No.225241

恋姫外史・あるところに一刀第37話

アキナスさん

そして舞台の幕は上がる

2011-06-28 15:24:43 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:10343   閲覧ユーザー数:7666

白帝城に向かった魁・呉連合軍

 

その道中で見たものは・・・

 

「・・・どう思う?冥琳?」

 

「罠、だろうな。間違いなく」

 

雪蓮の言葉に即答する冥琳。

 

そこにはズラッと石像が並べられていた・・・というか石像で壁が出来ていた。

 

入り口はあるが、明らかに怪しい。

 

避けて通る事もできないようだ。

 

「・・・どうしようか?」

 

白蓮が華琳に訊ねる。

 

「・・・とりあえず、偵察させてみましょう」

 

華琳の意見を受け、白蓮は偵察部隊を送った。

 

呉からも明命を中心とした部隊が派遣される。

 

そして・・・

 

 

 

「申し訳ありません・・・あちら側への出口は見つかりませんでした・・・」

 

明命の部隊は戻ってきた。

 

しかし魁の偵察部隊は一向に戻ってこなかった・・・

 

「・・・どうしたもんかな~~~」

 

「こんなのはどう?」

 

華琳の提案

 

それは進むたびに糸を垂らして行く、と言うもの。

 

つまりタルタロスの迷宮作戦とも言うべき者であった。

 

実際、兵士達が戻ってくる事は出来るようになったのだが、以前として進む事はままならない状態であった。

 

石兵八陣

 

孔明の作ったこの陣により完全に足を止められた連合軍であった・・・

 

 

蜀軍は白帝城城内にて対策を練っていた。

 

「足止めは出来るとしても、いつまでも止められる訳ではありません。攻撃の策も考えないと・・・」

 

「・・・でも、この兵力差を覆す策があるの?朱里ちゃん」

 

孔明の言葉に疑問の声を上げる黄忠。

 

「・・・・・・」

 

無言の孔明。

 

正直そのような策は無かった。

 

いくらなんでも兵力差があり過ぎる。

 

そして将、軍師の数においても・・・

 

数だけだったらまだ何とかなったかも知れないが、質に関しても侮れない者達ばかりである。

 

頭を悩ませる孔明、そして鳳統、詠の軍師組

 

そんな中

 

「・・・どうして、こうなっちゃったんだろうね?」

 

劉備がそう呟いた。

 

「こんな戦い、したくなかったのに・・・」

 

「桃香様・・・」

 

関羽が劉備の言葉に何か言おうとするが

 

「・・・・・クッ!」

 

かける言葉が無かった。

 

実際、この中の誰もがこの戦いを望んではいなかった。

 

同盟の条件とされていた一刀の問いへの答え

 

皆が真剣に悩んでいる中もたらされた北郷一刀襲撃の知らせ

 

そして魁からの使者の殺害未遂

 

次から次へと自分達のあずかり知らぬ所で起こる出来事

 

そしていつの間にか追い込まれていた自分達

 

何故こうなってしまったのか

 

答えられる者はいなかった・・・

 

 

「・・・いっそ降伏しちゃおうか?」

 

「桃香様!?」

 

その言葉に関羽は声を上げる。

 

「だって、やっぱりこの戦いは間違ってるよ。私達の戦う理由が見えないんだもの。ただ目の前の状況を何とかしようって抗って、勝算の無い戦いに兵の皆や民を巻き込んで・・・私達はこんな戦いをする為に今まで頑張ってきたんじゃない!!そうでしょ!?」

 

桃香の叫びが響いた。

 

場に静寂が満ちる。

 

「・・・しかし、降伏したとしても私達は・・・」

 

暗い顔で言う孔明。

 

「・・・私の命で収まらないかな?」

 

「何を言っておられるのです!?桃香様!!」

 

「そうなのだ!!お姉ちゃんが死ぬなんて、そんなの駄目なのだ!!」

 

「桃香様を死なせるくらいなら、私があの者共を!!」

 

関羽、張飛、魏延と皆口々に劉備の意見を否定する。

 

「・・・残念ですが、桃香様の命だけでは収まらないと思います」

 

孔明はハッキリとそう言った。

 

「魁は使者の件もあるけど、アイツが死ぬかも知れないっていうのが一番痛いわね・・・」

 

詠が目を伏せてそう言う。

 

一刀と一度は同じ陣営で共に過ごしたのだ。

 

思う所はあるだろう。

 

月も悲しそうな顔をしている。

 

「呉に関してもそうです。北郷さんは孫尚香さんと婚約していたと言う話です。という事は呉の人達にとっては家族も同然。あの国はそういう繋がりが人一倍強い所ですから、今回のような事を簡単に許してくれるとは思えません・・・」

 

鳳統も暗い表情でそう言った。

 

考えれば考えるほど崖っぷちに立たされていると自覚する将達。

 

結局何も決まらぬまま、時は過ぎていく・・・

 

 

ヒョウ!

