ。
孫策は一言も言っていない。
『連合軍に参加する』
この一言を言っていないのだ。
考えてみれば連れてきた将も少ない。
孫策の妹である孫仲謀を見ていない。
江東の虎と名高い孫文台も見ていない。
孫家の宿将である黄蓋や、祖茂、そして韓当は見かけた。
揚州と言う広い土地の所為かもしれない・・・・・・だけど、もしそうだとしても腑に落ちない。
そして、一番の疑問点・・・・・・『天の御使い』北郷一刀が参加していない。
『天の御使い』が参加するだけで孫家の兵の士気は途轍もなく高くなると耳にしている。
戦をするのなら何としてでも参加させたいはず。
だけど、此処に『天の御使い』が居ないと言うことは、孫家は戦をする気が無い・・・・もしくは、戦をする必要が無い・・・・そう考えていると言う事になる。
恐らく後者が正解。
この反董卓連合において、孫家は戦をする必要が無いのだ。
だから、ああやって最後尾に陣取っていると言うわけか・・・・・・・・。
「華琳様、どこか具合でも・・・・・・」
「なんとも無いわ、桂花。それより、もう見張らなくていいと兵達に伝えなさい」
「しかし、それでは敵襲に!」
「問題ないわ。敵は出てこない・・・・・・・・いえ、むしろ敵かどうかも怪しいわ」
「・・・・・・・・・では、そのように」
少し思案した桂花は納得がいったのか礼をして周囲に伝令を飛ばし始めた。
本当に読めないわね『天の御使い』は・・・・・・。
ふぅーっと深く息を吐いて虎牢関を見上げる。
その視界の中に、関の上で動く何かが目に付いた。
「ふふふ・・・・・・何を始める気かしらね」
この先何が起こるのか・・・・・私は胸を躍らせながらその様子をじっと眺めていた。
― 華雄Side ―
「これでは戦の準備をした意味が無いではないか!!!!」
「だから、戦はせんでええっちゅーとるやろ・・・・・・」
「う~・・・・・・・・・むにゃ・・・・・うるさいのじゃ~・・・・・・・・」
「ほら、華雄さ~ん、美羽様が起きちゃうじゃないですかぁ~」
「む?おぉ、すまん美羽・・・・・・・」
私の膝を枕にして寝ている美羽に小さな声で謝る。
ん?どうして私が謝らなければいけないのだ?
私は、月様を狙って攻め寄せてきた連合軍を倒したいだけなのだ・・・・・・。
なのに戦ってはいけないとはどう言うことだ!!
美羽の寝顔を見ながら一人考え込んでいると慌しい足音が聞こえてきた。
「来たのですぞーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「ほんまか!?」
「や~っとですねぇ♪」
「んあ・・・・・・・な、なんじゃ!?何が来たのじゃ!?」
ねねの大声で美羽が飛び起きて辺りを見回している。
「ねね!!美羽が寝ているのに起こしてどうする!!」
「っへ?・・・・・あ、申し訳ないのです・・・・・・って!!それどころじゃないのです!!!
