No.210361

真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第23話

黒山羊さん

久しぶりの更新です。
忙しい忙しい。忙し過ぎて更新が遅れる。楽しみにしていた人お待たせしました。23話です。
初めて読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。

第1話

続きを表示

2011-04-06 23:33:56 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2833   閲覧ユーザー数:2509

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、

セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです

 

 

 

 

視点:甘寧

 

宮殿には西側からなら簡単に侵入できそうだ。

おそらく、軍資金が少ないうえに、反董卓連合対策に費用を費やしているのだろう。

見張りの数は少ないうえに、城壁の補修も出来ていない。

私は城壁の崩れているところを利用して宮殿に侵入する。

とりあえず、この宮殿の全体像を把握するために色々な所を周ることにした。

まず、宮殿の南側に行った。

 

「なんだ、これは?」

 

正面から見た宮殿の形が歪だったのだ。宮殿は東と西で形が全く違った。

 

宮殿の東側は豪華という一言で表すことが出来る。

柱は朱色に塗装されて、塗り壁は白い、瓦は黒光りしている。おそらく、最近かなりの費用を使って改築したのだろう。さらに、掃除も行き届いているのか、渡り廊下に落ち葉の1枚も無いうえに、床石がかなり磨かれていた。

さらに、庭は綺麗に整備されており、雑草は生えておらず、池にはコイが泳いでいた。

人も多く、その殆どが豪族か有力者だろうか、飢饉で食べ物が少ないにも関わらず恰幅が良く丸々と太っている者が多く、何かを持て来ている。ある者は模様の入った壺を、ある者は馬を、またある者は奴隷をつれている。

 

それに対し、西側は荒んでいた。

柱は朱色の部分が残ってはいるが、ほとんどの柱は塗装がはがれ木の色をしている。塗り壁は薄い灰色になっており所々ひびが入っていた。瓦も所々無くなっている。

さらに掃除はされていないようで、落ち葉で床石が見えなかった。

庭も整備されていない。人が隠れることができるぐらい雑草が伸びてしまっている。

人も少ない、最初は無人なのかと思ってしまうほどだった。

 

私は宮殿全体を定点で観察できる場所を探してみた。

警備の人間が来ない所が好ましい。そして、宮殿全体を見渡せる場所は…

 

「とりあえず、今日は此処から観察だな。」

 

私は西側の庭の背の高い雑草の中に身を隠した。

ここなら、警備の者は来ないようだ。さらに、今私の居る場所は東側にも近い。西側、東側の両方を監視することが出来る。

 

宮殿に来る人間のほとんどは東側に用事があるようだ。西側への来客は居ないと言ってもいいほど人は来ない。

来客はほとんどが賄賂と思しき荷物を持った豪族か有力者であった。ごく稀に鎧を着た董卓軍の兵士や民と変わらないような質素な服を着た人が城門と西側との間を走っていた。

 

「まず、西側の調査をするか。」

 

監視が少ないから、警備はお粗末。先にこちらを攻略するか。そうすれば、東側の調査をスルときに、西側の逃げ込める場所が把握できるだろう。

 

私は夜になるまでその場で待つことにしよう。その間に、宮殿の中の人間を把握する必要があるな。

鎧を着ている奴はおそらく下っ端。普通将ならば、好きな武装を許されるはずだからだ。

質素な服を着ている奴が董卓側の宮殿内部の人間だろう。だが、今ここで結論を出すのは危険だ。

数も少ない。顔を記憶しておこう。

 

 

 

 

 

夜になった。

私は立ち上がる。三刻も同じ体勢でじっとしていたため、関節がゴキゴキとなる。

 

「さて、宮殿西側の屋敷の調査に行くか。」

 

昼間、宮殿の周りを周った時に庭と宮殿の大きさや外観は完全に把握していたので、次に宮殿の西側の構造を調査するために、闇の中を無音で移動する。

 

四半刻ほど探していたら、同業者らしき人物を発見した。

だが、腕はそんなに良くないな。音を立てすぎた。

反董卓連合側の人間で董卓を暗殺しようとしているのか?

