No.219714 真・恋姫無双 例え総てを失っても 7話2011-05-31 00:09:11 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:4331 閲覧ユーザー数:3419 |
一刀が姿を変えたのに誰もが驚愕していた。
特にその変わった姿「三国滅亡の世界の思春」を見た呉の面々はその姿に驚いた。
「・・・どういう事なのだ。北郷が姿を変えたのもそうだが・・・なぜ「思春」の左腕がないのだ!!」
蓮華が話したとおり一刀が変身した「三国滅亡の世界の思春」は左腕のない隻腕だった。
皆が驚いている中、遅れてきた黄叙と周公が静かに話し出した。
「あの甘寧は一刀様と同じ・・・いや、一刀様以上に過酷で残酷な道を歩んだ」
「思春さんは・・・思春さんは「仲間」の死を全て目の前でみています」
「「!?」」
二人の言葉に場の全員に緊張が走った。
「思春さんは五胡との戦闘に最も参加した将と言ってもいいと思います。その中で思春さんが呉の人達や蜀・魏の多くの将の死を目の当たりにしてます。・・・そしてあの腕は私達が始めて五胡の王と対峙した時に受けた気弾で失いました。小蓮お姉ちゃんと共に。三国の将で唯一「亡骸」すら残らず殺されたんです。小蓮おねえちゃんは。・・・その頃からですね、思春さんの心が壊れたのは、なんせ小蓮おねえちゃんに突き飛ばされたおかげで腕一本失うだけですんだのですから」
黄叙の話に皆が驚愕した。
特にこの世界の思春には衝撃だった。
「守るべき孫家の小蓮様が自分の身代わりに死んだ。それも亡骸が残らないほどの攻撃を受けて」
三国滅亡の世界で起こった事実に思春は体を震わせていた。
「思春さんは例えるなら「誰よりも死を恐れ、誰よりも死を望んでいた人」でした。日常ではいつも何かを恐れて震えているようになりそれでも仲間が戦場に行くのだからと自分も戦場に出て・・・まるで殺されるのを望むような戦い方をしていました。・・・それでも仲間が目の前で死んでいくのに自分だけは生き残る。彼女は自分を呪っていました。そんな思春さんを変えたのも一刀さんでした。・・・どうやったのかまでは分かりませんが」
黄叙がそう話すと周公は苦笑しだした。
「ふふふ。その理由はですね、あまり他人の私から話すべきではないとは思いますが・・・一刀様が甘寧をお抱きになったのですよ。長い旅の中で唯一抱いた人ですね。・・・彼女はある日一刀様にこう言ったらしいです「もう一度私に生きる勇気を与えて欲しい。迷惑なのは分かっている。・・・例え愛のない行為でもいい。人の温もりを感じたい。取り戻したいんだ、生きる勇気を」と一刀様はそれを受け入れたそうです。・・・一度だけ私があの世界に行ったときに話してくださいました。「華琳達にばれるのが怖いな」と冗談を言いながらも「彼女には進んでほしいから。前へと」とおしゃっていました」
周公の話に誰もが驚いていた。
だが其処には羞恥や嫉妬と言う物はなかった。
「・・・生きる勇気を・・・か」
それは誰が呟いた物だったのだろうか、誰も聞き取れなかった。
皆が「三国滅亡の世界の思春」の話をしている中美羽と「三国滅亡の世界の思春」はただ見つめ合っていた。
暫くそれが続いていると
「・・・不思議なものだな。一刀様を生き返すために命を捧げた私と同じく一刀様に命を捧げた美羽の記憶を受け継いだこの世界の美羽とこうして会い見えるとはな」
「まさか一刀様にこんな力まであるとは驚きなのじゃ・・・ところで思春よ、得物はどうするのじゃ?」
美羽の問いに「思春」は黙って右手を前に出した。
すると「思春」の右手が光り出し、魂切が出て来た。
「どうやら一刀様は我等の武器まで取り込まれたようだ。・・・我鈴は砕けもう音が響く事はない。今の我はただ・・・亡き友達の為に魂を狩る者なり!!」
思春が魂切を構え走り出した。
美羽もそれに合わせ動いた。
美羽対「三国滅亡の世界の思春」が今始まった。
後書き
戦いまでいってない!?
なんて事は分かってたんですけどね、これ以上は一度に書けませんww
次こそは戦闘に入ります。
「三国滅亡の世界の思春」の最後の台詞でお分かりになられると思いますが、「三国滅亡の世界の思春」の武器は鈴音ではなく明命の魂切に変わってます。
鈴音を失った思春は亡き友の明命の魂切を受け継いだという設定です。
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