No.220751

真・恋姫無双「新たなる地と血」第5話

第5話です。
司馬懿が一刀に告げた言葉とは?

2011-06-04 22:53:40 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5500   閲覧ユーザー数:4521

「だから死なないようにするために私が鍛えてあげます。」

「へ?」

「私一人であなたを守るにも限度がありますし、常に傍に居るとは限らないでしょうからね。

 だから死なないまでも生きる為の護る技術を身に着けていただきます。」

最高の笑顔だった。前の台詞が無ければの話である。

「ちなみに司馬懿さんはどの位の強いんでしょうか?」聞かずには居られなかった。

だが聞かなければよかった。

「はい、あなたが居た外史の呂布さんより強いです。うーんもうちょっと詳しく言うと貂蝉様や左慈様と呂布さんの間ぐらいでしょうか?」

可愛く小首をかしげながらとんでもない事を答えていく。

(!!外史の管理人は化け物か?!)

「あら、こんな可愛い子を捕まえて化け物だなんて酷いですよ。」

「だから心を読まないで!それに自分で可愛いって言ってれば世話ないですよ。「読んでないです、北郷さん

すぐ顔に出るんですもん。」うぐ。」

「私可愛くないですか?」

一刀に近寄り瞳をうるうるさせて上目遣いで聞いてくる司馬懿に思わず、

「可愛いよ」と答えていた。

「本当ですか?」

「ほんと、ほんと。すごい可愛いよ。」だが言った瞬間後悔した。

「やったー!可愛いって言ってもらったー!」大喜びしている。

(やられた…)がっくりと膝付く一刀

言わされたと言っても過言では無いこのやり取り、

普段なら何気なく言う言葉なのだが意識して言うと流石の一刀でも恥ずかしいらしい。

見える人ならば司馬懿の頭上には『YOU WINN』の文字が、一刀には『YOU LOSE』の文字が掲げられていたであろう。

一通り喜び終えて本題に戻るように司馬懿は

「当分は基礎体力の向上等からです。最低でもフルマラソン1時間30分切る位の体力が目標です。」

「いや!無理!!っていうかさせる気!?」

当然とばかりうなずく。

「な!?マラソン選手でも2時間切れないのにさらに1時間30分を切れだなんて無理だよ!」

「千人抜きするんですからそれぐらいの体力は必要ですよ。」

さらにとんでもない事を言ってくる。

「千人抜きって自衛のレベル超えてるよ。俺にどこまで強くなれと?」

「最低でも呂布さん、最高でも貂蝉様まで辿り着いてもらいたいです。

 なぜなら先ほども言いましたがあなたは特殊な存在。左慈様のような否定派にとっては邪魔な存在なのです。

 故に命をまた狙われるかもしれませんから。」

一転して真面目な口調で説明がされる。

「邪魔って…」

「否定派の者達にとってそういう存在なのですよ、北郷さんは。

 それに正義なんてものは一人一人違いますからね。

 あなたが居た正史でも、以前にいた外史でも全員が全員同じ正義を持っていましたか?」

「・・・・・・」

確かにみんな違う正義を、信念を持っていた。それゆえに戦が起った。

俺も正義を、信念を掲げ戦に身を投じた。

違う正義、信念を押し通すため力を振るう。

負けて死んでしまえば正義や信念なんて語れない。

それがなんとなくわかり、とりあえず納得する。

俺も殺されるつもりは無いため、

「どこまでやれるかわからないが俺を鍛えてくれ。

 俺は叶う事なら生きてみんなに会いたい。」

おれの決意に満足そうに頷くと司馬懿は

「勿論鍛えて強くなってもらいます。

 後の願いについては私ではどうしようもないですが

 叶う事を共に願いましょう。」

こうして新たに降り立った大地での決意を胸に俺の鍛錬が始まった。

鍛錬初日

 

「今日から始める訳ですが、北郷さん。実力と体力見たいんでまず私に攻撃してきてください。」

「え?!でも君みたいな女性に攻撃なんて(ガスッ!)痛」

「あなたの攻撃が私に当たると思ってるんですか?忘れてませんか、私はあなたの知っている呂布さんよりも強いんですよ。はっきりと言っておきますが今のあなたの実力じゃ私に攻撃が当たるなんて事はまず無いですから。」

司馬懿によって鍛錬用に用意された木の棒で俺の頭を叩いてくる。

一応学校では部活で剣道を、爺ちゃんには剣術を習って多少なりとも武を齧っているんだが、当たらないなんていわれると流石にこれは凹む。

前いた外史でも愛紗たちと鍛錬で力量の差を思い知らされていたけどまた改めて言われると泣けてくるなあ。

しかも恋より強いって言うんだもん。ドンだけボコボコにされるんだろう、俺・・・

以前いた外史での鍛錬は主に愛紗に吹き飛ばされ、鈴々にド突き回され、星に投げ飛ばされ、

翠の馬に振り落とされたり等々、おおよそ鍛錬とは呼べないものだった。

あれは鍛錬と言う名のいじめだった。

嗚呼前の外史での鍛錬を思い出したら泣けて来たorz

 