それとも張譲側の人間で董卓側の人間の監視をしているのか?

今は接触したくないな。

反董卓連合側ならば接触して始末しても構わないが、張譲側の人間だった場合、始末すると張譲が何かしらの行動を起こすことによって、董卓救出が困難な状況に陥るかもしれない。

接触するかどうかは鳳統と相談して決めるか。

 

今は、宮殿西側の構造を調べるとしよう。

宮殿西側は簡単な造りだったので、すぐに把握できた。だが、どの建物がどういう目的で建てられたものかは分かっていない。

夜の人の動きをまだ把握していないのだから、今は止めておこう。

何時誰が何処を通ったかを長期間に調べて、規則性を把握するとしよう。

 

「あの女、さっきも見たよな。」

 

その女は眼鏡をかけて深緑の髪を2つに分けて三つ編にしていた。服装は民が来ているような服装だ。

私は何故か違和感を感じたが、すぐに分かった。服装が違った。

さっきは、軍師らしい服装をしていた。

 

さっき見つけた間諜はどうやらコイツを見張っているようだ。

コイツが董卓なのか?

 

今日の宮殿調査はここまでにしよう。

宿に戻って情報の整理をしよう。

私は宮殿に侵入した所から脱出し、追跡されていないことを確認し、宿へと戻った。

 

 

 

 

視点:周泰

 

私は張譲の屋敷の調査です。

見張りの数は多いですが、雑です。鎧を着た見張りだけなら、簡単に侵入できそうです。ただ、問題は民の姿をして張譲の屋敷の周りに居る見張りです。こんな有力者の屋敷が建ち並ぶ高級住宅街に民の姿をした監視が居るのでしょうか?

 

今はこの物陰から張譲の屋敷付近にいる人を観察していますが、貢物でしょうか?豪族か有力者らしき人達が張譲の屋敷の前に並んでいます。

 

1刻程この物陰から監視し続けましたが、相変わらず張譲の屋敷への来客が多いみたいです。

民に変装して張譲の屋敷周りを監視している人を探していますが、今の所さっぱり分かりません。

 

「どうしましょうか?」

 

何かわざと騒ぎを起こして炙り出し作戦もいいですが、今は止めておきましょう。

やるなら、鳳統さんの了解を得てからの方が良いですね。

とりあえず、夜まで此処で張譲の屋敷の監視です。

 

 

 

 

日も暮れて、明りは屋敷の明りのみとなりました。

張譲の屋敷に侵入してみましょう。

絶対見つかってはいけません。見つかったら、董卓が殺されるかもしれないからです。

夜になってもやはり警備はお粗末で、簡単に侵入できました。

 

天井裏に侵入して屋敷の構造を把握しましょう。

私は屋敷の中でも人気のない建物に来ると天井裏に侵入しました。屋敷全体が繋がっているので、侵入さえできてしまえば何処へでも行けそうです。

私は天井裏を歩き回る。天井裏を歩く時の注意点は天井裏の床を歩かない。床板は薄いので、軋む音が出てしまう。音が出るだけならば、運が良ければ助かる。でも、天井裏の床板が割れてしまった場合はどうしようもない。

下に落ちて見つかってしまう。

だから、私は天井裏の柱の上を歩くようにしている。

 

そして、天井裏から屋敷の部屋を調べる為には覗き穴が無いと見ることができません。

私は天上の床板に錐で穴をあけて覗きます。

 

今覗いているこの部屋は客間のようですね。明かりがあり、酒の匂いが天井裏にまで伝わってきます。それに話声が聞こえてきます。

 

「さすがは、張譲様。

あの正体不明の董卓の正体を暴き、董卓を人質にとって、忠誠心高いの董卓軍の将を思いのまま動かし、宮中の全てを掌握するとは恐れ入ります。」

 

「僕がちょっと本気を出せばこの通りさ。

僕の影武者が僕の指示通り動いて、頑張ってくれているおかげで万事上手く行ってるよ。

ハッハッハッハッハッハ!」

 

「しかし、張譲様。我らはこのままで大丈夫なのでしょうか?

