No.201826

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part8 司馬懿の影

見習いAさん

司馬懿?

2011-02-15 23:17:18 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4634   閲覧ユーザー数:4231

城門を抜けた私達が案内されたのは王宮ではなく、宴の準備がされた大部屋だった

 

「一体どう言うおつもりですか?」

 

「我主、司馬懿様は高齢であられます。今も床に伏せておりますゆえ本日の会談はどうかご容赦を」

 

高齢?床に伏せる?そんな奴が大国魏をあっさり転覆させたと言うのか?

 

「司馬懿様より、使節団の方々を最大限おもてなしするようにと仰せつかっております。どうぞごゆるりと・・・」

 

「しかし我々は」

 

「公孫瓚様、司馬懿様のご好意をお断りになると申されるか?」

 

「くっ」

 

私達は戦争を避けるために来ているんだ

悔しいけどここは我慢しなければ

ぐっと我慢した私は、部下達もさぞ無念だろうと思いつつ振り返った

 

「お前達、すまないがここは我慢してく・・・あれ」

 

そこには誰もいなくて

 

部下B「部下Aの、ちょっといいとこ見てみたい!それイッキ!イッキ!」 

 

部下C「イッキ!イッキ!」部下D「イッキ!イッキ!」

 

あ・い・つ・ら!

 

季衣・・・・妹よ・・・・早く帰りたいよぅ  

真っ赤な顔で部下に背負われる白蓮を先頭に、蜀使節団は屋敷への帰路についていた

 

「ふん、どうせ私は影が薄いれすよ~。おまえらもそうおもっれんらろコルァ!」

 

「そんなこと思ってませんて」

 

「うそつくらぁ、ふつうのなにがわるいんらー!・・・ウッ・・プ」

 

「ああ~、もうすぐ屋敷に着きますから我慢してくださいよ」

 

すっかり酔いつぶれた白蓮は部下Aに担がれやっとのことで帰ってきた

 

「ふぅ、つきましたよ公孫瓚様」

 

「・・・・淵は?妹は??」

 

「だいぶ遅くなりましたから、もうお休みになってると思います」

 

「やすんれる?おやすみのあいさつしてくりゅ」

 

もの凄い速さで寝所に消えていってしまった

 

「悪い人じゃないんだけどな・・・・・残念な人だ」

 

明かりの消えた季衣の部屋、そこに近づく怪しい影

 

「季衣~、ねてりゅかぁ~?」

 

部屋の中からは、すぅ~すぅ~と規則正しい寝息だけが聞こえる

音を立てず季衣に近づく白蓮

 

「・・・・かわいい寝顔だなぁ~・・・いかんいかん!季衣を起してしまうじゃないか」

 

季衣の寝顔を見ると少しだけ冷静になったようだ

 

「私は姉だ、姉として無様な姿は・・・・にへらぁ」

 

そのまま布団に入り込んでしまった  

朝、季衣の部屋に朝日が差し込む

 

「う~ん、う~ん、はっ!・・・なんだろう、嫌な夢見ちゃった。あれ?」

 

体が動かない

何かに抱きつかれてるみたいだけど

 

「え?え?」

 

抱きついている相手をみると、そこには白蓮さんが

 

「あれ?うわ、お酒臭い!お酒臭い!」

 

「うぅ~ん・・・・季衣ぃ~zzz」

 

「白蓮さん、なんで添い寝してんですか!それとお酒臭い!」

 

「むぅ~、私のことはお姉ちゃんと呼んでくれよぅ、ムニャムニャ」

 

「もぉー」

 

まったく、しょうがないな

でも・・・・

最初はびっくりしたけど、気持ちよさそうに寝てる白蓮さんを起すのは悪い気がして、もう少しこのまま

 

「やっぱりお酒臭い!」

 

「ギャン」

 

僕は力任せに白蓮さんを突き飛ばしてしまった

 

「あ、ごめんなさい、大丈夫ですか?」

 

「いつつつ・・・・敵襲か?敵襲なのか?・・・季衣じゃないか、脅かさないでくれよ~」

 

「しっかりしてください・・・・夕べはずいぶん飲んだみたいですね」

 

「飲んだ・・・?私が?あ、頭が痛たい・・・・気持ち悪い・・・」

 

「完全に二日酔いですよもう・・・・」

 

すぐに侍女の人に水を持ってきてもらい、白蓮さんは自分の部屋に帰らされた  

その日の午後、白蓮さんがやっと正常に戻ったから、司馬懿のことを教えてもらうことになったんだけど

 

「・・・・すまん、会えなかった」

 

「ええー、会えないってどうしてですか」

 

「こっちが聞きたいよ。私ごときに会う価値ないってことかも知れないけどさ・・・」

 

そう言うと白蓮さんはまた落ち込んじゃった

 

「なあ季衣、司馬懿とはどんな奴なんだ?高齢で床に伏せてると言ってたけど」

 

「実は僕も知らないんです。春蘭様も秋蘭様も見たことがないと言ってました」

 

「春蘭も秋蘭もみたことがない?司馬懿は魏にいたんじゃないのか?」

 

「ご存知の通り、司馬家は河内の名家です。だけど、華琳様が北方を平定した後、表舞台から消えていました。

だから魏と何も関係がないんです」

 

「しかし、反乱が起こったとき一部の軍に武器庫を押さえられて抵抗できなかったって言ってたよな?

てっきり司馬懿と魏の軍部が繋がっているものと思っていたけど」

 

「それがわからないんですよぉ。秋蘭様が仰るには、司馬懿は黄巾の乱のもっと前から反乱の準備をしていて

力の衰えた漢王朝と司馬家の繋がりを利用し実行したのかもしれないと」

 

「うーむ、だとしたら華琳が王となることを司馬懿は予期していた可能性もあるわけか・・・・

それともう一つ、どうしてもわからないことがあるんだ」

 

「なんですか?」

 

「魏が富国強兵のために多少強引な政策を実行していたのは知ってる。けどさ、反乱が起こるほどの反発があったのかな?」

 

「少なくとも、民や兵から反乱に繋がるような不満はなかったと思います」

 

「だよな、三国会議でここに来た時、治安よかったし街全体に活気があった。

それを司馬懿はどんな方法で反乱にまで繋げたのだろう。うーむ、一体どうやって」

 

「あの日・・・僕達は気がついたら包囲されていて、何もわからなくて・・・・逃げるのが精一杯で」

 

「あ、ああ、ごめん季衣、嫌なこと思い出させちゃったか?」

 

「いえ、もう平気です。今はそんなこと言ってられませんから」

 

「あまり無理はしないでくれよ?はぁ、司馬懿は私の手に負えそうもないよ。詠でも連れてくるべきだったかな」

 

僕達をたった一日でここまで追い詰めた司馬懿、絶対ぶっ飛ばしてやる


 
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