悠里達が海鳴市に引っ越して来てから一週間がたった。
「ふぅ・・・」
その夜悠里は父と母の遺言状を読んでいた。
この遺言書を読むのは悠里にとっては二回目だった。話ははこの海鳴市に来る三日前に遡る。
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和室の部屋には悠里とシリアそして向かいには袴を着た男性の老人がいた。
「爺ちゃん話って何?シリアが爺ちゃんの大切にしてる壺割ったんなら俺からも謝るけど」
「そ、そんな事してないよ~!そうだよねお爺ちゃん!?」
「うむシリアの言うとうりじゃよ悠里、それに話というのはそのことではない」
悠里の祖父の健三は頷き答えた。
「じゃあ勉強の事?」
「それも違う、話というのはおまえの親である翔(かける)と佐代子(さよこ)についてだ」
その名を聞いて悠里とシリアは息を飲んだ。
すると健三は懐から一枚の紙を悠里に差し出した。
「これは?」
「翔と佐代子の遺言書じゃ」
悠里はそれを受け取ると丁寧に折りたたんでポケットに入れた。
「読まぬのか?」
「うん、自分の部屋で読むよ」
「お爺ちゃんはこの中身読んだの?」
「うむ悠里が立派になったら渡して欲しいとな」
「そっかありがと爺ちゃん」
そう言って悠里が立ち上がるのを見てシリアも立ち上がって部屋を出ようとすると健三が悠里を呼び止めた。
「悠里よ・・・」
「ん?」
「自分の道は自分で決めるがよい」
「もちろん!」
悠里はニッと笑って答えた。
「シリアもじゃぞ」
「うん!」
部屋に戻り健三から渡された遺書を開くと”魔法”という単語が目に入った。
全て読み終えると翔と佐代子は時空管理局という組織に入っていて魔導士だというのがわかった。
「父さんと母さんは魔法関係者だったんだたぶん爺ちゃんはずっと前から知ってたんだろうな」
「それで他には何て書いてあったの?」
「もし魔法に関わるんだったら海鳴市にある別荘に行きなさいだってさ」
「別荘あったんだ・・・それで悠里はどうするの?」
「いくよその海鳴市に」
するとシリアはニコッと笑った。
「悠里ならそう言うと思った」
その後、健三に海鳴市に行くと告げた。
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「・・・それに父さんと母さんを殺したアイツを野放しにしておけねぇしな」
「もうあんな事は繰り返さないようしなきゃ・・・」
悠里が呟くと扉がコンコンとノックされた。
「失礼します」
扉が開くとそこには整列したメイドの中央にいたメイドがいた。
「どしたシオ?」
「はい、悠里様もうそろそろ遅いのでお休みになられた方がよろしいと思います」
シオはこの屋敷のメイド長でアンドロイドで他のメイドも全てアンドロイドなのだ。
「うんわかった。あと様付けするのやめてくれないかなんか慣れなくてさ」
「いえ悠里様は私どもの仕えるご主人様なのでこのくらいの礼儀が必要です」
「どうしてもか?」
「どうしてもです」
悠里は諦めると机に置いておいたアルテマ笑っていたが無視をした。
すると突然魔力反応が出た。
「ブリューナクこいつは!?」
「この反応はロストロギアです!」
「もう一つの反応もあるぜ悠里、こいつは魔導士っぽいな」
「しかしどうしてこのような世界にロストロギアが?」
「とにかく行ってみるぞ」
ブリューナク、アムルテン、アルテマをそれぞれの腕につけるとシオの方を見た。
「シオ、シリア起きてたら来るように言っといてくれ寝てたらいいけど」
「わかりましたお気をつけて」
悠里は窓を開けるとそこから庭に出た。
「ブリューナクセットアップ!」
「セットアップ」「起動」
悠里が銀色の光に包まれると悠里の服が消え代わりに白の半袖短パンと薄い灰色のコートになり背中には二対の翼が出た。
手足を広げると両腕と両足、胴体、翼に機械のようなアーマーが現れボルトで固定されるとブースターが翼一枚にそれぞれ二機と腰の両脇に一機ずつ両足の脹ら脛に一機ずつと計十二機のブースターが取り付けられると包んでいた光が消えた。
「よっしゃ行くぜ!」
十二機のブースターに魔力を送り夜の空へ飛びだった。
「あの公園だな」
「っ!マスターロストロギアの反応が遠ざかって行きます」
「魔導士みてぇな反応は小さくなっていくぜ」
「ロストロギアは一端放置して魔導士の探索をするぞ」
「わかりました」「おう!」「御意」
公園に降りるとバリアジャケットを解除した。
「魔力が小さいせいかはっきりとした位置がわかんねぇぜ」
「効率悪いけどしらみつぶしに探すかシリアこないみたいだし」
その頃・・・
「むにゅ~もう食べられないよ~」
シリアはぐっすり眠っていた。
「ぜんぜん見つからないな・・・」
「どんだけ広いんだよこの公園・・・」
「日も出て来ましたしこの後も学校があります主」
「ああ、学校が終わったらまた来るか無事だといいんだけど」
昼はなのは達の同じ私立聖祥大附属小学校通っているためやむを得なく帰路についた。
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話が進まないので時間を飛ばします。