No.182243

真・恋姫†無双 頑張れ一刀くん 魏ルートあふたぁ8

久しぶりの喘息で咳が止まらん。

私が死んだらお墓は定軍山に作ってください。

2010-11-03 03:05:45 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11878   閲覧ユーザー数:8836

 

 

「はぁ~い一刀」

「あっ雪蓮」

 

 

まず呉に行くことを決めた一刀。

華琳が手紙を送ると三日とかからずやってきた雪蓮。

警邏中の一刀にばったり出会ったのである。

 

 

「迎えに来たわよ~♪」

「迎えって雪蓮一人だけ?」

「そうよ♪」

 

 

本当にふらふらしてるんだと逆に感心してしまう一刀。

 

 

「王様がこんなことしていいのか?」

「いいのよ。それにもうすぐ蓮華に譲るつもりだし」

 

 

そんなあっさり決めていいのだろうか。

 

 

「それじゃあさっさと華琳に挨拶して呉に行きましょ」

「急だなぁ……。まあいいや。ついて来て」

 

 

こうして一刀は雪蓮を連れて城に向かった。

 

 

「呆れた。もう来たの?」

「ええ。みんな迎えに来たがってたけど王命で蹴散らしてきたわ」

 

 

なんたる暴君であろうか。

 

 

「一刀、元気でね? 風邪引かないようにね?」

「大丈夫だよ。行ってくるよ華琳」

 

 

いつ間にか過保護になっていた覇王様。

他の者に知れるとやっかいなので華琳はばれないように行きなさいと二人に命じた。

 

 

 

 

「いい天気ね~」

「そうだね~」

 

 

二人は馬に乗りながらゆっくりと呉へ向かっていた。

 

 

早く着いてしまうと一刀を独占できなくなるので出来る限りゆっくりと進んでいた。

 

 

「こんな日には何か起こりそうね」

「ははっ。何にも起こらないよきっと」

 

 

しかし雪蓮の勘は的中してしまう。

それも良くない方に。

 

 

「どうするの?」

「私一人だと簡単なんだけど一刀を傷付けないように戦わなきゃね」

 

 

二人は十人ほどの賊に囲まれていた。

 

 

雪蓮だけならあっさりと皆殺しなのだが、今は一刀がいるのでそれは出来ない。

教育上よくないらしい。

 

 

「へっへっへ。ガキを殺して女はヤッちまうか」

「久しぶりの獲物だな」

「いい乳してやがるぜ」

 

 

賊たちはすでに剣を抜いていて戦う気まんまんだ。

 

 

「本当にどうしようかしら?」

 

 

いくらでもやりようはあるが、一刀のことを考えるとどれも教育上よくないようだ。

 

 

そんなことを考えていると賊の一人が倒れた。

 

 

 

 

「あれは流琉!」

「あら、本当。なんでこんな所にいるのかしら?」

 

 

賊を後ろから斬りつけたのは流琉だった。

 

 

「兄様に雪蓮様、ご無事ですか!?」

 

 

手に血のついた包丁を握っている流琉。

どうやら今のは包丁で背後から斬りつけたようだ。

まるで通り魔のようだ。

 

 

「雪蓮様! 私が相手をしますので兄様と安全なところに!」

「わかったわ!」

 

 

雪蓮は馬を走らせる。

 

 

「逃がすな! 追え!」

 

 

数名が同じく馬で駆けだす。

 

 

「逃がしましたか。でもこれ以上はいかせません!」

 

 

流琉は残った賊を相手に戦い始めた。

 

 

「だぶる包丁!」

 

 

包丁を二本に増やし、賊たちをあっさりと殲滅した。

 

 

 

 

「おら待てー!」

「待つんだな!」

「待ちやがれ!」

 

 

雪蓮たちを追いかける三人。

 

 

「しつこいわね~。こうなったらやるしかないわね」

 

 

雪蓮が覚悟を決めて賊たちと退治しようとした時だった。

 

 

どこからともなく矢が賊たちに突き刺さり、その命を奪ったのである。

 

 

「誰かいるの!?」

「凄い腕前だね……」

 

 

しかし周りには人影すらなかった。

 

 

 

 

 

 

某所にて。

 

 

「フッ。目標消滅」

「あら秋蘭。弓なんか持ってどうしたの?」

「これは華琳様。少々虫退治を行っておりました」

「そ、そうなの?」

「はい。もういなくなったのでご心配なく」

「え、ええ」

 

 

みたいなことがあったとか。

 

 

 

 

 

 

「ご無事でしたか?」

「ええ。誰かに助けてもらったおかげでね」

「一体誰なんだろうね」

 

 

結局分からずじまいだったのでもやもやするのだった。

 

 

「ところで流琉はどうしてこんなところにいたのかしら?」

「はい。泰山に行った帰りだったんですよ」

 

 

伝説の厨具を探す旅だった。

 

 

「ところでお二人はどうしてここに?」

「呉に招かれたからその道中なんだ」

「そうだったんですか。兄様が帰る頃には美味しい料理が作れるようになってますから楽しみにしててくださいね」

 

 

流琉は秋蘭に勝つ気だった。

 

 

「それでは私はこの辺で」

「ああ。ありがとな流琉」

「私からもお礼を言うわ」

 

 

流琉は包丁の浄化がどうのこうのと言って去っていった。

料理以外で使っちゃダメなようだった。

 

 

「それじゃあ行きましょうか」

「うん」

 

 

二人は再び呉に向かって進むのだった。


 
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