エネルギーコアを追った私は、ゼンドウ流通路に辿り着いた。
「……で?」
「エネルギーコアを撃てばリフトごと動きそうです。
なので、敵に壊されないよう最深部まで運んでください」
つまり、ジョシリョ区駅みたいな試練なのか。
この試練を突破してきた私に、不可能などない!
エネルギーコアを攻撃してくる装置を破壊しながら私はどんどん先に進む。
装置だけでなく、タコミサイルもエネルギーコアを狙ってくる。
私はそいつらを撃退した後、先に進んだ。
側面から攻撃を受けてしまったが、エネルギーコアを守るのを優先する。
すぐにタコトルーパーを倒し、私はインクを回復しながら進む。
そしてチェックポイントに辿り着くと、エネルギーコアは全回復した。
……また、邪魔な障害物が来たか。
「タコウォッシャーは倒せません! 避けて行きましょう」
「サングラスのヤツはボムなら届きそうだゾ!」
じっと目を凝らしていると、ゲートの側面にタコスナイパーを発見。
私はそいつにスプラッシュボムを投げる。
こいつを見逃したら、エネルギーコアが壊れるからな。
その後、私はタコウォッシャーを避け、タコスナイパーをスプラッシュボムで倒し、
ボムタコプターをオクタシューターで倒した。
タコ編隊の隙間を慎重に進み、2つ目のチェックポイントに辿り着く。
しかし、レーザーが進路を塞いでいて進めない。
私はレーザーの近くにスイッチを発見し、スイッチを撃ってレーザーを止めた。
転がる蛸をやり過ごしながら、レーザーを止めてエネルギーコアを撃つ。
私とエネルギーコアを乗せた箱は、どんどん上に向かって進んでいく。
エネルギーコアを守り抜いた私は、最深部に到着し、コンセントを刺す。
箱の動きが止まり、装置が作動していく。
装置から供給されるエネルギーが、たくさんの管を通ってどこかに繋がる。
「お! おおっ!?」
「エネルギーコア、セット……完了です!」
ついに、地上行きのエレベーターが稼働した。
エネルギーは蜘蛛の巣のように張り巡らされた管を通り、中央エレベーターを稼働させる。
私はチェックポイントに乗り、セキツイ中央孔へ進むのであった。
――ずきん。
セキツイ中央孔に進もうとすると、一際強い頭痛が私を襲った。
私は今、全てを思い出しつつあるのだ。
地下施設の映像が、鮮明に蘇る。
『ねえ、No.10008。私達は暗い地下の中にいるけれど、いつか、明るい光を見てみたくない?』
私はNo.10007というオクタリアンと会話している。
二人とも、地上に憧れているようだ。
『でも、この中に入ってるのって、何?』
No.10007は、チューブに入っているドロドロの液体が気になっていた。
私も気になって、「彼」に質問をした。
すると、「彼」はゆっくりと口を開いた。
『10006体のオクタリアンを練った液体だ』
『……え……』
私とNo.10007は吐き気がした。
こいつは、オクタリアンだったのか……!?
恐怖心を覚える私とは正反対に、No.10007は心の中で怒っていた。
こんなチューブの中に、同族が入っているのか。
No.10007は鋭い目で「彼」を睨みつけた。
『ちょっと待って! なんでそんな事をしたの?』
『全て、失敗作だったからナ。新世界を託すには至らなかったという事ダ。
故に、ワタシが練り直したというわけだヨ』
『失敗作!?』
No.10007は驚き、私は震える。
『新世界を託すというのは間違っている。本当はあなたの思い通りにしたかっただけ。
だって、そう思わなかったら、こんな事はしなかったはずだよ!』
怯まずに「彼」に自分の意見を言うNo.10007。
その勇気に、私もぐっと拳を握った。
だが、「彼」はどこか不穏な表情になった。
そして、厳かな口調でNo.10007に言った。
『No.10007……ワタシは貴様を練り直す事くらい、簡単にできるゾ。それを教えてやル!』
まずい、このままではNo.10007はミンチになる。
止めなければと思ったが、足が竦んで動けない。
No.10007はブキを持っていないにも関わらず、「彼」に勇敢に立ち向かっていく。
すると、「彼」はミキサーを目の前に出した。
一瞬、No.10007の顔の激しい怒りは消え、No.10007はミキサーの中に吸い込まれた。
そして、No.10007は衝動的な行動を後悔し、音を立てて練り潰された……。
私は泣いた。
私を支えてくれたオクタリアンが。
私の目の前で、ミンチになった。
『こいつも失敗作だったようダ。次は貴様ダ』
「彼」は私を睨みつけた。
追いつかれれば、私もNo.10007と同じようにミンチにされてしまう。
私は大急ぎで、「彼」の下から逃げ出した。
『待て、No.10008! 逃げるナ! 貴様は、必ず後悔する事になるゾ……』
「彼」の声がだんだん小さくなっていった。
そして――私は、地下鉄内で倒れた。
――全てを思い出した。
私は、デンワの観察のために生まれた、10008番目の実験体だったのだ。
練り潰されたオクタリアンを弔うためにも、何としてでも、地上に出なければ。
そして、「彼」の野望を阻止しなければならない。
私の長い戦いは、もうすぐ終わろうとしていた。
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Octo Story、ラストステージ回その5です。今日は猫の日ですね。