 

ズドーン!!

 

ヒョウ!

 

ズドーン!!

 

「うう・・・気持ち悪い・・・」

 

「シャオも・・・もうダメ・・・」

 

飛んでは落ちて、飛んでは落ちて

 

近道の為に川や谷も何のその

 

貂蝉と卑弥呼の人間離れしたスピードと跳躍力

 

そして煙る汗の匂い、筋肉の感触、揺れ

 

一刀と小蓮はもう何時吐いてもおかしくなかった。

 

「・・・あら~~~ん?」

 

「・・・どうした?」

 

貂蝉の声に一刀が訊ねる。

 

「先に来すぎたみたいねん」

 

貂蝉の視線の先

 

見えるのは白帝城

 

「どうしましょうかしらん?ご主人様?」

 

「・・・あそこに劉備はいると思うか?」

 

「守将は確実におると思うがのう・・・」

 

一刀の問いに卑弥呼が答える。

 

「うぷ・・・行こう。あいつらが着く前に話がしたい。話の分かる将なら少しは取り合ってくれるかもしれん・・・即殺そうとしたら逃げればいいしな・・・」

 

「了解よん!しっかり捕まっててね~~ん♪」

 

そして貂蝉と卑弥呼は大地を蹴った・・・

 

 

ズドーン!!

 

城の天井が崩れてくる。

 

「な、何事だ!?」

 

関羽が声を上げ、劉備を守るように前に立つ。

 

他の将もそれぞれに武器を構えて警戒する。

 

「ウッフ~~~~ン!!」

 

「フンヌ~~~~~~!!」

 

この世のものとは思えない叫びと共に二つの巨大な影が降り立った。

 

「「「「ヒッ!!」」」」

 

その姿を見た瞬間、大多数の人間が怯えた。

 

それも仕方ないだろう

 

片や紐パンを履いた筋肉ムキムキの大男、そしてもう片方も表面積の少ないブラにフンドシと言ういでたちの常識を遥かに超えた生き物だったのだから・・・

 

「・・・ふぅ」

 

「・・・はあ」

 

バタッ!と月、鳳統が気絶する。

 

「き、貴様ら!何者だ!?」

 

動揺しながらも叫ぶ関羽

 

「あらん?アタシの名前?アタシは貂蝉。大陸一の踊り子よ~~ん♪」

 

「ワシの名は卑弥呼!漢女道の永遠の探求者!!」

 

そして二人は抱えていた人間達を下ろす。

 

「俺の名は華佗!ゴットヴェイドーの継承者だ!」

 

華佗は自己紹介した。

 

そして

 

「「・・・・・・」」

 

一刀、小蓮は蒼い顔をして立っていた。

 

「か、一刀!?」

 

詠は一刀を見て信じられないと言った風に名を呼んだ。

 

「どうして貴公がここに?毒矢を受け死の瀬戸際と聞いていたが・・・?」

 

「・・・・・・」

 

趙雲の言葉にも一刀は答えない。

 

あくまで立っているだけだ。

 

「貴様!何とか言ったらどうだ!?」

 

魏延が詰め寄り、一刀の胸倉を掴んで持ち上げる。

 

そして

 

「・・・ウッ」

 

 

 

 

一刀は頬を膨らませ

 

 

 

 

 

「ゲロゲロゲロゲロ~~~~~~・・・」

 

 

 

 

 

魏延にゲロをぶっ掛けた。

 

 

 

 

 

「ウワアアアアアアア~~~~~~~!!」

 

 

 

 

 

魏延の悲痛な叫びが

 

 

 

 

 

城中に

 

 

 

 

 

 

響き渡った・・・・・・・

 

 

 

どうも、アキナスです

 

ああ・・・今回こそ戦争になると思いきや、とんでもない事に・・・

 

この収拾、どう着けたらいいんでしょう・・・?

 

作者にもまるっきり見当がつきません

 

・・・まあなるようになるでしょう

 

それでは次回に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「リボルケイン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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