No.182724

軍師†無双 ~策がなかなか決まらない~ その3

へっへっへぅ。

2010-11-05 15:45:58 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:11281   閲覧ユーザー数:8734

 

「私が集めた情報によるとこの先に黄巾党に恐れ、県令が逃げ出した街があるわ」

 

 

どの街に行くか全く決めていなかった一刀だが、心強い味方がいるのでノープロブレムだった。

 

 

「さすが桂花だな」

「き、気安く真名を呼んでるんじゃないわよ!」

「えっ、だって預けてくれたじゃん?」

「みんなが預けるから仕方なくよ! でなきゃ誰があんたなんかに!」

 

 

全員に真名を許してもらった一刀。

桂花は最後まで渋っていたのだが。

 

 

「桂花ちゃんは素直じゃないですから気にしなくてもいいのですよお兄さん」

「うん。気にしてないから大丈夫だよ」

「ムキー!」

 

 

それぞれの扱い方が分かって来た一刀。

 

 

何はともあれ行き先が決まった一刀たち。

そんな一刀たちの前に野生の男たちが現れた。

 

 

「よお、兄ちゃん。女侍らして良い身分だな」

「アニキ、やっちまいましょうぜ」

「みんな可愛いんだな」

 

 

おなじみアニキ、チビ、デクの三人組だった。

 

 

「なによこいつら? あんたがなんとかしなさいよ!」

「いや、俺弱いし」

「はわわ、諦めが早いですよぅ!」

 

 

桂花は一刀に何とかさせようとする。

しかし、一刀は弱かった。

 

 

 

 

「やれやれ。亜莎、穏、やるぞ」

「はい!」

「はいです~」

 

 

そんな窮地を救ったのが冥琳、穏、亜莎の三人だった。

 

 

三人は戦う軍師だった。

 

 

「なんだ!? やるってのか!」

「生憎、我が主は戦えないようなのでな」

「ああん! 胸に挟まっちゃいました~」

「相手になります」

 

 

そして決着は一瞬だった。

 

 

「あん! もっと締め付けてくれ!」

「おっぱいがひとつ~、おっぱいがふたつ~」

「見えない武器なんて卑怯なんだな……」

 

 

冥琳、穏、亜莎の三人の圧勝だった。

 

 

「すごいな三人とも! 怪我はないか?」

「あの程度の輩なら造作もないわ」

「頑張りましたよ~!」

「問題ありませんでした」

 

 

男たちを放置して一刀たちは街へ向かうのだった。

 

 

その道中、穏の胸を鋭く睨みつける者が数名いたとか。

 

 

 

 

「なんか治める人がいなくなったわりには賑っているな」

「かなり評判の悪い人物だったみたいだからいなくなってせいせいしてるんじゃないかしら」

「いなくなって逆に栄えるとは呆れたものです」

 

 

一刀は詠、ねねと共に街を回っていた。

 

 

情報収集のために別れて行動していた。

 

 

「おっ、美味そうな肉まん。おっちゃん、肉まん三つくれ」

「あいよ」

 

 

店主から肉まんを受け取る。

 

 

「ちょっとあんた。路銀もあまり多くないんだから節約しなさいよ!」

「そうですぞ。ただでさえただ飯食らいのくせに」

「うっ。それを言われると辛いんだけど、まあいいじゃないか。はい、二人の分」

 

 

一刀は詠とねねに肉まんを渡す。

 

 

「あ、ありがとう。…………って、なんだか餌付けされたみたいじゃない」

「まあ今回は許してやるのです」

 

 

なんだかんだで肉まんを食べる二人だった。

 

 

その後も情報収集を続けた一刀たち。

 

 

そしてそれぞれが情報を持ち帰り、宿に集まっていた。

 

 

 

 

集まった情報纏めてみると以下のようになった。

 

 

・県令がいないため治安が悪くなった。

・近くに賊が潜んでいる。

・艶本の種類は豊富。

・黄巾党の首魁は張角。

・天の御遣いがこの辺りに舞い降りた。

・この近くで孫策が無双しているらしい。

 

 

「なんか余計な情報があるけど、こんなところだね」

「朱里ちゃんてば……」

「はわー! 雛里ちゃん、突然の裏切り!?」

 

 

雛里は策士だった。

 

 

「とりあえずこれからの方針なんだけど……」

 

 

一刀がこれからの方針を伝えようとした時には、既に軍師たちの話し合いはヒートアップしていた。

 

 

「だから、普通に集めても効率が悪いって言ってるのよ!」

「しかし、天の御遣いという名は十分に御輿になりますぞ」

「確かにそれだけも集まるだろう。だがまだ弱い」

「そうですね~。皆さん、一刀さんの人となりが分からないですからね~」

「ご主人様の噂を広めていくのが良いかと思いましゅ」

「でもどんな噂だろう?」

「全身が精液で出来ている」

「悪評を流してどうするのです」

「水鏡女学院の生徒たちを次々に毒牙にかけた悪漢とかですかねー?」

「か、一刀様が悪漢ですか」

 

 

一刀が口を挟めるわけがなかった。

 

 

「集まらないのなら、集まらなければならないような状況を作ればいいわ」

「なるほど。そこで北郷が上に立てばいいということか」

「おお、詠ちゃんも冥琳さんも悪い顔してますね~」

「うっさいわね」

「これが軍師というものだ」

 

 

詠は不機嫌そうに。冥琳はニヤリと笑った。

 

 

「あとは一刀殿が上手くやれるかですね」

「はわわ、ご主人様なら大丈夫です」

「頑張ってくだしゃい」

「一刀様ならきっとやってくれます!」

「これくらいやってもらわないと困るのです」

「死ねばいいのに」

 

 

一刀を放置したまま話し合いは終わった。

 

 

「えっと、俺っていらない子?」

 

 

その通りかもしれない。


 
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