No.141506

真・恋姫†無双 あなたと共に 3

highstaさん

3羽烏編です。

この次で張3姉妹と霞をまとめてお送りしたいと思います。

それが終われば一刀くんのターンが来るかも!?

2010-05-07 16:14:34 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:19369   閲覧ユーザー数:13503

凪・真桜・沙和

 

 

コン、コン

 

「凪ぃ~おるかぁ?」

 

「凪ちゃ~ん」

 

2人の少女が場内のある一室を訪ねていた

 

1人は特徴的な関西弁をしゃべり、首には大きめのゴーグル、両腰に工具を装備している女の子

 

名を李曼成、真名を真桜という。彼女は”彼”の警備隊の所属とはなっているものの、現在では特殊工兵部隊の育成や蜀や呉に様々な技術を伝える技術士として、3国を又にかけ活躍している。

 

もう1人は、こちらも特徴的なしゃべり方をして長い栗色の髪をサイドで三つ編みに結って、眼鏡を掛けている女の子

 

名を干文則、真名を沙和という。彼女も”彼”の隊の所属でありながら、新兵の育成やなぜか服のデザインなどで活躍している

 

「おっかしいなぁ~どっか行ってるんちゃうか?」

 

「そんなはずないの~。凪ちゃんはいつもこの時間はお部屋にいるの~」

 

「そやな~。凪ぃ~(ガチャ)って鍵開いてるやん」

 

「凪ちゃ~ん、入るよ~?」

 

キィー

 

「凪ぃ~?・・・って、酒臭ッ!!」

 

「うぐっ!本当なの~。霞姉さまのお部屋みたいなの」

 

「・・・・・・」

 

「って、凪おるんやったら返事ぐらいs・・・・」

 

「どうしたの~真桜ty・・・・」

 

部屋の主の姿を認めて、おもわず二人とも口を閉ざしてしまった。

 

そこには久しぶりにあった同僚がひどい姿で酔いつぶれていた。

 

名を楽文謙、真名を凪という。警備隊を引き継ぎ、現在、洛陽警備隊長”代理”である

 

かつて、彼のことをもっとも尊敬し、そしておそらくは一番多くの時間を共に過ごした女の子でもある

「・・・凪」

 

「・・・凪ちゃん」

 

どうした?とは聞けない。いや、聞かなくても分かる

 

「・・・凪も・・・同じやろか?」

 

「・・きっとそうなの・・・でも凪ちゃんは」

 

自分たち以上に苦しんでいる女の子だから

 

そして、”彼”への・・・北郷一刀への想いが特別過ぎる娘だから

 

「きっと、沙和や真桜ちゃんよりも辛いの・・・」

 

 

一刀が消失したと聞いた時、一番取り乱したのは凪だった

 

まさに半狂乱・・・・・・泣き叫び、地面に額をぶつけ続けていたところを周りの将たちでどうにか押さえ込んだ

 

 

 

 

洛陽に帰ってからも凪は塞ぎ込んだままだった

 

部屋からもまったく出てこようとせずに食事すら摂っていなかった

 

 

 

 

そんな凪を救ったのは幼なじみであり、同じ男を愛した真桜と沙和だった

 

 

 

真桜が螺旋槍で凪の部屋のドアを破壊し、寝台の上で放心状態になっていた凪を沙和は力の限り殴った・・・・・そして・・・・・・思いっきり抱きしめた。

 

「凪ちゃんはバカなのッ!!!いつまで、1人だけで悲しんでるつもりなのッ!!」

 

沙和は今までにないほどの怒りを、心配をぶつけた

 

「そうやで凪・・・うちら3羽烏やろ?1人で抱え込まんと3人で分け合おうや」

 

真桜も凪の背中から優しく抱きしめる

「・・さ・・わ・・・・ま・・お・・・う」

 

「全部話すの・・・凪ちゃんの気持ち・・」

 

「そや、話してみ」

 

2人の親友の言葉にポツポツと凪は語りだす・・・自分の抱え込んでた気持ちを・・・

 

 

「わ、わた・・しは・・・きづ・・いて・・・・あげら・・・・れ・・・なかっ・・た」

 

