No.1144075

ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~ 20.急がなきゃ!

リューガさん

女の子のことが書けない
主人公の敵か味方かでしか書き分けができない
そんなのは物書きの恥だ!

そんなわけで、児童小説などで勉強してます

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2024-05-09 20:12:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:125   閲覧ユーザー数:125

 プロウォカトルの車は、借りれた。

 

 今それに乗り、峠の道を上っていく。

 辺りに家はない。

 私たちの半島を越える。

 学校から見える東側の海ではなく、西側へ行くの。

 夕日がしずむ。

 海と雲が赤くそまる。

 はじまる夜の黒をバックに、豪快な景色をつくりだした。

 

 その空を、大きな音が横切っていく。

 戦闘機だね。

 彼らも、さっきの戦いの帰りだね。

 

 夕日が見やすい峠に、黒い瓦ののった土壁がつづく。

 やがて太い木の柱で支えられたエントランスがむかえる。

 車がそこにはいると、私の家。

 木造瓦屋根の2階建てだよ。

 塀をそのまま進むと駐車場。

 今日も車は多かったよ。

 そしてまた土塀があって、私たちが入ったのより大きなエントランスがある。

 柱におさまる、あんどんをイメージした白い看板。

 ここが『割烹居酒屋いのせんす』だと誇る。

 イノセンスてのは、純潔、無邪気と言う意味だよ。

 そのおくは、圧倒されそうな大きな瓦屋根。

 木造平屋建て。

 250年は昔に作られた武家屋敷をイメージしたの。

 家とは、駐車場のおくのわたりろうかでつながってる。

 

「車は、駐車スペースではなく玄関前に停めてください。

 10分で戻ります」

「はい」

 引戸を開けると。

 

『お帰りなさい』

 和服姿のお母さんがいた。

 涼やかな緑と白が流れる訪問着。

 帯は黒にオレンジ色のアサガオ。

 お店での仕事着だよ。

 口もとは、文字どうりの陶器の白さ。

 お母さんはアンドロイドなの。

 赤いおちょぼ口が、動くことはないの。

 鼻から上は、ヘルメットみたい。

 虹色の貝殻を大きな流れ星にして、黒漆に刻んだ。

 その流れ星のなかで白く輝く切れ目が、ピクリとも動かず私をむかえてくれた。

「ただいま。ごめんね。手伝わせて」

『言いたいことはある。けど、アンナちゃんにもう言われた顔ね』

 アタリ。

『さあさ、お風呂へ行って。

 上がったらすぐ着替えるからね』

「うん。おねがい」

 これから着るのは、目が覚めるようなブルー。

 市松模様の訪問着に着替える。

 そして、ポルタ社の最上階へ行く。

 

 そこでシロドロンド騎士団、アーリンくんたちと合う。

 他にも準備を頼んでおいた。

 合言葉は、『丸い角砂糖ください』

 アーリンくん驚くかな。

 そう思うと、気分が少しだけ上向いた。


 
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