ルークはすぐに思い当たって尋ねました。
「お父さんの友ってゲイザーおじさんの事?」
「奴の事は心底大嫌いだったんだが、奴はどんな事があっても僕を信頼していたんだ…」
「あっ、わかる!おじさん、ずっと僕を信頼してくれてたから、僕もおじさんを信頼するようになったよ」
「都合の良い時だけ僕に頼ると言うわけでもなかったしな。むしろ僕を頼らなかったら、なぜ相談しない?と腹が立ったりしたよ」
「僕もローラが頼りにしてくれなくて腹が立った事あるよ」
「お前も少しは僕を頼れ。頼り過ぎるのは良くないが、悩みを打ち明けられないのはもっとショックだよ」
「ウィルスさんに大人の男なら自分で判断しろって言われて、意地になってた気がするよ…」
「ウィルスは人を使うのが上手いからな。僕を上手くおだてて顎で使っているようだが、僕はそれを知っていてウィルスの思い通りに動いていたのさ?」
「お父さんはこのシナリオをどうやって終わらせる気なの」
「このまま行くとお前が魔術師連盟を辞めたらブラックリストにお前の名前が載る事になる」
「じゃあ僕は上位職に就けなくなるって事?」
「それだけならまだ良いが、第一級資格すら取得させない可能性もあるな」
「第一級資格が取れなかったら結界石も二束三文でしか買い取ってもらえないじゃないか…」
「第三級魔術師のお前が作った結界石など、せいぜい五万が良いところだろうな。買う側は質の良い結界石かどうかを見極められないので、肩書きだけを気にする」
「だから今は売らないって決めてたんだ。結界石の価値を下げてしまうだけだから」
「第一級資格を取得していても質の悪い結界石をばら撒いているから、いざと言う時に使っても命を落としている者が大勢いるようだがな」
「第一級資格って何の為にあるの?無意味じゃないか」
「昔、資格を取った者は本当に才能があった者ばかりだった。しかし才能のある者が財をなして、その子孫が金だけで資格を買って才能のない者が増えて来たから、おかしな事になったんだ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第315話。