No.217820

真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 5話

lovegtrさん

第5話です。
汜水関の戦い突入!!
今回は関を守る張遼の視点も入ります。

2011-05-21 01:33:16 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:7221   閲覧ユーザー数:5638

「と言う事で、劉備といっしょに戦うことになったわ」

劉備の陣から帰ってくると、雪蓮姉さんは俺たちを集め、早速結果を報告した。

まだ本格的に手を結ぶのではなく、今回は劉備たちの信用を得るため、一緒に戦うことになったらしい。

劉備は徳の高い人物と聞く。

この戦いで劉備の信用を得ることが出来れば、強力な助っ人となるだろう。

「…それよりも明命の奴、遅いな。そろそろ戻って来ても良いのだが……」

冥琳が心配そうな声で言った。

確かにそろそろ戻ってこなくては連合の攻撃に間に合わない。

無いとは思うが、今まで帰って来なかった間諜のこともあり、もしもの事を心配する。

「すいませ~ん!遅れました!」

「噂をすればだな…無事戻って来たか。ご苦労」

そんな話をしていると、洛陽に潜入していた明命が戻って来た。

「で?洛陽の様子はどうだった?」

「はい。噂通り街は荒み、民たちは飢えに苦しんでいました。でも…」

「でも?どうしたの?」

姉さんは明命に続きを促した。

「はい。…実際に皇帝陛下を操っているのは董卓ではないようなのです」

「「「え?」」」

その場に居たみんなが疑問の声を漏らした。

「どういう事だ?明命?」

「実際に裏で操っているのは十常侍の張譲のようです」

「張譲だと!?奴は前の宦官粛清で死んだはずでは?」

「死んだのはどうやら影武者だったらしくて、洛陽から諸侯は引き上げるのを見計らって今度は董卓を隠れ蓑に悪さをしているようなのです…」

「董卓の部下達はどうしたんだ?主が悪者にされて黙っていないだろ?」

俺は疑問を聞いてみた。

周りの家臣が、主君である董卓の悪名が広がるのを良しとしないはずだ。

「それが、董卓は宮の奥に監禁されているようなのです。

それで董卓の家来達は張譲の命令を仕方なく聞いていると言う状態です」

「そうか。董卓には悪いがこれで私たちに義があることは証明できるな」

「そうね」

少し冷たいが、この時代仕方がないと言うように冥琳と姉さんは言った。

「……」

俺は少し考え事をしていた。

「それで汜水関での初戦、どうする?私たちと劉備のところを合わせても、相手の兵の方がはるかに多いわよ」

姉さんは話題を替え、汜水関での戦いについて考えを冥琳に聞いた。

「そうだな…汜水関は難攻不落の関。そこに篭られると、打つ手なしね。

一刀は何か考えはないか?」

冥琳は俺を試すように聞いてきた。

「そうだな…斥候の情報によると関を守るのは、張遼と華雄だそうだ。

張遼についてはあまり知らないが、華雄は昔母さんと戦って負けている。だから…」

俺は策をみんなに言った。冥琳は正解だ、という顔をしていた。やっぱり試したな…

「じゃあ、一刀の策で行きましょ。みんな出陣準備よ!」

「「「応!!」」」」

こうして俺達は汜水関に向かうことにした。

【張遼 side】

「おうおう。敵さん、ぎょうさんおるな~」

「ふんっ。あいつらなど私が叩きのめしてくれる!」

うちが城壁から反董卓連合の軍を眺めて話していると、隣に居た華雄が返した。

「おい、華雄。言っておくけど打って出ようなんて考えるなよ。

うちらにはこの難攻不落の汜水関がある。地の利はこっちにあるんや」

「…わかっておる。しかし私は悔しいのだ…あの心優しい董卓さまを討とうなどと…」

本当は張譲のせいやのに、月っち…董卓の悪政で洛陽はあれてるということになっておる。

「…うちがもっとしっかりしとったらこんな事にならんかったのに……」

「それは私も同じだ…くそっ!」

死んだと思っとった張譲に隙をつかれ月っちを監禁されて、うちらは仕方なく奴の言う事を聞くことになった。

「…それより今は目の前の戦いやな。

この戦いが終わったら張譲には報いを受けてもらう!」

そう決意し、うちは目の前の敵に再び目を向けた。

 

連合の先鋒の軍が陣形を整えると、ひとりの男が馬に乗って前に出てきた。

「何や?あいつ。けったいな服きとんなー」

出てきた男は日の光を反射して、光っていた。なんや、不思議やな。

男はこっちの矢は届かないギリギリのところまで来ると、

「関を守る華雄よ!!我が母・孫堅に負けたお前は関に篭るしか出来ない臆病者だ!!

もし違うのなら孫堅の息子である孫仲謀と戦うのだ!!

……いや、無理だろう!!恐怖に震えるお前では俺を倒すことは出来ない!!」

まずい!!武に絶対的な自信を持つ華雄や!あんな事言われたら黙ってられへん。

それに因縁ある孫家に言われたんやからなおさらや。

「オイ!華雄…「許せん!!!!」なっ!」

「我が誇りを傷つけることは許さん!華雄隊出るぞ!…止めるなよ、張遼」

~~~!くそっ!!

「誰かおる!うちらも出るで!華雄隊を見捨てるわけにはいかん!」

まっとれよ!華雄…早まったことしたアカンで!

【張遼 side end】

「来た!」

関で動きがあった。どうやら挑発は成功したようだ。

急いで自分の部隊に戻った俺は、

「敵が来るぞ!各員迎撃準備!

張遼は劉備に任せて、俺たちは華雄を叩く!…行くぞ!!」

「「おぉぉぉおおお!!!!!」」

城門が開き、漆黒の華一文字・華雄が出てきた。

華雄はよっぽど悔しかったのか俺の方に一直線にやってくる。

「あれじゃあ猪と罵られても仕方がないな…」

「ええ。だからこそ今回の策、成功したのです」

「そうだな…でも、その悔しさは、晴らしてやらないと。

…華雄との一騎打ちはおれがやる」

俺がこう言うと思春は目を見開き、

「なっ!?危険です!!一騎打ちなら私が!」

「いや。これは俺が献策したものだ。責任では無いが、華雄との戦いは俺がやらなくてはいけない。わかってくれ。…それに俺は負けないよ、思春」

できるだけ平静に、優しく俺は言った。

「華雄隊と衝突しました!華雄はまっすぐこちらに来ております!」

伝令の言葉によると、どうやら華雄は他の隊員をおいて、ひとりでこちらに来ているようだ。

「わかった。じゃあ行ってくるよ」

俺は思春に笑顔で言い、前に振り向き華雄の元に向かった。

 

「貴様が孫権だな!!先程の私への侮辱の報い、受けてもらうぞ!!」

「華雄…その首貰い受ける。孫仲謀、参る!!」

そう言って俺は剣を静かに抜いた。

汜水関の戦いが始まりました。と言ってもまだ始まったばかりです。

今回の戦い、一刀くんはあの華雄さんと一騎打ち!どうなる?

一刀は華雄に勝てるのか?この戦いはどうなるのでしょう。

 

話は変わりますが、先日TINAMIのトップページの右下にランキングというものを発見!

なんとなく見てみると、注目ルーキーの所に私の名前が!しかも1位!?

どういう事だ!!孔明の罠か!?上げて落とすと言うことか!!

…いや、素直に嬉しいです。これもみなさんのおかげです。ありがとうございます。

これからもぜひ応援してください。

では、また!!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
67
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択