反董卓連合という者達がこの洛陽に攻め入ろうとしているのですよ。我らは逃げなくても大丈夫なのでしょうか?」

 

「ああ、あの連合ね。

あの連合を呼んだの、僕なんだよ。」

 

「え!何故そのような事を?」

 

「最近税収が減ってきているだろ。

長安と洛陽の民は根性がないから、税金が払えないって言うんだ。

もちろん、農地を捨てて脱走した農民はそれなりの罰を与えているから、最近は脱走農民が減ってきてはいるんだけど、飢饉で餓死していく農民が増えてきて困っているんだ。

だから、馬鹿の袁紹に洛陽に上京する機会を与えたんだ。」

 

「なるほど。

それで今度は袁紹を人質にとって、袁紹の部下に言うことを聞かせて、河北一帯も手中に入れようってことですね。

そうなれば、河北、長安、洛陽に袁家は張譲様の物。

そして、次は袁術と客将の孫策。最後にあの憎き金髪グルグル娘ですな。

アイツさえ倒してしまえば、この大陸は張譲様の物と言う訳ですね。」

 

「そうだ。

だから、僕達は此処を離れる必要から、ゆっくり酒でも飲んで次の操り人形が登場するのを待っていればいいんだよ。」

 

「さすが、張譲様!我らも安泰ですな。」

 

「そうだね。袁紹が来るまで今はやること無いけど、来る直前に董卓を宮殿に戻さないとね。

連合の馬鹿達に殺させるためにさ。

僕達が殺しちゃったら、連合が暴走するかもしれないでしょ?連合に終止符を打たせるには連合による董卓の処刑が必須なんだ。」

 

「そこまで、お考えでしたか。

ところで、張譲様。董卓を見てみたいのですが、宜しいでしょうか?」

 

「まあ、趙忠の頼みだったら良いだろう。こっちに来るが良い。」

 

そういうと、張譲と趙忠は客間から出て行きます。私は付けようとしましたが、天井裏の窮屈さが追跡を妨害します。張譲と趙忠は見失ってしまいました。

しかし、董卓は此処にいるみたいです。

そして、張譲本人はこの屋敷に居る方で、張譲の影武者は宮殿に居る方ですね。

 

今日の調査はここまでにしておきましょう。

私は屋敷の人気のない所に出ると天井裏から降りて、張譲の屋敷から脱出しました。

私は遠回りをして、私を追跡してくる者がいないかどうか確かめると宿へと戻りました。

 

 

 

 

視点:雛里

 

私とジェネシスさんは昨日晩御飯を食べた屋台のよく見える別の所で昼食をとっています。

私は例の屋台をばれない様に本を読む体制で監視をしています。

ジェネシスさんは椅子に深く座ったままピクリとも動きません。私はジェネシスさんに声をかけます。

 

「あの、ジェネシスさん、大丈夫ですか?」

 

「ああ、起きてる。」

 

「私は寝ているのかと聞いてはいませんよ。」

 

「……。」

 

「ごめんなさい。ちょっと言ってみただけです。だから、無視しないでくだしゃい。」

 

私はジェネシスさんに無視されたのかと思い、必死謝ります。

好きな人に無視されたら悲しいです。

目からジンワリと塩水が出てきました。

私は泣いていません。グスッ。

 

 

 

 

 

 

「ああ、起きている。」

 

会話が成立しません。

 

「……。」

 

「………。」

 

「…………。もしかして、寝てました?」

 

「イルカという動物は海を泳ぐ動物なんだが、時々水面から鼻を出して空気を吸わなければ死んでしまう。

故に寝るときは半分眠り、半分起きて泳ぎ続けることが出来る動物らしい。」

 

