三姉妹は舞台を終えて、天幕に入った。
「はぁ~、疲れた」
地和はドサッとイスに腰掛ける。
「気持ちよかったね~~」
天和もその横に座る。
「はい、姉さん」
そう言って地和にお茶を渡す人和。
「ありがと、ゴクッ、ゴクッ・・・ハー、この一杯が一番よねえ」
「ちぃ姉さんはしたない」
「も~、人和は細かすぎ」
「人和ちゃん私も~~~」
「はいはい・・・・どうぞ、天和姉さん」
「ありがと」
そんな風に一息ついていた所に
「失礼します!」
天幕の前に黄巾兵が立った。
「何ですか?」
「はい、うちの兵でみなさんにお会いしたいと言うヤツが来たんですが・・・・」
「いつものファンでしょ?ちぃ達はお休み中だから、引き取ってもらってよ」
「はぁ・・・・・でしたら一言伝えてほしいと」
「な~に~?」
「また勝負しに来た、とか」
・・・・・・・・
「ちぃ姉さん、その人って・・・・」
「アイツかなあ?やっぱり」
「その人連れてきてくれる~~?」
「は?・・・わ、分かりました」
そう言って兵士は走っていった。
「まだあの人と決まったわけじゃあ・・・」
人和が天和に訴えたが
「でも人和ちゃん、私達が勝負した人ってあの人くらいじゃない?」
「そうだけど・・・・・・」
「そうね、いまのちぃ達が前とは全然違うって事を教えてあげようじゃない!」
「・・・・姉さんたちがそう言うなら」
それから少しして・・・・・・
来たのは予想通り、一刀であった。
「よぉ、久しぶり」
「やっぱりアナタだったんだ~、ひさしぶり~」
お互いに手を上げてあいさつする一刀と天和
「ふふん!どうよ、今のちぃ達は!あの時とは比較にならないでしょう!」
胸を張って地和が言う
「ああ、今勝負したら負けるかもな」
「あったりまえじゃない!」
「・・・・それで、本当のご用件は?」
人和が一刀に、そう問いただした。
「え?勝負しに来たんじゃないの?」
地和が人和にそう訪ねるが、その前に
「ああ、じゃあ単刀直入に言わせてもらうが・・・・」
「死にたくなかったら、黄巾党を解散しろや」
「ハァ?何言ってんのよアンタ!自分が私達より人気が無いからって僻みはやめてよね!!」
地和は激怒していた。
黄巾党の解散
それは今まで自分達がやってきたことを全て捨てろと言っているも同然だったからだ。
「・・・・・・・・・・」
しかし、一刀は何も言わない
ただ真剣な顔で三人を見つめている。
「ちょっと!何とか言いなさ「ちぃちゃん」姉さん!何よ!」
地和の言葉を天和が遮った。
「訳を聞いていい?」
天和も、いつに無く真剣な表情になっていた。
「ああ、その前に俺も聞きたい事があるんだが・・・・」
「・・・・何ですか?」
人和が答える。
「お前達、何で黄巾党を作ったんだ?」
「ちぃ達の歌で大陸を制覇するためよ!」
地和が怒り冷めやらぬまま答える。
「・・・・・そいつは面白いなあ、俺もやりたいもんだ」
「ふん!やっぱりちぃ達への嫉妬だったのね、もう入れてやるもんですか!とっとと出て行きなさい!!」
「言いたいことが言い終わったら出て行くさ・・・・」
一刀は少しの間目をつぶり、再び話し始めた。
「お前達、大陸を制覇するんだって言ったなあ?」
「それがどうしたのよ?」
「それは・・・・」
「大陸の人たちの涙の上でか?」
「な、何を言って・・・・・」
「黄巾党の奴らが何をやってきたか、首領のお前達が知らない訳が無いよなあ・・・・」
「「「・・・・・・・・・」」」
三人は何も言えなかった。
「弱者への暴行、略奪、殺人。これを続けて大陸制覇したとして、最後には何が残るんだろうなあ?」
多分、残るものは死体の山と負の感情
怒りと、悲しみ・・・・・・
一刀は更に続ける。
「まあ、どうしても続けるっつーなら止めねえよ。俺はおまえらにそんな事言いに来たわけじゃあ無いしな」
「・・・では、何をしに?」
人和の言葉に
「ああ、ちょっと待ってろ・・・・・」
そう言って一刀は持っていたナップサックをごそごそ漁り、何かを取り出した。
「コレを見せに来たんだ」
そう言って一刀が見せたのは、所々焦げてボロボロになった人形だった。
「・・・・・それは?」
人和の問いに一刀は
「・・・・・・俺が歌いに行った村が、俺が出て行った後、黄巾党に襲われてな」
そして、
「これは、俺の歌を聴いてくれていた女の子が死ぬ前に抱いてた人形だ」
どうも、第四話投稿です
今回で黄巾編終わらせるつもりだったんですけど、続いちゃいました(テヘッ)
多分次で黄巾党編終わります。
最後に
自分の作品を見て下さり、ありがとうございました!
それでは次回に・・・・
「ゴッドハンドスマッシュ!!!!」
Tweet |
|
|
86
|
3
|
追加するフォルダを選択
ついに再会する一刀と三姉妹。
その先に待っていたものは・・・・・・