私は留守番になってしまった
今桃香さんたちは南蛮に行っている
みんな気を使ったのかもしれない
呉の方で天の御遣いと武官が付き合っているという噂を聞いたのだろう
事実そういう噂を聞いてもいる
あの時見た光景は今でも忘れられない
あの女とレイさんが口付けしていた
レイさんがあいつの事を『好き』と言っていた
きっとあの女に何かされたんだ…
レイさんは私のこと『好き』と言ってくれた
『結婚しよう』とも言ってくれた
きっとあの女が毒を盛ったに違いない…
今レイさんはその毒の所為であの女に好きとか言ってるだけ…
だから待ってて…
いろいろ準備をするから…
本当に留守番でよかった
みんながいない間孫呉に行き放題だから…
情報では孫呉は南制に出てるらしい…
なのになぜあの女が一緒にいるの
なぜお前は南制に行かないの
そこまでして私とレイさんの邪魔がしたいのね
殺してやろうか…
でもいいの………
もし手遅れになってしまったらレイさんを殺せばいいだけだから………
そしたら誰にも邪魔されずに暮らす事ができる…
どのみち貴女はレイさんと一緒になることはないの
それは初めから決まっていることなの
だから少しだけ猶予をあげるよ……
「フフフ…」
猶予をあげた私はレイさんの後をずっと追跡した。
あの女の行動が気になったから…
貴女みたいな汚らわしい手でレイさんに触らないで
レイさんには私が隣にいるのが一番なんだから…
レイさん…もうちょっと我慢してね…
あの女を殺したら誰にも邪魔されない場所で暮らしましょう…
それにしてもあの女……馬鹿ね…
いくら毒を盛ったからって私たちの仲を切り離せると思ったのかしら…
そんなことしても無駄なのに……
あなた達夜になると一緒に寝るのね…
レイさん…可哀想……本当は私と寝たいのに…
あの女……図々しい…
抱きしめて寝らしてもらうだけでは飽き足らず……レイさんが寝たのを確認して口づけするなんて……
早く殺そうかしら…
でも私は寛大だからもう少しだけ猶予をあげる
今日はどうやらあの女はどこかに行くらしい
レイさんは雪蓮さんたちとどこかに行った
「…………イッテラッシャイ」
私は聞こえない様に言った
レイの部屋にあの女の物があるなんてレイが可哀想……
全部捨ててやりたい………
でも私は優しいから…
少しは残してあげるわ…感謝してね
毒を仕込んでそうな物はなかったわ
きっと食事の時に仕込んでいるのね…卑怯者……
あの女が帰ってきた
物が無くなって怒ってる…
貴女の物がある方がレイさんにとって悪い事なのよ…
感謝して欲しいわ…
レイさんと雪蓮さんたちも帰ってきた
あの女…レイさんたちのせいにしてる
許せない…
貴女の服やサラシなんて雪蓮さんたちには使えないじゃない…ぺたんこのくせに…
それにレイさんはそんな泥棒みたいな事する訳ないじゃない……
本当に早く殺したいな…
今日はレイさん街に行くのですね
あの女と一緒に…
あの女の感性はわからない…
レイさんには片眼鏡の方が似合うはずなのに…
レイさん…早く助けてあげたい…
もう少し待ってて
「……我慢デキナイ…」
服屋でレイさんが泣いていた
許せない…
あの女…
今日殺してあげる…
優しい私でも我慢できない…
あの女とレイさんが寝た後部屋に侵入した
「レイサン…スグ解放シテアゲマスカラネ…」
私は机の上に手紙を置いて部屋を後にした…
つづく
Tweet |
|
|
6
|
0
|
追加するフォルダを選択
第8章です。
皆さんがうらやましいです。
文才…どうしたら手に入れられるか…
続きを表示