「……、それと今どういう関係があるのですか?」

 

「俺もイルカと同じ事をしていただけだ。」

 

要は半分寝ていて、半分起きていたということですね♪

良かった。私を無視していたんじゃなくて、寝ぼけてたんですね。

無視されていたら、私……。

 

「ところで、屋台に動きはあったか?」

 

「いえ、今のところは…。」

 

「ここの屋台の監視だけでは反董卓派や反張譲派の拠点を探すのに時間が掛かり過ぎてしまう。

別の方法を考えないか?」

 

「あわわ!  そ、そうですね。

だったら、まず、洛陽の街を散策してみましょう。反董卓派や反張譲派が人集めをするような集会をしているかもしれません。

そして、その集会で何かの競い事をやっているのなら、それに参加して好成績を出して、目立ちましょう。

そうすれば、反董卓派や反張譲派の人達が声をかけてくるかもしれません。」

 

「なるほど。それで行こう。」

 

私は席から立ち上がり、屋台の店主さんに支払いをすると店の前で待っているジェネシスさんと一緒に店を出ます。

此処は南の方と比べると人はいますが、平原の都に比べると人は少なく、店に並んでいる商品の種類は少なく、数も豊富とは言えません。

本屋に行っても、高価な書簡は1つも無く、安い竹簡しかありません。ジェネシスさんの目を盗んで八百一を探しましたが、1つも置いてありません。

米屋の米の量は少なく、値段は高くて平原の1,5倍はしていました。

 

「山賊からうばtt…善意で頂いたお金が結構あると言っても、ここまで値段が高いと4人の衣食住に使うと資金がすぐ底をつきそうですね…。」

 

「あと、どれぐらいは持ちそうだ?」

 

「宿代1カ月分は先に支払ったので、問題ないのですが、食事代が掛かり過ぎてしまいます。

何か対策を取らないと…。

方法としては2つ。

何か商売をするか、董卓さんの軍師の賈駆さんから援助をしてもらうかです。」

 

「俺は剣術以外には何も落ち合わせていない。だから、さっさと賈駆と接触するぞ。」

 

「そうですね。5日以内に賈駆さんとは接触したいです。

私達の資金も食事代だけなら、10日は持つのですが、当然食事以外の出費もあるので、5日までには………。

ですが、接触の時期の判断は甘寧さんと周泰さんから今日の調査報告を聞いてからです。

それより、民達の集まりそうな所を探して、反董卓派か反張譲派と接触しないとです。」

 

しかし、どうしましょう?

反董卓派や反張譲派と接触するのは良いとして、どのように扇動するかです。

武の御遣いが董卓と張譲を成敗しに来たと言えば扇動はしやすいのですが、そうすると洛陽に武の御使いが来たということが広まり、反董卓連合に参加した諸侯は桃香様の事を不審に思い、攻めてくるかもしれないです。

特に曹操さんにはばれたくないですね。

残念ながら、孫策さんの所にはばれてしまいましたが……。

さらに、張譲に武の御使いが洛陽に居ることがばれたら、張譲は逃げてしまう恐れがあります。確実に仕留めて、今後ジェネシスさんの命が狙われないようにしないと……。

 

「雛里。」

 

「どうしたんですか?ジェネシスさん?」

 

ジェネシスさんは急に立ち止まり私に声をかけてきます。私はジェネシスさんを見るとジェネシスさんはあっちを見ろと目で言ってきます。

私はジェネシスさんの言う通りの所を見ると人だかりが見えました。

私とジェネシスは人だかりに向かいます。

 

「腕相撲ですか。参加しましょう。ジェネシスさん。」

 

「わかった。」

 

私はこの腕相撲の主催者らしき人物に声をかけます。

参加を1度払えれば、2度まで同じ暫定王者に挑むことが出来るらしく、挑戦者が居なくなるまで続けます。そして、最後の王者が償金を貰えるというものです。

 

