No.218830

恋姫外史・あるところに一刀第5話

アキナスさん

非情な現実を突きつける一刀

三姉妹の回答は・・・・・

黄巾編クライマックス!

2011-05-26 11:20:44 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:12040   閲覧ユーザー数:9017

そこに言葉は無かった

 

天和は下を向いていて、顔は見えない・・・・

 

地和は自分の体を両腕で抱きしめるようにして震えている

 

そして人和は、平静を保とうとしているがわずかに震えているようだった。

 

人は悪事に関わっていたとしても、身近で行われ、直接見なければ罪悪感を感じる事はない

 

あくまで別世界の出来事として割り切ってしまう

 

それも仕方ないのかもしれない

 

人の現実とは、あくまでその人が見ているものだからだ・・・

 

そして人は目を背ける

 

人間とは、ズルイ生き物だから・・・・・・・

 

「・・・・どうすれば」

 

天和が下を向いたまま言う

 

「どうすれば・・・いいんですか?」

 

「知らんよ。お前らはどうしたいんだ?」

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

三人は、一刀の顔を見て言った。

 

「「「私達は・・・・・・・・」」」

 

 

 

 

その日、また彼女達のライブが行われた

 

 

 

「皆~~、今日は聞いてほしい事があるの~~!!」

 

「ちぃ達は今日で・・・・・」

 

 

「「「黄巾党を解散します!!」」」

 

・・・・・・・・・・

 

その場が静まり返る

 

そして

 

「「「「「ええええええええええええ!!!!!!!!」」」」」

 

黄巾兵達は、信じられないと言う叫びを上げた。

 

「いやだーーーーーーーー!」

 

「やめないでくれーーーー!」

 

悲痛な叫びが聞こえてくる

 

その声を舞台の影から聞いていて、一刀は思った。

 

(あの三人の歌は、コイツラにとっての希望だったんだ)と

 

 

 

「みんな、勘違いしないで~~~」

 

「ちぃ達は歌うことを辞めるわけじゃないの~~~~」

 

「・・・・だから、話を聞いてください」

 

・・・・・・・・・・・

 

三人の言葉に、ファンたちは静まり返る

 

そして、三姉妹は話し始めた

 

自分達の願いを・・・・・・・

「私達は、大陸制覇が夢でした・・・・・・」

 

「でも、それは大陸の人たちを笑顔で満たしたいと言う願いがあったの」

 

「今までやってきたことは、その笑顔を踏みにじってきただけ・・・・・」

 

「「「だから」」」

 

「「「私達は」」」

 

「「「力ではなくて、歌だけで大陸制覇をしたいと思います!!」」」

 

・・・・・・・・

 

会場はシーンとしている

 

「だから、これが黄巾党最後の解散ライブです」

 

「聞いてください、私達の歌を」

 

これは、今日一刀が三姉妹に教えた自分の世界の歌

 

「・・・曲名は」

 

 

 

 

 

「「「さよならの街角!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブの直前

 

 

 

「一刀さん、これを・・・・・」

 

そう言って人和は、一冊の本を渡した。

 

「・・・・これは?」

 

一刀が訊ねると

 

「太平要術の書・・・と言います」

 

「何かやばそうな本だな」

 

「・・・・・これが、黄巾党を作った原因です」

 

人和が苦々しい声で言う。

 

「この書には人心操作の方法も載っています」

 

「・・・・そういうことか」

 

おかしいとは思った。

 

ただのアイドルである三人がこれだけの兵士達を統率できるわけがない

 

そのファクターがこれだったということか

 

一刀はそう思った。

 

「で?これを俺に渡してどうするつもりだ?」

 

「・・・・・私達にはもう必要のないものですから」

 

「ふーーーーん」

 

「あ、ちょっと待って!」

 

地和が本をサッと取って、その中の1ページを破る。

 

「これは必要でしょ?」

 

人和はそれを見て、

 

「ええ、確かに」

 

そう答えた。

 

「なんだ、そのページは?」

 

「私達の声を大きくして、皆に届けるためのモノよ」

 

つまり、現代で言うマイク機能だ。

 

「じゃあ、行ってくるね~~~」

 

「そこでしっかり聞いてなさいよ、ちぃ達の歌を!」

 

二人がステージに行く中、人和が

 

「あの・・・・」

 

「なんだ?」

 

「・・・・・ありがとうございました」

 

「・・・・礼言われる事はしてねーよ」

 

「・・・・・クスッ」

 

少し笑って、人和もステージに上がっていった。

 

照れ隠しだとわかったんでしょう

 

「うっせーよ!」

 

・・・・・だったら気づかれんじゃねーよ

 

「やるか!!」

 

やったろーじゃねーか!作者怒らすとどうなるか教えてやらあ!

 

「上等だ!」    ドカッ!バキッ!ズゴッ!・・・・・・・・

 

 

 

とまあ、そんなことがあったとさ。(ボロッ・・・)

 

 

 

 

 

そして、歌も終わりに近づいていた・・・・

 

「あ~ふれ~る~お~もい~を~だ~き~し~めて~」

 

「ああ、な~みだ~のふ~かさ~をし~~って行く」

 

「さよな~ら~の~ま~ち~かど~~~」

 

・・・・・・・・・

 

歌が終わった

 

会場に聞こえるのは男達の嗚咽

 

泣いていない人間は誰一人としていない

 

それほどの力が、彼女達の歌にはあった。

 

術を使わずとも・・・・・・

 

 

「みんな~~今までどうもありがと~~~!」

 

「これからもちぃ達頑張るから!」

 

「・・・・応援してください」

 

そして・・・・・

 

 

「「「「「「「「ほああああああああああああああああああああああああああ!!!ほあ!ほあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」

 

ほああああああの大合唱が起こった

 

そして、

 

 

 

 

黄巾党は、そのほとんどが解散したのだった・・・・・・・・・

どうも、第五話投稿しました

 

ようやく黄巾党編終わりです

 

この後のことで、ちょっとオマケを書くつもりです

 

それと、今回の曲が分からない方は赤い光弾ジリオン・歌姫夜曲で検索してくだされば引っかかると思います

 

マニアックなネタですいません

 

それでは次回に・・・・・

 

 

 

 

 

「アル・フェニックス!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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