「ぐふふっ……今日もこっそりと、霊夢さんの写真を撮っちゃいますよー♪」
無防備な霊夢さんの姿。
普段では見れないような表情。
そして、誰にも見せられないような格好。
「ああ。早く、早く写真に収めてじっくりと観賞したい」
私だけの霊夢さんで妄想に浸りたい。
「霊夢さん! 今行くッスよー!」
「大きな声を出してうるさいわよ。射命丸」
「れ、れれ、霊夢さんっ!?」
どうしてここに? いや、それよりも何で私の場所が見つかって――
「巫女であるわたしが、妖怪の気配に気がつかないわけがないでしょ」
「ああー」
そういえばそうでしたね。それにしても、これは少々マズイ状況なのでは?
「それで射命丸は、わたしの写真を撮ってなにをするつもりなのかしら?」
「えっと、それは……」
言えるわけがないでしょ。霊夢さんの色々な姿を見て、一人楽しもうだなんて。
「べ、別に変な事をするわけじゃないッスよ。ただ霊夢さんの写真は自分用であって――」
「は? あんた用ってどういう意味?」
「ひゃっ!? い、今のは霊夢さんの聞き間違いッスよ」
ええ。それはもう完全な聞き間違いなんです。
「いや、絶対に聞き間違いじゃないと思うけど」
「聞き間違いッス。聞い間違いなんです! お願いですから聞き間違いにして下さい!」
こんな情けない状況で霊夢さんに恋心を知られたくなんか無いですよ。
「また変な事に使おうとしてるんじゃないの?」
「そ、そんな事は無いッスよ!」
まぁ、ある意味では変な事かもしれませんが、これは霊夢さんを想うが故の行動なんです。
純粋な乙女心なんッスよ。
「はぁ……よく分からないけど、あまり変な事をするんじゃないわよ」
「はい……」
と、言っても実際約束出来るか分からないですけどね。
「まぁ、いいわ。どうせ暇なんでしょ? 暇なら少しわたしと付き合いなさい」
「ふぇ? れ、れれ、霊夢さんと!?」
霊夢さんと付き合えるのは嬉しいッスけど、まだ心の準備が――
「何を勘違いしてるか知らないけど、お茶に付き合いなさいって言ったのよ」
「へ? お、お茶……?」
ああ。お茶ですか。お茶。
霊夢さんが急に私と付き合いたいとか言うはずがないですもんね。
ええ。私の完全な勘違いで、バカな妄想ですね。
「それで、お茶するの? しないの?」
「あ。します。させて下さい!」
どんな理由であれ、霊夢さんと一緒に居られるのは嬉しい。
恋人どうしになれたら、もっと嬉しいんですけどね。
まぁ、あまり贅沢は言うもんじゃないッスよね。
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霊夢さんシリーズ三作品目。
射命丸視点による話です。
あと、カップリングのリクエストがあればきっと、喜んで書くと思います。たぶん……