No.1020585

Octo Story 第19話「護」

Nobuさん

Octo Story、ラストステージ回その5です。今日は猫の日ですね。

2020-02-22 08:07:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:687   閲覧ユーザー数:687

 エネルギーコアを追った私は、ゼンドウ流通路に辿り着いた。

 

「……で?」

「エネルギーコアを撃てばリフトごと動きそうです。

 なので、敵に壊されないよう最深部まで運んでください」

 つまり、ジョシリョ区駅みたいな試練なのか。

 この試練を突破してきた私に、不可能などない!

 エネルギーコアを攻撃してくる装置を破壊しながら私はどんどん先に進む。

 装置だけでなく、タコミサイルもエネルギーコアを狙ってくる。

 私はそいつらを撃退した後、先に進んだ。

 側面から攻撃を受けてしまったが、エネルギーコアを守るのを優先する。

 すぐにタコトルーパーを倒し、私はインクを回復しながら進む。

 

 そしてチェックポイントに辿り着くと、エネルギーコアは全回復した。

 ……また、邪魔な障害物が来たか。

「タコウォッシャーは倒せません! 避けて行きましょう」

「サングラスのヤツはボムなら届きそうだゾ!」

 じっと目を凝らしていると、ゲートの側面にタコスナイパーを発見。

 私はそいつにスプラッシュボムを投げる。

 こいつを見逃したら、エネルギーコアが壊れるからな。

 その後、私はタコウォッシャーを避け、タコスナイパーをスプラッシュボムで倒し、

 ボムタコプターをオクタシューターで倒した。

 タコ編隊の隙間を慎重に進み、2つ目のチェックポイントに辿り着く。

 しかし、レーザーが進路を塞いでいて進めない。

 私はレーザーの近くにスイッチを発見し、スイッチを撃ってレーザーを止めた。

 転がる蛸をやり過ごしながら、レーザーを止めてエネルギーコアを撃つ。

 私とエネルギーコアを乗せた箱は、どんどん上に向かって進んでいく。

 エネルギーコアを守り抜いた私は、最深部に到着し、コンセントを刺す。

 箱の動きが止まり、装置が作動していく。

 装置から供給されるエネルギーが、たくさんの管を通ってどこかに繋がる。

「お! おおっ!?」

「エネルギーコア、セット……完了です!」

 ついに、地上行きのエレベーターが稼働した。

 エネルギーは蜘蛛の巣のように張り巡らされた管を通り、中央エレベーターを稼働させる。

 私はチェックポイントに乗り、セキツイ中央孔へ進むのであった。

 

 ――ずきん。

 セキツイ中央孔に進もうとすると、一際強い頭痛が私を襲った。

 私は今、全てを思い出しつつあるのだ。

 地下施設の映像が、鮮明に蘇る。

 

『ねえ、No.10008。私達は暗い地下の中にいるけれど、いつか、明るい光を見てみたくない?』

 私はNo.10007というオクタリアンと会話している。

 二人とも、地上に憧れているようだ。

『でも、この中に入ってるのって、何?』

 No.10007は、チューブに入っているドロドロの液体が気になっていた。

 私も気になって、「彼」に質問をした。

 すると、「彼」はゆっくりと口を開いた。

『10006体のオクタリアンを練った液体だ』

『……え……』

 私とNo.10007は吐き気がした。

 こいつは、オクタリアンだったのか……!?

 恐怖心を覚える私とは正反対に、No.10007は心の中で怒っていた。

 こんなチューブの中に、同族が入っているのか。

 No.10007は鋭い目で「彼」を睨みつけた。

『ちょっと待って! なんでそんな事をしたの?』

『全て、失敗作だったからナ。新世界を託すには至らなかったという事ダ。

 故に、ワタシが練り直したというわけだヨ』

『失敗作!?』

 No.10007は驚き、私は震える。

『新世界を託すというのは間違っている。本当はあなたの思い通りにしたかっただけ。

 だって、そう思わなかったら、こんな事はしなかったはずだよ!』

 怯まずに「彼」に自分の意見を言うNo.10007。

 その勇気に、私もぐっと拳を握った。

 だが、「彼」はどこか不穏な表情になった。

 そして、厳かな口調でNo.10007に言った。

『No.10007……ワタシは貴様を練り直す事くらい、簡単にできるゾ。それを教えてやル!』

 まずい、このままではNo.10007はミンチになる。

 止めなければと思ったが、足が竦んで動けない。

 No.10007はブキを持っていないにも関わらず、「彼」に勇敢に立ち向かっていく。

 すると、「彼」はミキサーを目の前に出した。

 一瞬、No.10007の顔の激しい怒りは消え、No.10007はミキサーの中に吸い込まれた。

 そして、No.10007は衝動的な行動を後悔し、音を立てて練り潰された……。

 

 私は泣いた。

 私を支えてくれたオクタリアンが。

 私の目の前で、ミンチになった。

 

『こいつも失敗作だったようダ。次は貴様ダ』

 

 「彼」は私を睨みつけた。

 追いつかれれば、私もNo.10007と同じようにミンチにされてしまう。

 私は大急ぎで、「彼」の下から逃げ出した。

 

『待て、No.10008! 逃げるナ! 貴様は、必ず後悔する事になるゾ……』

 

 「彼」の声がだんだん小さくなっていった。

 そして――私は、地下鉄内で倒れた。

 

 ――全てを思い出した。

 私は、デンワの観察のために生まれた、10008番目の実験体だったのだ。

 練り潰されたオクタリアンを弔うためにも、何としてでも、地上に出なければ。

 そして、「彼」の野望を阻止しなければならない。

 

 私の長い戦いは、もうすぐ終わろうとしていた。


 
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