「どうしたんですか?早くしないと日が暮れますよ。」

凹んでる俺を他所に鍛錬用の木で肩を叩きながら待つ司馬懿。

程なくして気を取り直して木刀を構える。木刀と言っても旅で使う杖を木刀代わりしてるんだけどね。

「今回私からは攻撃はしません、私は受ける・捌く・避けるの行動しかしません。

 北郷さんは私が良いと言うまで攻撃し続けてくださいね。」

「わかりました。行きます!」

自分自身に気合を入れて木刀を握り剣激を放つ。

 

元々ペース配分をするなといわれていたため全力で木刀を振るった結果、

一刻どころか半刻も持たなかった。

「ぜえ・・・、ぜえ・・・ごほ!ごほ!」

休まず動き続けたためのどが渇きむせかえって来る。

「はいお疲れ様です。」

そんな一刀に司馬懿は水の入った竹筒を渡す。

それを受け取り一刀は流し込むように水を飲む。

そんな様子を見て司馬懿は一刀に

「北郷さん、元々剣道をしてらしたので剣筋は悪くないですよ。

 ただ、素直すぎて読み易いですね。一兵卒辺りとなら渡り合えますが

 部隊長や将などでは歯が立ちませんね。」

う、それは前にも散々言われていた。直そうとしたが結局直らず今現在にいたる訳だ。

「おまけに攻撃軽いですし。」

次々駄目出しされどんどんHPが削られていく。俺もう一桁しか残ってないですよ・・・

 

「体力は一兵卒に敵いませんし。長期戦は不利ですねえ。

 今後の北郷さんの強化育成の方針ですが。

 ・体力(フルマラソン1時間30分切るスタミナ)

 ・筋力(攻撃力、防御力)

 ・観察眼(相手の剣筋の見切り、弱点など)」

涙目になって行く一刀を尻目に司馬懿は止めの一撃を放った。

「 ・・・何だ全部じゃないですか。」

「ぐはーーー!!」

HPはゼロになった。北郷一刀は力尽きた・・・

「おお北郷よ、死んでしまうとは情けない。そなたにはもう一度チャンスを与えよう。

 そなたが○王を打ち倒し平和を取り戻してくれると信じているぞ。では行ってまいれ。」

「・・・なんであんたがそれを知っている?」

「さあ何ででしょう?」

司馬懿はニコニコと笑って惚けて一刀の突っ込みを流していく。

その姿に呆れつつ聞いてみる事にした。

「それで強化方法は?」

「体力を付ける為にはなんと言っても走りこみですね。最初は8里(約4km)ぐらいからかしら、

 あとは基礎トレーニングの腕立て伏せ・腹筋・背筋・スクワット辺りを100回3セットぐらいでしょうか?」

「まあギリギリの範囲ですね。」

「ええ、最初はこんなものでしょう。でも慣れてきたら増やして行きますし、時間制限も設けましょう。」

「了解です。」

息を整えた一刀は司馬懿に向き直り再び木刀を振るい始めた。

こうして一刀強化育成計画が始まった。

おまけ

 

「ところで何でアレを知っているんですか?」

先ほどのアレが気になったので一刀は司馬懿に聞いてみた。

「アレ?・・・ああ、アレは正史で生活しているときに遊んでましたから。」

「は?正史で生活していた?遊んだ?」

意外な答えがかえって来た。

「ええ、研修のために正史で生活してましたよ。バイトなんかもして面白かったですよー」

司馬懿は外史の管理者かと思うような事を喋り出した。

「何でそんな事を?」

「研修は正史での生活を体験し何が流行り、どのような事がおきるかを観察

 それによってどういった外史が派生するのか、またどのように対応すれば良いかを考える事を

 目的としています。その一環で正史での生活があるんです。」

「・・・なんか色々と大変なんだな、外史の管理者って。」

外史の管理人の生活の意外な一幕が見えた。

あとがき

先ず最初に一言、一刀の鍛錬メニューには突っ込みを入れないでくださいm(_ _)m

自分は昔これ位やってたかなー、といううろ覚えな記憶から引っ張り出してきたものですから。

ので大目に見てやってください。既にそういう事から身を引いたもんですから・・・

あと、恋や司馬懿達の武に関しては自分の中では

 左慈=貂蝉>>>>司馬懿>>>>>恋>>>>>>>>>>愛紗、春蘭

と言う勝手なランク付けをしています。左慈なんか愛紗達五虎大将軍を余裕で相手してましてからね。

 

ではではまた次回~


 
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