「おはよう明命」 「おはようございます一刀様」
すっかり呉に馴染んだ俺は呉の皆を真名で呼ぶようになっていた
「おはよう亞莎」 「か、一刀様おはようございます///」
「おはよう穏」 「一刀さん、おはようございます~」
「おはよう思春」 「・・・・ふん」
思春だけはまだまだかなぁ
「おはよう、蓮華、冥琳、雪蓮」
「「「おはよう一刀(北郷)」」」
さて、今日も仕事を始めますか
「か~~~ず~~~~~と~~~~~」
「うわっぷ!小蓮おはよう」
「おはよー一刀」
小蓮は現地調査と言う名の旅行に出ていたらしく、戻ってきたのは数日前だった
数年前は数回見かけただけでほとんど面識なかったんだけど
今ではすっかりなつかれてしまった
(小蓮、前に見たときより少し背が伸びたみたいだけど・・・・)
それ以外の部分が成長していないなんて絶対触れない方がいい
春蘭と秋蘭が建業を出発してからずいぶんと時間がすぎた
華琳に会えたかな
無事に戻ってきてくれるといいけど
「北郷、この案件を見てくれないか」
「うん、冥琳」
俺のポジションは冥琳つきの秘書?
天の知識をいろいろと使いたいらしい
「そうだな、ここはこっちの方が効率的に・・・・」
書類を冥琳に渡そうとした時だった
衛兵の人が息を切らせながら報告に来た
「失礼します。夏侯淵様がお戻りになりました。ただいま孫策様に謁見中であります」
俺は胸が躍った
「秋蘭達が戻った。冥琳!?」
「ああ、行こう」
「おっし!」
俺は気持ちを抑え切れなかった
冥琳の執務室を出ると、春蘭と秋蘭がいるだろう雪蓮のところへ全力で走った
「春蘭!秋蘭!お帰・・・・り」
そこにいたのは傷を負った秋蘭だけだった
「どうして・・・・秋蘭、秋蘭!雪蓮!秋蘭の手当ては」
「落ち着きなさい一刀、大丈夫、命に別状はないわ。極度の疲労で疲れきってるだけ」
今、秋蘭は雪蓮に抱きかかえられている
その姿に一瞬、俺は意識が飛びそうになってしまった
「くっ・・・・秋蘭、一体何があったんだ。春蘭は?誰にやられた!?」
「うむ・・・北郷、今回の件、全て罠だったよ」
「罠?」
「ああ、会稽にあったのは姉者の作った人形だった。華琳様がいると情報を流し、私達を呉に呼び寄せたんだ」
「・・・あの・・・・人形か」
「・・・姉者と私は人形とわかり落胆した。そこを待ち伏せされたんだ」
「・・・卑怯な奴らめ・・・・」
「気がついたときには、私だけが開放されていた。この書状と共に」
俺は秋蘭から書状を受け取った
我に逆らいし魏の亡霊ども、夏侯惇を返して欲しくば都へ来るがよい
「司馬懿ーーー!!」
俺は怒りに任せて書状を叩き付けた
怒りのあまり呼吸もおかしい
「北郷・・・・もう一つお前に辛い報告がある」
「・・・・?」
「私達を待ち伏せし、姉者をさらったのは・・・・凪達3人だ」
「え・・・?」
「凪達3人だ。それに沙和の鍛えた魏兵もいた」
「凪と真桜と沙和に・・・・そんな馬鹿な・・・・」
「道がぬかるみにされ、姉者と私は動きが取れなかった。あれは西涼制圧戦で真桜にやらせた工作だ」
「・・・・・」
「指揮統制の取れた伏兵、真桜の開発した武器を使いこなす兵達、そして」
やめてくれ秋蘭
その先は聞きたくない
「投げ込まれた煙幕に包まれた私を倒したのは・・・・凪だ」
「凪・・・どうして・・・・」
「・・・・内乱が起こったあの日、私達は武器庫を押さえられ何も抵抗ができなかった。
私達はあっという間に包囲され。結果、散り散りに逃げるしかなかった。
魏は北郷を失ったことで崩壊した。
それは確かだ
しかし・・・・魏がこれほどたやすく崩壊するはずがない」
「・・・・やめてくれ」
「・・・・裏切りの可能性はわかっていた。それが誰であるかも薄々感づいていた。だが・・・・認めたくなかった」
「ちくしょう・・・・」
そう、3人なら武器庫を抑えられる
兵を巧みに動かし、都を制圧することも可能だったろう
その時だった
雪蓮が動いた
「呉全軍に通達、これより呉は戦時体制に移行する!!」
「「「「 !!!!! 」」」」
「明命!」 「はい!」
「蜀へ伝令、呉は晋との戦争準備段階に入った。同盟に基づき、双方の協力を求む」
「御意!」
「冥琳!蓮華!小蓮!穏!」 「「「「は!」」」」
「周瑜を大都督に任命する。その智謀を駆使し見事司馬懿の首を上げよ。
「御意」
孫権、孫尚香は周瑜をよく補佐し、晋を血祭りにあげよ。
「「御意!」」
陸遜には蜀との共同戦線を任せる。蜀とよく協力し、中央を切り崩せ!」
「御意」
「一刀」
「雪蓮・・・・」
「呉を利用し盟友を傷つけた罪、晋に死ぬほど後悔させてやるわ」
「でも・・・」
「これは呉の戦いよ。一刀は一刀の戦いをしなさい」
「・・・・わかった。春蘭を助けに都へ行くよ」
雪蓮が俺に抱きつく
「必ず無事に帰ってくるのよ。待ってるから」
「ああ、必ず」
「さてと、これから忙しくなるわ。秋蘭、動けそう?」
「ふ、これしき・・・・どうと言う事はありません。今すぐ都へ向かいます」
「そう言うと思った。呉で一番早い船を手配してあげるわ」
「感謝します」
「一刻を争う!全軍準備を怠るな!!」
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