二人が喫茶店に入ると茶色の髪をした女性がカウンターから出て来た。
「いらっしゃい!あら、この辺りじゃあまり見ない顔ね?」
女性が首をかしげると頭の上にクエスチョンマークが出たように見えた。
「今日からこっちに引っ越してきたんです」
悠里が説明すると女性は悠里の隣にいるシリアに目を向けた。
「こちらは妹さん?」
シリアは軽くおじぎをすると悠里の服の袖をつかんで一歩後ろに下がった。
「すみません少し人見知りなので」
「いいわよ別に少しずつ慣れていけばいいんだから。それじゃ席に案内するわね」
そう言うと女性は悠里とシリアを窓際の席に案内した。
隣のテーブルには三人の女の娘が座っていた。
一人は女性と同じ茶色の釜をしていて少しほわわ~んとしてそうな女の娘。
二人目は金髪の長髪でいかにも気の強そうな女の娘。
三人目の娘も長髪だが紫色のおとなしそうな女の娘。
「注文が決まったら呼んでね」
席に着いて頷くと女性は他のテーブルへ向かったが途中で戻ってきた。
「なのは、この子達今日からご近所に引っ越してきた子達だから仲良くしてあげるのよ」
すると茶色の髪のなのはと呼ばれた女の娘が「はーい」と返事をした。
女性はそれを確認するとにっこりと笑ってこんどこそ別のテーブルへ向かった。
「えとえと・・・私高町なのはよ、よろしくね!」
「アリサ・バニングスよ・・・」
「もうアリサちゃんたら、私は月村すずかですよろしくね」
「俺は藤堂悠里んでこっちの引っ付いてるのが妹のシリア少し人見知りだけどあまり気にしなくていいから」
お互いの自己紹介が終わるとなのはから早速質問がきた。
「そういえば悠里君とシリアちゃんて全然似てないけどどうしてなの?」
「シリアは義理の妹でもともとは外国にいる親戚の子だったんだ」
「へ~そうなんだ~」
説明するとなのはは納得したように頷いた。
「それじゃあお父さんとお母さんは?」
すずかからの質問に悠里は一瞬震えた。
「悠里君?」
「父さんと母さんは・・・いないよ」
「「「え・・・?」」」
ゆうりの言った事になのは、アリサ、すずかは驚きを隠せずシリアは俯いた。
「四年前事故でさ・・・」
「ご、ごめんなさい悠里君・・・」
「いいよ慣れてるから・・・それに父さん達が死んじゃったの俺のせいのようなものだし・・・」
その言葉になのは達やシリアは沈黙した。
「はは、なんか暗くなっちまったな。それよりさここのオススメ教えてくれよ」
「へ?ああ、え~とねぇ・・・」
悠里が沈黙を破り笑顔でなのは達に聞いたがその笑顔は本人の意志ではなく無理をしているようになのは達やシリアは見えた。
その後は何とか重い空気から抜け出しなのは達の事、学校の事、町の事などいろいろな話を聞いた。
そして、この喫茶翠屋はなのはの両親が経営していてカウンターから出て来た女性がなのはの母親の高町桃子だと知って悠里とシリアは驚いた。
それからしばらくして日も暮れてきたのでなのは達や桃子にお礼を言い引っ越し先の家に向かった。
「大丈夫悠里?」
家に向かう途中シリアが心配そうに聞いてきた。
「ああ、平気だ・・・そう心配すんなって」
「心配するよ悠里ってばいつも一人でため込むんだから」
「シリアの言うとうりだぜ相棒」
「あまりご無理はなさらないでください主」
「マスター・・・」
悠里は自分を心配してくれる仲間に心から感謝した。
「ありがとうなみんな・・・!」
しばらく歩くと目的地の家に着いた。
「っとここだな・・・って、うお!」
「うわぁ!」
「な、なんだこりゃあ!」
「こ、これは・・・」
「まさかこれ程の物だったとは」
悠里達はその”家”を見て驚いた・・・いやこれはもう”家”と言うより”屋敷”と言っていいものだった。
目の前には大きな門があり屋敷を囲む生け垣もあった。
「おいブリューナクここであってんのかよ?」
「は、はい間違いありません・・・」
立ち往生してると目の前の門がゆっくりと開きそれに驚いてシリアは悠里の後ろに隠れた。
敷地内には何十人ものメイドが頭を下げながら整列しておりその真ん中にメイド長らしき人物が頭を上げた。
「お待ちしておりました我らが主藤堂悠里様にシリア様」
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なのは達との出会いです。