No.182836

変態司馬懿仲達物語 03

傀儡人形さん

どうも傀儡人形です。

かなりの駄文。キャラ崩壊などありますのでご注意ください
オリキャラが多数出る予定なので苦手な方はお戻りください

2010-11-06 00:04:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2887   閲覧ユーザー数:2590

一刀は悩んでいた。

字が覚えられないとか、勉強が苦手だとか、生活が合わないとか、そういうのではなく、単純かつ厄介な問題に直面していた。

止めて欲しいといえば済む事なのだが、それで止めてもらえるとは決して思えない。

しかし、止めてもらわなければ今後に差し支えるに違いない重大な問題だ。

 

「あの、近すぎませんか?」

「あら、近い方がいいじゃない。声も良く聞こえるでしょ?」

 

この台詞から連想されるものは限られてくると思う。

一刀は一日のほとんどを勉強につぎ込む受験生もビックリなほどの勤勉さを発揮していた。

朝起きて朝食前までに勉強し、朝食後に再び勉強し、昼食後に少しだけ休んで、夜食が出るまでひたすらに勉強する。

おかげで一刀は十日という短い期間で、最低読める、書ける程度の読み書きがこなせるようになり、周囲を驚かせる結果をはじき出した。

それもこれも司馬懿仲達が仕向けた策略である。

 

「あの、俺、男の人に言い寄られても嬉しくないっていうか」

「気にしないで。別に襲うつもりとかないから。及第点が出なかったら美味しくいただいちゃうけど」

「ひぃ――――!?」

 

一刀は悩んでいた。

司馬懿仲達の異常さと悪ふざけの度を越えた拷問はなんとかならないのかを。

一刀が仕え始めて次の日、司馬懿は教育係に四つの候補を挙げてきた。

 

「まず一人目。顔はまあまあ、体系もまあまあ、教え方もまあまあの男性」

 

この時点で何が起こるのか、気付いていればよかったと本当に思う一刀である。

 

「次に二人目。顔はいい、体系もいい、教え方もうまい男性」

 

ここまでは普通なのだ。まだ普通なのだ。

 

「続いて三人目。顔は凄くいい、体系は誰もが振り返ってしまう、教え方は駄目な女性」

 

ここでこっちを選んでいたらどうなっていたか、想像だけが膨らむ。

 

「最後に四人目。天こと姜維」

 

この中から一刀が選んだのは二番目の男性を指名した。

一番目は教え方まあまあなんていう教師がどれだけ迷惑かを知っている一刀が選ぶ訳がなく、三番目は勉強するのに教え方駄目なんて論外。四番目は死にたくないから。

消去法で二番になったのだが、選んだ後に告げられた司馬懿の言葉は残酷だった。

 

「ちなみに彼、男好きで一刀くんが頑張らないようなら美味しくいただいても結構です、という事で話をつけています」

 

世界の時間が停止したと一刀は錯覚した。

それから必死に勉強した。貞操を護る為に。

 

「教育係を外す基準は読み書きが出来るようになったら、です。そこからは自分で勉強して、仕事もこなしてもらいます」

 

ついにその基準を達成し、一刀は己の貞操を守りきる事に成功したのだった。

「っていう経緯でここにいます」

「……そ、そうか。苦労したのだな」

 

ここは書庫。一刀に与えられた仕事は書庫の整理という文官の中でも下っ端のする仕事だ。

題名ごとにきちんと並んでいるか確認し、紛失している本がないかを確認する仕事で、もちろん題名が読めなければこなせない仕事である。

今は姜維に監督してもらいながら、その仕事を覚えている最中だ。

 

「勝里さんって凄い人だって思ってたけど、違った意味で凄い人だって認識しました」

「お前は勝里さまのやる事に一々物言っているからな。面白がられているんだろう」

「そうなんですよ。面白がって、でも俺自身何も言うまいって思っても更にその上を行かれちゃって」

「これから苦労するぞ。思いつきで行動したり、相談なく事を終わらせたり、断れないのを知っていて関係が壊れない程度の遊びに付き合わされ、それらを自覚してやってくる」

「あ、あはは、はは………笑えないです」

 

乾いた笑みを浮かべる目の下に隈がある一刀に可哀相なものを見るような目で見つめる姜維はそっと肩に手を置いた。

 

「もはやお前が仕える事にどうこういうつもりはない。むしろ勝里さまを止める抑止力になるやもしれん人物が増えて嬉しく思う。我が名は姜維。真名を天という。よろしく頼む」

「え? あ、はい。北郷一刀。一刀が真名です」

「一刀、心しろ。勝里さまは生半可な覚悟で止められるような相手ではない。いざという時は力尽くで止めなければならない相手だ」

 

