No.129945

真・恋姫†無双 〜白馬将軍 龐徳伝〜 プロローグ 2話

フィオロさん

白馬将軍 龐徳伝の序章の2話目です。

正直匈奴戦をどう描こうか未だに迷ってます。

まあ、25万対40万ですから説得力を持たせるのが異様に難しい・・・。

2010-03-14 10:31:32 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3449   閲覧ユーザー数:2925

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出撃前、病み上がりの涼州牧馬騰様に変わり、総大将を務める事になった俺に、牙門旗が渡される。

 

 

そして、全軍に俺は総大将として演説する事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆目を閉じよ。

 

 

思い出せ、この地に生まれ落ち、育って来た涼州の事を。

 

今此処に居る同胞達と過ごした苦難の日々を。

 

苦難を乗り越え、実りを喜び合った日々を。

 

匈奴によって奪われ、犯され、焼き尽くされた守るべき村を、町を。

 

自らを、親を、妻を、夫を、子を、友を守らんがために武器を取った日々を。

 

共に戦場を駆け巡り、そして散って行った同胞達を。

 

同胞達の屍を踏み越え、侵略して来た匈奴を追い返した時の事を。

 

皆が今、甲冑に身を包み、手に槍を持ち、弓を持ち、腰に剣を佩き、矢筒を持つ理由を。

 

思い出せ。

 

 

 

 

 

 

いつもそうだった、我々の生きて来た過去、いや我々に限った話ではない。

 

この涼州が涼州と呼ばれる様になるその遥か以前から、この地に住まう我らの祖先は匈奴に苦しんで来た。

 

いや、この地に限らず中原の民もまた、匈奴の存在を無視出来なかった。

 

それ故に、先祖達は中原からは慣れたこの草原の地を駆け抜け、匈奴と戦い続けて来た。

 

中華の歴史の中に、匈奴との争いは不可分、避けて通れない重大事。

 

その暴虐の刃である匈奴を倒すために、数多くの勇者が草原の地に戦ってきたのだ。

 

古くは古の趙国三大天が一人李牧から、新しくは班超まで。

 

この北の地の覇権を巡って争い、そして勝利して歴史に名を残したのだ。

 

 

 

 

 

 

そして今! 永きに渡る匈奴との戦争に、決着を付ける時が来た!

 

10年前の悪夢を覆し、あの草原の丘に散った涼州の勇者、韓遂様の仇を討つ時が来た!

 

「悲しみの丘」で韓遂様と共に散って行った5718名の同胞の仇を討つ時が来た!

 

この涼州に住まう全ての同胞達が、過去の悲しみを乗り越え! 勝利と栄光、そして安寧を手にするための機会がついに来た!

 

怒りも! 悲しみも! 憎しみも! 恐れも! 全ての感情を肉体と武器に宿らせろ!

 

煮え滾る思いを戦場にぶつけろ!

 

匈奴に思い知らせてやれ! 奴らの哲学では理解出来ぬ戦場がある事を! 奴らに恐怖の味を思い知らせてやれ! 我らの怒りを思い知らせてやる!

 

かつて匈奴に破れ、志半ばで散って行った同胞達の魂を弔うぞ!

 

天の時は我らにあり!

 

涼州牧馬騰様より指揮権を御預かりした。総大将龐徳が命ずる! 全軍出撃! 向かうは北西!

 

10年前の悪夢の地! 「悲しみの丘」である!!」

 

 

 

その兵共の喊声は天を焼き焦がさんばかりに燃え盛り、大地を揺るがす地響きとなった。

 

 

 

 

 

 

・・・我ながら、よくもまあこんな演説が出来たものだ・・・

 

俺自身に関心しているのやら、それとも呆れているのか、正直良く解らない。

 

ただ、25万もの大軍の総大将となると、それは必然的にそれだけの、いや、兵士達には当然家族が居るし、この草原の地の大戦となれば、その勝敗は漢王朝そのものに影響を及ぼす程と言えよう。

 

そうなれば、今この戦の趨勢を思い描き、導こうとするこの俺には、何千万もの人々の生命を背負っていると言う事である。

 

それを自覚すると、やはり俺に掛かる重圧はより大きく、重くなった。

 

だが、それでも、くじける訳にはいかない。

 

そんな事は、最初から理解していた事なのだから。

 

そして、それに押し潰されるようでは、10年前の悪夢を払拭出来る訳が無い。

 

 

 

 

 

 

あの日、丁度10年前、任務のために外出する両親の姿を見送ったのが、俺が最後に見た両親の姿だった。

 