「ジェネシスさん、大丈夫ですか?」

 

「問題ない。」

 

ジェネシスさんは興味なさそうに言います。

それからというものジェネシスさんは快進撃をします。ジェネシスさんが暫定王者の倒したのを見た人達は人海戦術を使って、ジェネシスさんが疲れるのを待とうとしますが、ジェネシスさんはあっさり全員倒してしまいました。

 

「優勝者は林豪!」

 

司会者は高らかに宣言しますが、ジェネシスさんの圧倒的な強さを垣間見た人達は項垂れています。「あの人強すぎだろう…。」や「勝てる気がしねえ…。」等、戦意を失っている人が多いです。

賞金は結構多いですが、参加費と人数を考えてみれば総取りじゃないみたいです。

おそらく誰かのお金になるのでしょう。

司会者のものになるのか?会場の店のものになるのか?

 

それとも、反董卓派の資金源になるのか?反張譲派の資金源になるのか?

 

私とジェネシスさんは腕相撲の会場のお店で飲茶を始めました。

誰か声をかけてくるかもしれないからです。でも、誰も声をかけてきません。

 

は!そういえば、今は甘寧さんと宮殿の調査、周泰さんは張譲の屋敷の調査で居ません……。

そして、誰も声をかけて来ない……。

 

これって傍から見たら絶対に逢引きに見えますよね?

あわわ!急に恥ずかしくなってきました///////。

何か気のきいた事を話して、ジェネシスさんとの距離を一気に詰めないと!

でも、何の話をすればいいでしょう?

ジェネシスさんは『らぶれす』を読んでいます。しかも翻訳版。

そうだ。『らぶれす』の話をすれば良いんだ!

 

「林豪さん!」

 

「なんだ?」

 

「あの、りゃびゅりぇしゅがlhんあふぁうgh!」

 

「落ち着け。まず座って茶でも飲め。」

 

「……はい。」

 

ジェネシスさんは『らぶれす』に目を向けたまま言います。

はあ、折角二人っきりなのに進展しない。どうすれば、私を妹扱いするジェネシスさんは私を女性扱いしてくれるのでしょうか?

私はお茶を飲みます。

 

「あちゅ!」

 

お茶が熱すぎました。

好きな人の前でかっこ悪い所を見せてしまいました。あわわ…どうしよう?何かしないとジェネシスさんに嫌われちゃうかも…。

 

「大丈夫か?鳳健。火傷はしてないか?」

 

鳳健というのは私の偽名です。

それより、ジェネシスさんに心配されちゃっています。

どうしましょう?距離を縮めるどころか。距離が離れたかもしれません。

はう……落ち込みます。あいかわらず、自分に自信を持てません。

どうしたら上手くジェネシスさんとの距離を縮めることが出来るのでしょうか?

私に魅力ってあるのでしょうか?

 

「林豪さん。」

 

「なんだ?」

 

ジェネシスさんは『らぶれす』に目を向けたまま返事をします。

 

「私は自分に魅力があるとは思えません。だから、自分に自信が持てないんでしゅ。」

 

「そうか。」

 

「私はどうやったら自信を持つことが出来ますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は前提条件を間違っている。」

 

「え!?前提条件ですか?」

 

「そうだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は魅力的だ。」

 

「!!」

 

ジェネシスさんは私のことを魅力的だって//////

恥ずかしいです//////

 

「そ、その……、私の魅力って何ですか?」

 

私は帽子で顔を隠しながら、ジェネシスさんに聞いてみます。

ジェネシスさんは本を読みながら答えます。

 

「内面的な魅力は優しくて努力家であること。

外見的な魅力は愛らしいことだ。保護欲を駆り立てられる。」

 

「そんにゃ//////」

 

好きな人にここまで褒めちぎられると、とても恥ずかしいです//////

 

「そして、俺にとってお前は特別な人だ。」

 

私のことを特別な人!?