ごくん、と唾を飲み込んだ。

姜維の話し方はまるで仇討ちを狙う人のようになり、傍にいるだけの一刀も怖いと思ってしまうほど全身から見えてはいけないものが溢れ出てきているように見えた。

 

「おいおい、殺気だってどうしたんだ? 北郷、何かしたのか?」

「あ、鄧艾さん」

 

声のした方を向くと、鄧艾が何十冊もの本を抱えて立っていた。

鄧艾や姜維は普段から忙しく、一刀が鄧艾とこうして会うのは今日で三回目と少ない。

部隊の訓練から賊退治、街の治安維持と忙しなく働いている姿だけは何度か見かけていた。

 

「丁度いい。一刀、辰は要注意だ。辰は勝里さまの命令なら何だって聞くし、わたしと互角に渡り合う腕前の持ち主だ」

「旦那の命令は何度もって言うけど、限度は決めてるぜ」

「と言っているが、見境無くなるのが辰だ。気をつけろ」

「失礼な。まあいいや。北郷、真名預けとくぜ。鄧艾、字は士載で、真名が辰だ。んじゃ、こいつを旦那に渡しに行かなきゃならないからこの辺で」

 

何十冊も本を抱えた鄧艾が仕事をしている文官たちにぶつかりながら書庫を出て行った。

 

「さて、話しすぎてしまったな。仕事に取り掛かろう」

 

一刀は始めての仕事に悪戦苦闘しながら、なんとか終わらせる事ができた。

「お疲れ様です一刀くん。お茶でもいかがですか?」

「げぇ! 勝里さん!」

 

思いの他仕事が遅く終わり、あれやこれやとしている内に昼食時に部屋に戻ってきた一刀を何故か淹れたての茶を二つ机の上に置いた司馬懿が出迎えた。

姜維の話を聞きながら仕事をしていたせいか、目の前にいる司馬懿が一刀には悪党のように見えてしまい、思わず変な声を上げてしまった。

 

「まるで伏兵に遭ったかのような反応ですね。しかし、嫌いではありません」

 

ずずっ、と茶を飲む司馬懿にいろいろと質問しようと思う一刀だが、一体何から問いただせばいいのかわからず、しばらく呆然としていた。

見かねた司馬懿が一刀を席に着かせ、茶を勧める。

 

「仕事はどうでしたか? 慣れないことで困惑していると思いますが、天がいるなら大丈夫だと思っているのですけど」

「え、はい、大丈夫です。天さんにはいろいろ教えてもらって」

「真名を教えあうほど仲良くなれたのですか。それはよかった。この調子で城の人たちとも打ち解けてください」

 

なにやら機嫌がいいので、何かいい事でもあったのかなと思いながら一刀は茶を飲んだ。

 

「話はがらっと変わりますが、実はこのような問題を抱えています」

 

司馬懿は懐から一枚の紙を取り出して一刀に手渡した。

 

「兵糧の備蓄が足りない、ですか」

 

その紙には今現在、新野が抱えている問題がずらりと記入されていた。

その一番上を一刀は読み上げ、司馬懿を見る。

 

「新野は元々人口が少なく、労働力の確保が難しい場所です。最近増えてきた賊に対応する為に否応なく兵士を募っています。その結果、どうしても若者が不足してしまい、田畑を耕す者が減少する傾向にあるのです」

「……どうして俺にこれを?」

「知識をお借りしたいのです。何かいい方法を、例えば農業用の道具などあればと思いまして」

「道具、ね……」

 

一刀はそれほど詳しくない農業に必要な道具を思い浮かべた。

どれもこれも今の技術力じゃ到底再現する事のできないものばかりで、とても口に出せるようなものではなかった。

 

「すみません。思いつきません」

「そうですか。いえ、急な話だったので余り期待はしていません。でも、何か思いついたら話してくださいね?」

 

司馬懿は空になった湯飲みを手にして立ち上がった。

 

「その紙は差し上げます。何か良い知恵があればよろしくお願いします」

 

扉を開けて外に出た司馬懿は振り返り、にっこりと笑顔を浮かべた。

 

「忘れるところでした。近いうちに新しいお仲間が入ってくるので、その出迎えに一緒に行ってもらうつもりです」

 

そう言い残し、司馬懿は扉を閉めた。

 

 

 

 

どうも傀儡人形です。

今回は一刀の貞操は無事でしたが、今後の事を考えたら可哀相に思ってしまいました。

さて、わたしは司馬懿をいじめキャラとして確立させようと考えているのですが、

参考になる人物がいないかを探していました。

しかし、そんな人物が身近にいませんでした。

けれど、その人物を見つける事ができました。

友人曰く、わたしがその探していた人物だそうです。

ビックリです。しかし、なんとなく納得しました。

というわけで、これからも妄想全開でいきますので、よろしくお願いします。

 


 
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