10年前のあの日、俺は家から出立する両親を見送りし、その後はいつもの様に武芸を修練し、書物を読んで兵法を学んでいた。

 

出立を見送った4日後、その知らせはやって来た。

 

匈奴の襲撃に遭い、韓遂および韓遂に従っていた俺の両親を含めた一族が全て、戦死したと言う知らせである。

 

俺は問題児だった。俺自身はそんなつもりは全くなかったのだが、問題児だった。

 

色々と突飛な事を言うわ、悪戯して大人達を困らせる事もあったから、問題児と言う評判が広まってしまったのだ。

 

そんな俺を育ててくれた、俺の両親・・・

 

代々武官としての家を継いだ父からは武を学んだ。年を重ねて槍や剣を振るえる様になってから、ほぼ毎日親父に叩きのめされて来た。

そんな武官の家に嫁いだ母は、これまた女とは思えぬ程の怪力を持ち、同じ様に叩きのめされる事もあれば、文字の読み書きから兵法まで、勉強の先生でもあった。

 

辛く感じる時もあったが、俺は間違いなく幸せだった。

 

母には頭が上がらないが完全に惚れ込んでいる父、父を尻に敷きながら父を愛し龐家を明るくする母。

 

俺は、本当に幸せだった。あの日、あの知らせが届くまでは・・・

 

 

 

 

 

 

「若殿、匈奴軍が射程距離まで後僅かです!」

 

またも物思いに沈んでいた俺を引き戻したのは、じいの状況を知らせる言葉であった。

どうやら、予想通り匈奴軍は小細工無しの勝負を挑んで来る様だ。

 

大兵に軍略無しと言う様に、数と練度を備えた大軍の正攻法を打ち破るとしたら、それ以上の数と練度を備えた大軍を用意するのが最も有効な対策である。

 

 

 

確かに世には寡兵で大軍を破った例は数多くあるが、それが必ずしも政略、戦略に影響を及ぼすとは限らない。

 

弓馬を競う前に勝つ事こそ、戦で最も重要なのである。戦場による勝利は、最上ではない。

 

 

 

・・・それでもこの戦は避けて通る事が出来ないんだよな。

 

「弩隊と長槍隊を前に出せ。後方より、弓兵部隊の援護準備!

弩隊の射程距離範囲直前になったら予定通り弩隊の前に柵を立てろ!」

 

「御意!」

 

丘上に陣取るこの涼州軍本陣を攻め落とせば、戦の趨勢は決まる。コレは実に正しい。

 

実際、この戦場には涼州軍本陣以外にも大規模な部隊が2つあるのだが、匈奴軍からすれば、巨大な牙門旗が見える丘上の本陣こそ叩いてしまえば、戦は終わると言って過言ではないのである。

 

ただしそれは・・・

 

「全て予想通りだな」

 

本陣を叩ければの話、だ。

 

 

 

 

 

 

突如、喊声を上げて吶喊して来る匈奴軍の各地で乱れが発生した。

 

馬上で生まれ、馬上で死ぬとさえ言われる匈奴軍が、何故か各所で落馬し、次から次へと駆け抜けて来る馬に踏み潰されて行く。

 

またある場所では、一見地面だが其処に馬が吸い込まれて行く。

 

 

「足下がお留守の様だな。まあ、罠を張ったのは俺達なんだが。」

 

「地面に杭を打ち込み、杭と杭を縄で繫いで騎馬軍の足がらめ。他には草をかぶせて解りにくくした落とし穴ですか。なまじ速度が速いだけに混乱するでしょうなぁ。」

 

「まあ、奴らがその程度で怖じ気づきはしないだろうがな。コレは挨拶代わりに過ぎん。」

 

 

俺の言った通り、それでも本陣に向けて殺到して来る匈奴軍の勢いは止まらない。

 

だが、まだ戦は始まったばかり。本当の意味での戦はこれからである。

 

 

 

 

 

 

なんか中途半端になってしまいましたが、とりあえず2話目を更新しました。

 

コメントにも書きましたがこの戦をどう決着つけるのか、未だに纏まってないです、ハイ。

 

しかし、演説考えるの難しい。なんだこの幼稚な演説はorz。

 

匈奴の単于とかも出そうかなぁ?

 

後、韓遂殺しちゃいました、フヒヒwww サーセンwww

 

 

 

 

 

(作者フルボッコ中につき、しばらく御待ちください)

 

 

 

 

 

龐徳自身の詳しい事はまた別の機会に書こうと考えています。

 

もうちょっと匈奴戦が続くと思いますので、恋姫達が出るのは・・・何時頃になるのやら?

 

それでは、第3話でお会いしましょう。

 

 

 

 


 
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