もしかして、ジェネシスさんは私のこと好きなんでしょうか?

でも、優しくて努力家で愛らしいなら朱里ちゃんの方が魅力的だと思います。

だから、どうして特別なのか私はジェネシスさんに聞いてみました。

 

「ジェネイスさんにとって私はどうして特別なのですか?」

 

「あの世界は妖になった俺を否定した。だが、お前は俺のアレを見て驚きはしたものの、俺の存在を否定しなかった。

そして、お前は関羽を説得してくれた。

初めて心を落ち着かせて留まることが出来る場所をお前は俺に与えてくれた。

だから、お前は俺にとっての止まり木だ。

だが、お前はとても折れやすい止まり木だ。だから、お前のそばでお前の支えになってやりたい。」

 

カアアアアアア。

私は更に顔が赤くなります。

とても恥ずかしいです//////ジェネシスさんが私の支えになりたいって言っています。

これって私を異性として見てくれているのでしょうか?

ドキドキ

 

「だから、お前は俺の…」

 

私はジェネシスさんの……//////

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妹のような存在だ。」

 

「…………。」

 

いもうと?

好きな異性じゃなくて?

いもうと?

 

私はため息が出てしまいます。

はあーーーー。

泣きそうです。

今の感情を漢字2文字表すなら『落胆』です。

 

私はジェネシスさんに異性として見られていないようです。

私はジェネシスさんに異性として見られたいんです。どうしたら、ジェネシスさんは私を異性として見てくれるのでしょうか?

ジェネシスさんはどんな異性が好きなんでしょうか?

私は聞いてみました。

 

「ジェネシスさんの好みの女性ってどんな女性ですか?」

 

「それを知ってどうする?」

 

「妹としては気になるんです。」

 

ホントは異性として気になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の好みの女性は無い。」

 

「ない?」

 

「ああ。」

 

困りました。

好みがハッキリしているなら、そういう格好とかするのですが、無いと言われると困ります。

私は更に落ち込みます。落ち込むのはやっぱりジェネシスさんの事が好きだから…。

 

あの腕でギュって抱きしめてくれないかな?

接吻してくれないかな?

あんなことやこんなことしたいなあ。ああ//////

 

妄想の世界に入り浸っているとジェネシスさんは立ち上がり、私に声をかけてきます。

 

「鳳健。眠いから宿に戻るぞ。」

 

「は、はい。」

 

私も立ち上がると宿へと向かいました。

宿まで終始無言。

そして、宿に戻るとジェネシスさんは寝始めました。

私は宿に戻ると甘寧さんと周泰さんが帰ってくるまで、『対ジェネシスさんふらぐ建設計画』を考えたので、書簡に纏めたので、帰ったら朱里ちゃんに見てもらおう。

 

 

 

 

久しぶりですね。黒山羊です。

 

更新が遅れた理由は3つ。

1、大学院が始まった。

2、現在執筆中の『焔耶のアブノーマル日記』に苦戦している。

3、雛里とジェネシスの絵を描いているのだが、絵の種類が違いすぎる為ジェネシスを描くのに苦戦している。

と言った所です。

 

1、 大学院のガイダンスが今日ありました。

また明日から10時7時で大学に行きます。

 

2の作品は焔耶のキャラが崩壊しています。

ヤンデレと痴女属性になっています。

その内うpします。

 

3はジェネシスが描き終えたらうpします。

しかし、作者は絵が途轍もなく絵が下手です。ペイントツールは使ったことがないので、シャーペン、筆ペンで描いています。

あまり期待しないでください。

 

 

話は23話に戻しましょう。

雛里とジェネシスの微妙な距離を表現するために今回の話を載せました。

ってか、ジェネシスと雛里は思春と明命が必死に潜入している最中に何をしている?

 

では、次回をお楽しみにしていて下さい。

 

 


 
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