・・・・・・純粋な想いだったからこそ苦しんだ

 

「わた・・しが・・・いちば・・・ん・・・ちか・・・くに・・・いた・・のに」

 

・・・・・・悔しかった

 

「た、たいちょ・・・うの・・・・いた・・・み・・に」

 

・・・・・・愛した人だったからこそ

 

「わ、わたしは・・・・・」

 

 

 

-------気づいてあげたかった・・・彼が感じている心の痛みに------

 

 

 

 

・・・それが全てだった

 

彼女の抱えた痛みの・・・

 

 

 

 

 

 

「・・・凪ちゃん・・・・・・やっぱりバカなの」

 

「ホンマやな~ついでにアホや」

 

「なッ!?」

 

バカやアホ呼ばわりされた凪が驚いて顔をあげると

 

 

・・・真桜と沙和は・・・・・・笑ってた・・・

「凪ちゃんは確かに隊長と一番一緒にいたかもしれないの~」

 

「でもなぁ凪・・・好きな人が苦しんでたことに気付けなかったんを後悔するんわ時間なんて関係あらへん」

 

「!?」

 

「そうなの~。沙和や真桜ちゃんももちろんだけど春蘭様や秋蘭様、霞姉様だって思ってることなの」

 

「それにな、凪。そんな風に考えてまうと際限ないで?自分を追い込むだけや」

 

「・・・ならば・・・・・・ならば私はどうすればよいのだ?・・」

 

「簡単なの!隊長が帰ってきてから文句言ってボッコボコにしてやればいいの!」

 

「!?隊長が・・・帰ってくる?」

 

「そうやで凪。考えてもみぃ~あの隊長がこんないい女たち置いたままにしとくと思うか?」

 

「そうなの!なんたって隊長は・・」

 

真桜と沙和は顔を見合わせて笑う

 

「「魏の種馬なの(やからな)」」

 

 

そんな二人を見て、凪もつい吹き出してしまう

 

 

「ぷっ・・ははっ。そうだな・・・2人の言うとおりだ。隊長はきっと帰ってきて下さる。あの人は・・・私たちの隊長なのだから」

 

凪の久しぶりの笑顔を見て2人は嬉しくなる

 

「凪ちゃん、なんだか恥ずかしいこと言ってるの~」

 

「!?さ、沙和ッ////」

 

「「あははははは」」

 

 

 

 

 

 

 

「んっ・・・ん?沙和と・・・真桜か?」

 

「やっとお目覚めかい」

 

「おはようなの」

 

「あっ、ああ・・おはよう・・・・・って、お前らいつから?」

 

「1刻ぐらい前なの~きた時には凪ちゃんは寝てたの」

 

「そ、そうか」

 

「・・・というかやなぁ、凪・・・飲みすぎやろ?」

 

「うっ!」

 

居心地が悪くなった凪に沙和が問いかける

 

「やっぱり凪ちゃんも隊長のこと思い出してたの?」

 

「!?・・・・・・わ、分かるか?」

 

「まぁ、そりゃ~普段あまり酒を呑まん凪がこんなに呑むくらいやしな・・・それに・・・」

 

真桜は沙和を見る

 

「沙和たちも一緒なの。」

 

「そうか、そうだよな。私たちは北郷隊の3羽烏だからな」

 

凪に同意するように2人は頷く

 

 

「しっかし隊長も遅すぎやろ」

 

「本当なの!このままじゃ沙和たち、おばあちゃんになっちゃうの!」

 

「でも信じることにしたんだ。隊長はいつか帰ってきてくれると」

 

凪の発言になんだか聞いてる方が恥ずかしくなってしまった2人は誤魔化すように酒瓶をとる

 

 

「よぅ~し、ほんなら今度は3人で呑みなおしや!!」

 

「いい考えなの~。ほら、凪ちゃんも杯もって」

 

「あ、ああ」

3羽の烏は笑っている・・・自分たちの・・・彼の”居場所”を守りながら

 

「よ~し、準備はえーな?せ~のッ」

 

親鳥が帰ってくると信じて

 

「「「北郷隊にかんぱ~い!!!」」」

 

 

 

 

待ち続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星は優しく煌いている

 

 


 
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