詠から知らせが届いたのです!!」
「本当か!!」
私は、ねねの言葉を聴いてあわてて立ち上がる。
「ぴぎゃ!?」
私の膝に座ろうとしていた美羽が勢い良く跳ね飛ばされて変な悲鳴を上げた。
「おぉ!?す、すまん美羽!!だ、大丈夫か!?」
「いたいのじゃぁ・・・・・・・・」
「あぁ~ん、痛くて泣きそうな美羽様もかわいいですぅ♪・・・・・・・・・・ハァハァ」
私が必死に美羽を慰めている後ろで誰かが喋っていたが、目の前で泣きそうな美羽を放っては置けなかった。
「・・・・・・・話を進めたいのですが」
「あぁ~もう!ほっとき!!で、何てきたんや?」
「こう書いてあるのです・・・・・・一部手違いがあったが策成れり、至急帰還されたし。帰還前に連合軍に伝言頼む」
「一部手違い・・・・っちゅーのが気になるが、まぁ何とかなったっちゅーわけやな?」
「そう言う事なのです!!」
「で、伝言の件なのですが・・・・・・・」
ん?何か視線を感じる。
視線を感じる方へ顔を向けてみると、霞とねねが私を凝視していた。
「あいつでええな?」
「どうせ元気が有り余ってるのです!!」
「ほな、決定や」
「・・・・・・・・・何の話だ?」
あっという間だった。
私は関の最上部に連行される。
「ほら、早くするのです!!これを大声で読むだけなのです!!」
「はよしーや!!さっさと終わらせてうちらも帰るんやから!!」
「なんで私なのだ!!霞!お前でもいいではないか!!!!」
「うちは兵の指揮やら何やらで疲れとる。美羽の枕になっとっただけの華雄は元気がありあまっとるやろ?」
なんていう理屈だ・・・・・・。
「ほら、早くするのです!月殿が待っているのですよ?」
「なんだと!?それを早く言わぬか!!」
月様が待っていると言う事は策は成功したと言う事だろう。
それならばこんな事早く終わらせて、月様の元へ一刻も早く帰還せねば!!
私は連合軍を見下し、大きく息を吸う。
「聞け!!連合軍の者達よ!!!」
遥か下からざわめきが起こる。
「われらは之より洛陽へと帰還する!!!真実を知りたくば、その炎を消しついて来るがよい!!」
私は言い終えて息を吐く。
「これでいいのか?」
「ばっちりや!」
「それじゃねね達も帰るのです!!」
「うむ」
私は同意し、待っていた美羽を抱え上げ関を出るために階段を駆け下りていく。
あとがきっぽいもの
虎牢関 なにもなかった 虎牢関 獅子丸です。
いや、話の流れ上戦闘する必要性が皆無だったので・・・・・・。
呂布も洛陽にいたし。
ってなわけで、早速いきましょうb
最初は一刀くん。
うん、久々に一刀くんが戦ってくれた。
弓をばっすんばっすん撃ちまくっただけですがw
亀甲壁の事ですが、説明は要りませんね。
良くわかんない人はぜひ、アイ!アム!スパルター!!!が合言葉の映画を見てください。
盾好きな人間には感動者のシーンです(ぇ
なんていう名前なのかはわからないので、当初から亀甲壁と勝手に名づけて使っています。
説明も作中にありますが色んな場所を『開けて→撃って→閉める』の繰り返しです。
応用として、内部に弓を持った兵を複数入れれば戦場に突如、小さな射撃用砦ができる感じ。
んで、呂布さん登場しました。
本当は一刀と戦わせようかなぁって思っていたんですけど呂布の攻撃に一刀の手首が耐えれるはずもなく・・・・・・。
そこで思いついたのが共闘b
ある意味完璧な布陣な気がw
寄る者は全て呂布がなぎ払い、一刀が狙った獲物を確実に撃ち落す。
弱点は弓の一斉射撃ぐらいかな?
呂布なら払い落としそうな気がしますけど・・・・・・・。
張譲含め、十常侍南無。
残念な人たちは残念な最期を遂げました。
後悔はしていません。
所詮、小悪党。
フラグ回収しただけだと思われます。
さて、お次は曹操さん。
いや、やっぱり曹操さん。
聡いです。
そして堂々としてます。
これがあの勢力との大きな違いです。
気になったことは直ぐにでも可能な限り調べる。
そこから答えを導き出すと言うその姿勢。
流石覇王。
そんなお話。
最後は無事生還確定した華雄さん。
うん、お守り頑張れ!!
そして今後も生き残っておめでとう!!
美羽のお守り頑張ってください!!!
・・・・・・・・。
あれ?大して書くことないや・・・・・・。
と言うわけで、今回はこの辺で。
次回も
生温い目でお読みいただけると幸いです。
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第四十一話。
あっという間に反董卓連合が終盤近くまで進んだ気が・・・・・。
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