No.203757

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part14 罠

見習いAさん

会稽にて

2011-02-26 01:28:42 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3695   閲覧ユーザー数:3370

一刀と分かれてから幾日

私と姉者は会稽にたどり着いた

 

「太守殿に取り次いでもらいたい。こちらが孫策殿の書状だ」

 

孫策殿から受け取った書状を渡すと、衛兵は書状に目を通す

 

「ど、どうぞ、こちらでお待ちください!」

 

孫策殿直々の書状とわかると大慌てで消えていった

 

ここまで何事もなく無事に来ている

後は華琳様とお会いできれば

 

「確認が終わりました。どうぞこちらへ」

 

「すまない」

 

衛兵の案内を受け、姉者と私は太守の元へ通された

 

「遠路はるばるようこそお越しくださった」

 

「お初にお目にかかる。して、書状の件なのだが」

 

「ふむ、晋より受けた宝物の保管庫へご案内しましょう。さ、こちらです」

 

そう言うと、太守は城の裏側の保管庫へ去ってしまった

 

「どういうことだろう秋蘭?」

 

「うむ、今はついて行くしかあるまい」

 

私達は後に続くしかなかった     

「こちらになります」

 

厳重に施された鍵を開けると、薄暗い宝物の保管庫の扉が開かれる

姉者と私は太守の後に続き、保管庫へ足を踏み入れた

 

薄暗くジメジメした保管庫の奥へ進む

すると太守の足が止まり、前方を指す

 

そこには

 

「華・・・・華琳様・・・・」

 

「・・・・華琳様ーーーーーー!!!」

 

以前となんら変わらない

座して凛とした華琳様がいらっしゃったのだ

私達が追い求め続けた華琳様が

 

   「「華琳様!!」」

 

姉者と私は駆け足で華琳様の前に跪いた

 

「華琳様、本当に、本当に良くぞご無事で。この秋蘭こんなにうれしいことはありません」

 

「華・・グス・・・華琳・・様・・・・グス・・・・華琳様・・・・よかった・・・・本当によかった」

 

華琳様が、私達の前にいるんだ

追い求めていた華琳様が

どうか、どうか

そのお声を早くお聞かせください

 

「華琳・・・・様?」「?????」

 

太守の声が聞こえた

 

「人形です。これほど精巧な人形は初めて見ました」

 

「人・・・形・・・・」「???????」

 

まさか

 

「・・・・・姉者の・・・・着せ替え人形」「?????????」  

「あまりに精巧な人形でしたから、曹操様の祟りを恐れ、こうして極秘に封印していたのです。このことを知っているのは私どもだけで」

 

「・・・・それでは・・・・華琳様は・・・・」

 

「そのような話はありませぬ」

 

目の前が真っ白になった

まるで天地が逆さになったように地面の位置が掴めない

 

「・・・・・・クソ」

 

「あ・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・っ」

 

姉者・・・・

 

「ああ・・・・・っ、あ・・・・・ぁう、う・・・・っ、う・・・・っ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

 

「姉者」

 

「うわぁぁぁぁぁぁんしゅうらぁぁん!」

 

姉者を優しく包むことしかできなかった

 

「・・・一刀のところへ帰ろう、姉者」

 

「う・・・・えぐっ・・・・・うん・・・・・うわぁぁぁぁぁぁんっ」   

姉者と私はすぐに一刀の元へ戻ることにした

今はただ、一刻も早く一刀の元へ・・・・         

馬を走らせる元気もなかった

会話もない

 

どれくらい進んだのだろう

道なりに戻るだけで、それすらもわからなくなっていた

 

「・・・・・ん?なんだこれは」

 

姉者?

 

「姉者どうし・・・む!」

 

ぬかるみ?

 

「こんなぬかるみ来た時はなかったぞ秋蘭」

 

「・・・・まずい、すぐに馬から降りるんだ姉者!!」

 

私達はあわてて馬を下りた

 

ボン!!

 

左右両方向から爆発音がすると、何かがこちらに飛んでくる

その飛翔物は姉者の頭上に到達するとさらに爆発した

 

「な、なんだこれは!くそ~!」

 

網だ

 

「このカラクリ、真桜が作っていた物か、くっ、姉者!!」

 

姉者を助けなければ

必死に姉者の元へ向かおうとするが、足場が悪く思うように動けない

また新たな爆発音がすると、さらに多くの網が姉者に降り注いだ

 

「姉者ーーーー!」

 

「くっ、秋蘭、私のことはいい!一刀の元へ帰るんだ!」

 

「馬鹿者!そんなことできるわけない!」

 

「馬鹿はお前だ秋蘭!お前だけでも早く!」

 

「できない!」

 

   ツギ、ケムリダマヲジュンビスルノー サーイエッサー ヨシ、ウテーナノー

 

この声・・・・沙和?

 

「まさか、うわぁ」

 

次に投げ込まれたけむりだまはあたり一面を真っ白にしてしまい何も見えない

 

「姉者!姉者ー!」

 

 

 

「秋蘭様、申し訳ございません」

 

凪?

背筋に冷たい汗が落ちる

 

「がは!」

 

なぜ・・・・だ・・・・・     


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
30
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択