チュンチュンチュン・・・
小鳥が囀る午前7時。
私は既に日課となっていた精神統一を、ここ北郷神社の境内にて行っていた。
「・・・・・・・・・・。」
冷え切っていた境内の空気が、朝日によって次第にポカポカと温まっていくのを肌に感じた。
と、その時。不意にこの場には相応しくない『気』が一瞬背後から伝わってきた。
「ッ!!」
ほぼ反射的に座禅の状態から飛び去ると、ワンテンポ遅れてから凄まじい衝撃が体を打ちつけた。
バッゴォォォォォォォォォッッンンンンンンンッ!!
辺りには土埃が舞い、視界が悪かったが、私は気にせず襲撃者の姿を捕らえた。
「・・・・・・フッフッフ。僅かな気の流れを察知し、我が無拍子からなる奇襲を完璧に避けるとは・・・。我が弟子ながら流石じゃな。」
襲撃者は満足気にそういうと全身から迸っていた殺気を納めた。
「そりゃあ何百何千と受ければ次第に分かってくるものよ・・・。師匠。」
そこでサッと一陣の風が舞っていた土埃を攫って行った。
目の前に現れたのは地面にめり込んだ拳を引き抜き、仁王立ちで此方を見るふんどし一丁の師匠、・・・いえ私のお祖父ちゃんの姿があった。
お祖父ちゃんは満面の笑顔で此方に微笑むと、雰囲気を変えて話を切り出した。
「今日でお主も18。我が示現流漢女道の継承も齢18となっておる事は知っておろう?」
「えぇ、もちろん知ってるわ。そしてその継承には必ずやるべきことがある・・・。」
私は目を閉じ、その言葉を静かに言った。
「『弟子は師匠を越えなければならない。齢18となった真・漢女道継承者は師に打ち勝ち、その継承を合格しなければならない。』」
・・・そう。すなわち今日私はお祖父ちゃんと戦い、合格しなければならないのだ。
・・・・・・『漢女の証』を握りつぶすことによって・・・。
「そうじゃ。ならば覚悟は出来ておるよな?・・・我が最愛の愛弟子であり、そして・・・孫よ。」
お祖父ちゃんは自然な運びで示現流の構えを取った。
その姿を見て、私は今までの修行で培ってきた経験や技、そして師匠・・・いえ、お祖父ちゃんとの思い出を胸に構えを取った。
「・・・えぇ。全身全霊を賭けて師匠を・・・倒しますッ!!」
その覚悟に頷いたお祖父ちゃんは、やがてこの場に相応しく厳かな声で言った。
「・・・・・・これより真・示現流漢女道継承の儀を執り行う。いざ尋常に・・・」
私達は目をカッと見開いたッ!!
『・・・勝負ッ!!』
次の瞬間激しい轟音と共に戦いが始まった。
継承の儀が始まってかれこれ11時間。
既に日は傾き、境内もボロボロになってしまっていた。
「ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
体力も既に底をつき、立っていられているのは凄まじい気力のお陰なのかもしれなかった。
「ゼェ・・・孫よ・・・。次でワシの最後の技じゃ・・・。」
「ハァ・・・此方もよ。師匠・・・」
もうそれ以上言葉はいらなかった。
お互いに相手の『玉』と『竿』を握りつぶすため、気力を振り絞り、最後の力を自らの拳に込めた。
「ハァァァァァァァァァァァッ!!!」
「ヌオリャァァァァァァァァッ!!!」
瞬く間に拳が夕日の光を浴びて黄金に輝いていくッ!!
そして、同時に私達は相手に向かって飛び出したッ!!
「食らえッ!!トルネェーーード、フィンガァァァッ!!」
お祖父ちゃんのもっとも得意とした技が私のを目掛けて繰り出されたッ!!
「爆熱ッ!!ゴォーーーーーッ〇!!フィンガーーーーーッ!!」
私も全身全霊の力を込めてお祖父ちゃんのを目指すッ!!
・・・その時、不意にお祖父ちゃんの力が急激に無くなった。
(チャンスッ!!)
拳をかわし、そのままガッチリと握りこんだッ!!
「これでッ!!ジ・エェェェェェンド・・・・・」
とトドメを差そうとした時、不意に耳元でお祖父ちゃんの声が聞こえた。
「よ・・・くぞやった。これでお前は真の継承者と・・・な・・・・った・・・」
私はハッと我に返ったが、その時は既に技を中断することは出来なかった。
キュウイィィィィィィィンッ!!!
