No.204289

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part16 都にて

見習いAさん

戦乱再来

2011-02-28 23:24:39 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3660   閲覧ユーザー数:3333

「伯珪殿、伯珪殿はいずこか!」

 

「おう、どうしたそんなに慌てて」

 

「伯珪殿一大事です。外をご覧ください」

 

「外を?」

 

部下の様子を見るにただ事じゃないみたいだな

うう、妙な胸騒ぎがするぞ

 

窓から大通りを見下ろすと

大きな荷車の行列が都を横断していた

 

「これはっ!」

 

「呉です。贈られた宝物を呉が晋に送り返したのです」

 

「これじゃ宣戦布告みたいなもんじゃないか。それで、蜀から伝令は?」

 

「まだ何もありません。しかしいつでも脱出できる準備をしておくべきです」

 

「むぅ、そうだな、皆、いつでも都を出れる準備をしてくれ」

 

呉と晋が開戦となれば蜀も無関係では済むまい

桃香、お前はどちらにつくんだ?                  

成都

 

「お目通り頂きありがとうございます桃香様。本日は呉よりの使者として参りました」

 

「ご苦労様明命さん。今日はどう言ったご用件ですか?」

 

「は、孫策様より、呉は晋との戦争準備段階に入ったことをお伝えします。どうぞこちらを」

 

「え?」

 

明命さんから受け取った書状は確かに孫策さんからの物だった

確認した書状を朱里ちゃんと雛里ちゃんにも見せると

二人とも驚いた様子

 

「明命さん、戦争準備に入る経緯を詳しく教えてもらえますか?」

 

「はっ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なんと卑怯な!」「許せないのだ!」

 

愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも、話を聞いた皆が怒ってる

私だって晋さんのやり方は酷いと思う

 

「朱里ちゃん、雛里ちゃん、どう思う」

 

「はい、呉が晋と開戦となれば、蜀も傍観しているわけにまいりません。

第一に、晋の強大さです

魏の頃、富国強兵のもと魏の勢力圏は平和維持と共に軍備の増強も行われました

私達は政変によって、軍備、内部共に一枚岩ではないと考えていたのですが

調査の結果、想像以上に晋はまとまりを持っていることがわかりました

その兵力、国力を問題なく運用できるとなると、明命ちゃんには言いづらいのですが・・・

呉だけでは勝ち目がないと言っていいでしょう」

 

「あわわ、第二に、呉が敗北したら大陸は晋と蜀のみとなります

蜀一国で晋を止める事は不可能です

ここ成都へ晋の大軍が押し寄せるのは火を見るよりも明らか」

 

「以上のことから選択肢は3つです

一つ、呉と共同戦線を張り、対晋戦に参戦する

一つ、晋と共同戦線を張り、呉を攻め滅ぼし、天下二分の実現を目指す

一つ、静観を決め、戦後、晋と決戦を行う」

 

「・・・・・わかったよ朱里ちゃん。・・・・・明命さん」

 

「は、はい」

 

「雪蓮さんに伝えてください。蜀は呉と共にあり、呉が戦うなら蜀も共に戦います!」

 

「ありがとうございます!」                     

勤めを果たせた明命さんは喜んで呉へ帰還した       

「姉上、呉を説得し、双方和睦を目指すことはできなかったのでしょうか」

 

「う~ん、雪蓮さんの性格を考えるとそれは無理かなぁって」

 

「・・・・そうですね」

 

「おおーっし、やるからには徹底的にやってやる!蒲公英、修行の成果みせてやるぞ!」 「おー!」

 

「あ、翠ちゃん、翠ちゃんにはお願いしたいことがあるんだ」

 

「あたしに?」

 

「うん、翠ちゃんにしかできないことなの、白蓮さんを迎えに行って欲しいんだ」

 

「あ、そっか、白蓮、都にいたんだな。すっかり忘れてたぜ」

 

「翠ちゃん・・・・それでね、翠ちゃんの馬術なら一番早く都にいけるし、万一の時白蓮さんを守ってくれると思って」

 

「そういうことなら仕方ないな。蒲公英、騎馬隊の調練頼んだぞ」

 

「任せといてよ。脳筋部隊の汚名を返上してやるんだから」

 

「うん、それじゃ朱里ちゃん、始めよう」

 

「はい、まずは配置ですが、荊州は愛紗さんにお任せします」 「おう!」

 

また、戦乱が始まっちゃうんだな

どうしてこうなっちゃったんだろう

短い平和だったよぅ・・・・           

「白蓮さん!白蓮さん!」

 

「おう、季衣!ちょうどよかった。急いで荷物をまとめていつでも出れるように」

 

「大変なんです!僕、どうしたらいいのかわからなくて」

 

「ん、何があったんだ?お姉ちゃんに話してくれるか?」

 

「春蘭様が、春蘭様が・・・・」

 

「春蘭が?一体何があったんだ?」

 

「・・・・一週間後に公開処刑されるって立て札が」

 

「な、春蘭が公開処刑??」

 

「はい、呉との騒乱を画策した大罪人だって・・・僕・・・・僕・・・・うわぁぁぁぁん」

 

「季衣・・・・よしよし、大丈夫だから、お姉ちゃんに任せてくれ季衣」

 

「本当?」

 

「ああ。・・・・・皆聞いてくれ、荷物をまとめるのは後回しだ。私は春蘭を救出するため、ここに残る」

 

「「「「 え? 」」」」                

「危険な橋を渡ることになる。だから、残るのは志願者のみとする。残りの者は即時蜀へ向かい

私が戻れないかも知れないことを伝えてくれ」

         

「ですが伯珪殿っ!」

 

「すまん、私は、守るべき人を見つけたのだ。これは私のわがままだ。皆、自分の意思で選んでくれ」

 

直属の部下5人

こいつらは本当によく尽くしてくれた

だから、最後は自分の意思で選ばせたい

 

「伯珪殿」

 

「ん」

 

「伯珪殿はおっちょこちょいで頼りなく、影が薄い残念なお人だ」

 

ズコッ

 

「お・ま・え・ら~~~!!」

 

「ですが、そんなあなたにお仕えできたこと、それは俺達の誇りなのです」

 

「そうです、姉御を置いて逃げるなんてできませんよ!」

 

「俺達は何があろうと、姉御についていきます!」

 

「姉御を置いて帰ったら、心配で夜も眠れませんぜ」

 

「俺も同じ気持ちです姉御!俺達でちゃっちゃと夏侯惇様を助けちゃいましょう!」

 

「お前達・・・・」

 

「我らは一蓮托生、地獄までお供しましょう」

 

「ああ、すまん・・・・」

 

くそ、涙が止まらないじゃないか

 

「本当にすまん・・・・いや、ありがとう皆」

 

「白蓮さん・・・・」

 

「・・・よし!季衣、その立て札に秋蘭の名はなかったか?」

 

「はい、春蘭様の名前だけでした」

 

「ふむ、なら秋蘭も必ず都に潜伏してるはずだ。まずは秋蘭を探して合流することから始めよう」

 

「わかりました。実は呉へ出発する前、秋蘭様と都に拠点を作っておいたんです。そこに秋蘭様がいらっしゃるかもしれません」

 

「よし、秋蘭と合流したらここに連れてきてくれるか?ここを春蘭救出の本部にしよう」

 

「はい!」

 

「皆、必ず春蘭を救い出そう!」

 

「「「「「 おう! 」」」」」


 
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