【甘寧 side】
袁術との会見を終えたあとの一刀様は、毎回暗い顔をする。
どうやら幼い袁術を利用していることを気にしておられるようだ。
「はぁ~、俺って悪人だな…」
とつぶやいていたので、皮肉を込めた返事をすると、どうやら傷ついたらしい。
どうやら一刀様は、私が、袁術が呉を取り込んだことについて怒っていると思っているようだ。
確かに呉を利用するのは気に食わないが、そのことで怒っているのでは無い。
袁術の奴、毎回毎回何かにつけて一刀様の膝の上にのりおって!
なんてうらやm……ごっほん。
一刀様も一刀様で何も言わずにそのままとは、破廉恥だ!
…とりあえず一刀様を励ますと、一刀様はなにやら吹っ切れたような顔をした。
私は一刀様を守るのみ。…ただそれだけだ…
雪蓮様の屋敷に戻った後、早速軍議が開かれた。
洛陽に送った間諜が帰ってこず、都の様子がわからないようだ。
そのため詳しい情報を調べるため、洛陽に明命がゆくことになった。
明命は武では劣るが、諜報活動は私より長けている。必ずや有益な情報を持って帰ってくることだろう…
反董卓連合の合流地点に到着し、指定された場所で天幕を張ることにした。
冥琳様は連合の軍議に参加しに行ったが、帰ってくるととてもつかれた顔をしていた。
どうやら軍議の内容はとてもひどいものだったようだ。
その後雪蓮様の提案で、雪蓮様と冥琳様は劉備の陣へと向かわれた。
残った私たちは再び陣構築の準備を進めた。
少し経つと門兵がこちらにやってきた。どうやら一刀様に客が来たようだ。
するとこちらに3人の女がやってきた。
真ん中の金髪の女が一刀様に声をかけると、一刀様はとても驚いた顔をした。
「えっ?…もしかして、華琳か?」
「貴様!!華琳様の真名を呼ぶとは!!」
一刀様はどうやら声をかけた女の真名を呼んだらしく、女の後ろに控えていた黒髪の女が一刀様に斬りかかろうとした。
こちらも鈴音を構える。
しかし主人である金髪の女に止められ、黒髪の女は武器をしぶしぶ下ろした。
どうやら金髪の女・曹操は一刀様の私塾時代の級友であったようだ。
久しぶりの再会のようで、一刀様と曹操は再会を懐かしんでいるようだ。
すると曹操が突如、
「私のところに来ない?一刀」
と言い出した。
私は驚きのあまり、思わす声が出てしまった。
それを聞いた黒髪の女・夏侯惇が
「なぜです!華琳様!このような男がいなくても私がいれば十分です!」
「貴様!一刀様に対してそのような口の聞き方を!」
私は鈴音を構え、夏侯惇を威嚇した。主である一刀様を侮辱するものは何人たりとも許せぬ!
しかし一刀様になだめられしぶしぶ私は鈴音を下ろした。
どうやら曹操は自身の覇道の為に一刀様の才を欲しているようだ。
一刀様が断ると、あっさりと引いた。
劉備の所から雪蓮様たちが戻ってこられ、何かなかったかと聞かれると、一刀様は何も無いと笑顔で答えた。
…なぜ曹操の事を言わないのですか?一刀様……
【孫策 side】
使者を送り、早速冥琳と劉備の陣へと向かうことにした。
すると入り口に4人の女の子が居た。
「あなたが劉備?」
「はい!…あなたが孫策さんですか?」
他の3人より少し前に立っていた女の子が劉備のようだ。
徳の高い人物だと聞いていたけど、なんだかぽややんとした子ね…
「ええ、孫策。字は伯符よ。呉の王をしているわ」
「私は劉備玄徳をいいます。よろしくおねがいします、孫策さん♪」
とりあえずの挨拶を済ますと、
「…あの、それでご用件とは?」
「とりあえずは挨拶。…それと提案があるのよ」
「提案ですか?」
「あなた達先鋒になったわよね?でもあなたのところ兵数が少ないでしょ。
そこで私たちと手を組まない?」
「えっ!?でも、そんな事して、孫策さんに何の特があるんですか?」
「……今私達呉は袁術の客将に甘んじているわ。でもこのままで終わるつもりは無いわ。
そこで外の味方が欲しいのよ」
見た目と反対に意外としっかりしていた劉備に驚きつつ、私は事情を素直に言う事にした。
「……わかりました。でも私は孫策さんを信用できるかどうかまだ判断出来ません」
「信用を見せろと?わかったは、私たち孫呉の戦い振り、しかと目に焼き付けなさい!」
「わかりました」
私は劉備に背を向けるとそういった。こうして劉備と共闘することになった。
私たちの陣に戻ると一刀たちは天幕の準備を終えようとしていた。
「何か、変わったことはなかった?」
「ううん。問題ないよ」
一刀の笑顔にはやっぱり癒されるわー。
今回は4話を思春と雪蓮の視点から書いてみました。
思春のヤキモチ、伝わりましたか?
美羽もなかなかの策士です。好きな人へのアピールは欠かさない?
思春も一刀の膝の上に座れる日は来るのでしょうか…
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今回は4話の裏側です。
思春と雪蓮の視点から見た4話となっています。
序章と1話の閲覧ユーザー数が千人を超えたのに驚いた!