握りこぶしが光を放つその瞬間、お祖父ちゃんはニッコリと笑ったような気がした。
「し・・・・・・師匠ォォォォォォォォォォッッ!!!!!!!!!!!」
私は涙を流しながらそのままお祖父ちゃんに止めを差したのだった・・・
戦いが終わり、私はお祖父ちゃんを膝枕してあげていた。
「・・・孫よ・・・。」
「・・・・・・はい。」
私は暮れ逝く夕日をお祖父ちゃんと見ながら答えた。
「この世には恋に悩む漢女や小娘が沢山おる・・・」
「・・・はい。」
「お前はその悩める者達に救いの手を差し伸べてやるのじゃ・・・」
「・・・はいッ。」
「よいか、決して見捨てるでない・・・この世に悩みなど不要なのじゃ・・・」
「・・・はいッ!!」
そういい終えるとお祖父ちゃんは目を細めながら夕日を眺めた。
「・・・綺麗じゃな。」
「はい。お美しゅう御座います。」
「・・・アレでもやるか?」
「・・・ハイッ!!」
そして、私達は声を揃えて言い始めた。
『流派、示現流漢女道は!』
「漢女の風よ!」
お祖父ちゃんが後に続く。
「全新!」
そして私が引き継ぎ。
「系裂!」
『天破!侠乱!』
『見よ、太陽は!!赤く、燃えているゥゥゥゥゥ!!』
そしてお祖父ちゃんは静かに目を閉じた。
「師匠?」
「・・・・・・。」
私は呼びかけてみるが反応が返ってこなかった。
「師匠・・・・・・ック!!師匠ォォォォォォォォォ!!!」
私は日が暮れるまで叫び続けたのであった・・・
・・・あの後すぐに近くの病院へと運んだ。
何とか一命を取り留めたが、暫くの安静が必要だという。
私はその知らせを聞き安心すると同時にある決意をした。
「お祖父ちゃん・・・私、頑張ってみるわッ!!」
最後に教えてもらったあの言葉。私はやってみようと思う。
私は我が家に伝わる極秘の術、『転移の術』を発動させた。
何でも一瞬にして悩みを抱えた乙女の元へといけるものらしいが、発動したらここに戻ってこれるかは分からないらしい。
・・・だけど。
『この世に悩みなど不要なのじゃ・・・』
この力、誰かの悩みを解決するために振るいたい・・・!!
「戻ってこれるかは分からないけれど・・・それでも何時かきっとここに必ず戻ってくるわッ!!それまで待っていてね、お祖父ちゃんッ!!」
こうして、私「北郷一刀」は世界へと飛び出していった・・・
南「機神と~」
雪「雪蓮の~」
南・雪『あとがきコ~ナ~』
南「いえ~い(ドンドンパフパフ)」
雪「・・・・・・。」
南「どったの雪蓮?ノリ悪いよ~?」
雪「・・・とりあえず二つ言わせて。なんで私出てないのにこんなところにいるの?そして何なのよこの気持ち悪い小説はッ!?」
南「気持ち悪いとは失礼な。れっきとした一つの外史でしょうがよ。」
雪「こんな気持ち悪い外史なんて誰徳よ!!」
南「さぁ?」
雪「さぁ?じゃないわよ!!しかももう一つのヤツに答えてないしっ!!ていうか先に書いてた私達の小説はどうなったのよ!!」
南「あぁ~アレね。それをどうするか決めようと思ったんでこれ書いたの。」
雪「うん?どういうことよ?」
南「とりあえず説明すると、この前書いた小説のほかにもう二つ案があった訳。筆者としてはどれも書きたいんだけど、そんな余裕なんてある訳無いし?だからいっその事読者に決めてもらおうと思ったわけよ。」
雪「あと二つって・・・もしかして後一つあるの?」
南「モチのロンさ。丁度自分も見習い脱却してないからいいかなと思ったんだがダメかい?」
雪「まぁそういうことならいいけど・・・。てっきりあの話止めたかと思ったわ。」
南「あ~そこんとこはダイジョブ。出した以上はやるつもりだからねぇ。」
雪「それならいいのよ。・・・でこの一刀のでぇーた?だっけ、ある?」
南「データね。あるよ~ん。・・・まず最初に言っときたいのは、この一刀はオネエだってことだ。この設定は最初に書いた小説を考えたとき、「こういう考え方も出来るんじゃねぇ?」的な感覚で思いついたものだ。読んでて思ったヤツもいるだろうが、この作品は大変男性読者の目に悪影響を及ぼすことになるだろう。ただ、BLとかそっち方面には走らないから安心してくれ。タイトルどおり恋姫達のお悩み相談が専ら趣旨になるギャグ小説になるだろうな。」
雪「私としては男同士のネチョり合いを見てたほうが面白そうなんだけどな~」
南「書くほうの気持ちにもなってくれや・・・そしてそれを読む男読者の気持ちも考えてくれ・・・」
雪「じょーだんよ、じょーだん♪」
南「アンタが♪を付けると冗談に聞こえないのは俺だけなのかな?」
雪「貴方だけじゃないかしら?」
南「・・・あぁそうッスか・・・」
雪「それじゃ今回はこれでお開きにしましょうかね。」
南「そうだねぇ。では読者の諸君、次回も別のヤツを書くつもりだがその時にキミ等の意見を伺おう。期待して待っていてくれたまえ。それでは。」
南・雪「またねぇ~♪」
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